山歩きでミラー付きのコンパスを使っていますが、精度はよいものの、使う度にミラーのある蓋を開け閉めする必要があり、それが手間だと感じるようになってきました。
そんなとき、プレート型なのに高精度で方位を測れるコンパスに出会ったので、買ってみることにしました。
▲Expedition 54
製品名: Expedition 54(エクスペディション 54)
メーカー: Silva Sweden AB(所在地:スウェーデン)
ダイヤル目盛り: ミル(50ミル刻み)(度の表示は、プリズムを覗いた時だけ見えます)
プレートの定規の縮尺: 1/25000、1/50000、1/40000
磁針の完全な静止までの時間: 6秒(コンパスを垂直の状態から水平に寝かせてからの時間)
測定精度: プラスマイナス0.5度
保護等級: IP68(10m)
動作環境: 氷点下セ氏40度からセ氏60度の範囲
耐久性: 30G、高さ1.5mから砂利への落下
材質: アクリル
サイズ: 126mm×60mm×16mm(カタログ値)
重量: 39g(カタログ値)
照準方式: プリズム式
拡大鏡の有無: 有
傾斜計の有無: 無
滑り止めの有無: 有
夜光塗料の有無: 有(蓄光式)
NATO Stock Number: 6605-99-453-6214
購入価格: ¥13,500 (私が購入した時の価格)
購入先: テーラーアンドストーナー(東京都)
メーカー: Silva Sweden AB(所在地:スウェーデン)
ダイヤル目盛り: ミル(50ミル刻み)(度の表示は、プリズムを覗いた時だけ見えます)
プレートの定規の縮尺: 1/25000、1/50000、1/40000
磁針の完全な静止までの時間: 6秒(コンパスを垂直の状態から水平に寝かせてからの時間)
測定精度: プラスマイナス0.5度
保護等級: IP68(10m)
動作環境: 氷点下セ氏40度からセ氏60度の範囲
耐久性: 30G、高さ1.5mから砂利への落下
材質: アクリル
サイズ: 126mm×60mm×16mm(カタログ値)
重量: 39g(カタログ値)
照準方式: プリズム式
拡大鏡の有無: 有
傾斜計の有無: 無
滑り止めの有無: 有
夜光塗料の有無: 有(蓄光式)
NATO Stock Number: 6605-99-453-6214
購入価格: ¥13,500 (私が購入した時の価格)
購入先: テーラーアンドストーナー(東京都)
▲プレートの目盛り
▲軍用コンパスなので、ダイヤル外側の目盛りの単位は度ではなくミル
▲裏面には滑り止めのゴム脚がある(ダイヤル周囲の3箇所)
NATO Stock Number(NATOの管理番号)が付与されていることから分かるとおり、普通に市販されてはいますが、元は軍用のコンパスです。
普通は使わない機能ですが、暗い中でもコンパスを使って行動できるよう、夜光塗料がふんだんに使われているのも軍用らしいところでしょうか。
▲夜間でも進路を維持したり、目標の方位角を測定できる(民間では不要な機能)
上の写真でおわかり頂けると思いますが、見た目は普通のコンパスなので、基本的な使い方は通常のプレートコンパスと変わりません。
ダイヤルの目盛りが軍用の単位「ミル」ですが、ナビゲーション時は方位角の数値を気にすることは無い(ダイヤルと磁針が平行になっているかどうかだけ分かれば良い)ので、特に問題は無いと思います。
では、普通のコンパスと何が違うのかというと、目標物の方位を測定する時の照準方法です。
このコンパスは、ダイヤルが非常に分厚くなっています。
それは、ダイヤル内部にプリズムが入っていることと、照準用の「のぞき窓」があるから。
それは、ダイヤル内部にプリズムが入っていることと、照準用の「のぞき窓」があるから。
これがExpedition 54の売りです。
▲Expedition 54はダイヤルがかなり分厚い
のぞき窓から中をのぞき込むと、ミルと度の2種類の目盛りが見えるようになっています。
実際、遠くに見える山の方位角を調べるときに、どのような感じになるのか分かりやすくするため、以下の写真を作ってみました。
ダイヤル内のプリズムを写した写真と、風景写真を合成したものですが、だいたいこのように見えます。
▲方位角測定時のイメージ画像(合成)
上の画像では、山が方位271度に見えていることが分かります。(上の段はミル目盛りで、この場合は4820ミル)
なぜ上のように目標の方位を測定できるのか、このコンパスの仕組みを簡単に模式図で示します。
磁針のあるディスクには、方位角とミル目盛りが鏡文字でプリントされていて、それがダイヤルに取り付けられたミラーに映り、ミラーのちょうど向かい側にあるのぞき窓越しにその数値を読み取れるという構造。
▲目盛りが見える仕組み
私はカシミール3Dで作る「見える山のリスト(https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2014/07/27/080929)」を持って山へ行くので、リストに書かれている方位を元に山を探す際(山座同定)には、このコンパスの照準機能が大いに役立ちます。
(ここからはコンパスの扱いに慣れた方向けの文章です。興味の無い方は読み飛ばしてください。)
プレート型コンパスなのに高精度で方位角を測定できるのは魅力ですが、欠点もあります。
クロスベアリングで現在地を求める作業を想像してください。
プリズムを見て目標の方位を測定した後コンパスを地図上に置く際、先ほど見た方位角をミルの方の数値で覚えておき、ダイヤルを回してセットする必要があります。
普通のプレート型コンパスであれば、目標の方位角を測定する作業がそのままダイヤルのセット作業になるのに対し、Expedition 54の場合は、方位角の測定とダイヤルのセット作業が別の工程になってしまうわけです。
プリズムを使わず、普通のプレート型コンパスと同様の方法で目標物の方位を測れば問題ありませんが、せっかく精密に方位を測れる仕組みをもっているので、それを使いたくなるのが人情です。
コンパスを駆使するハイカーの方で、Expedition 54に興味を持たれた方は、この点にご注意ください。