播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

桂駐屯地創立60周年記念行事

本日は、京都にある桂駐屯地(京都市西京区川島六ノ坪)の創立60周年記念行事を見学してきました。
 
▲桂駐屯地の位置(赤いピンの場所)
 
下のURLをクリックすると、Googleマップで桂駐屯地の位置が表示されます。
 
 
8:49~9:18
姫路→新大阪(JR新幹線のぞみ118号)
 
9:28~9:50
新大阪→山崎(JR東海道本線快速電車)
 
JR山崎駅から阪急の大山崎駅へ徒歩で移動。
 
10:00~10:10
大山崎→洛西口(阪急京都本線準急)
 
阪急洛西口駅から線路沿いに北上すれば、数百メートルで桂駐屯地の正門にたどり着きます。
 
10:19
桂駐屯地に到着しました。
 
 
▲陸上自衛隊桂駐屯地の正門
 
正門をくぐったすぐ右に、74式戦車と75式自走155mmりゅう弾砲が展示されていました。
 
 
▲正門近くに展示されている74式戦車(左)と75式自走155mmりゅう弾砲(右)
 
正門で受け取ったパンフレットをたよりに、記念式典と訓練展示の行われるグラウンドへ向かいましたが、初めて来た駐屯地なので、訓練展示を見るのに適した場所が分かりません。

三脚を据え付けたマニアの方々がグラウンド南西の角に固まっていたので、私もその近辺で訓練展示が始まるのを待つことにしました。
 
グラウンドの周囲に背が高い木があるのが印象的でした。
 
 
▲グラウンド周囲の背の高い樹木
 
スピーカーの音がほとんど聞こえない場所だったため何が行われているのかさっぱり分からず、ボーッと待機していましたが、やがて君が代の演奏や観閲官降壇があり、式典の終了が近づいてきました。
 
10:40
隊員さん達が駆け足で退場して記念式典が終了すると、第3音楽隊による演奏が始まりました。
 
10:49
音楽隊の演奏が終了し、引き続きラッパ隊吹奏が始まりました。
 
かろうじて聞こえたアナウンスによると、ラッパ隊吹奏と野外に於ける○○(聞き取れず)が訓練展示の内容だそうです。

起床ラッパから始まり消灯ラッパまで、一日の内に吹かれるラッパのメロディーが一通り披露されました。
 
 
▲ラッパ隊吹奏の様子
 
10:55
ラッパ隊が退場し、引き続き野外に於ける○○(アナウンスが聞き取れず)の開始です。
 
12.7mm重機関銃M2を搭載した1/2tトラックが登場し、12.7mm重機関銃の空包射撃による銃声がグラウンド中に響き渡りました。
 
 
▲12.7mm重機関銃の空包射撃の様子
 
1/2tトラックと一緒に73式大型トラック2両もグラウンドに展開。
やがて私の目の前にいた73式大型トラックの後部から白煙が上がりました。
 
 
▲白煙を上げる73式大型トラック
 
アナウンスがほとんど聞こえなかったため訓練展示の想定内容がわかりませんが、どうやら敵との交戦中に73式大型トラックが被弾して後部が破損したようです。
 
訓練展示前にグラウンドの中央付近に何やら置かれていましたが、いつのまにか覆いが外され、爆弾のようなものが横たわっていました。
 
これは敵が攻撃に使ったものの爆発しなかった不発弾という想定らしく、赤色灯を付けた不発弾処理隊の車両がグラウンドに進入。
 
 
▲不発弾処理隊と不発弾
 
不発弾処理の際、大きな爆発音が鳴りましたが、アナウンスが聞こえなかったため爆破処理をした想定なのかと勝手に思い込んでいました。
しかし、帰宅後に調べてみると、ロケットレンチで信管(※)を外す音だったようです。
※信管とは、砲弾や爆弾の先端または末端にある起爆装置のこと。これを取り外せば、砲弾や爆弾は爆発しなくなる。
 
重レッカ2台と重装輪回収車1台がグラウンドに入ってきました。
 
 
▲重装輪回収車
 
重装輪回収車は私の近くにあるトラック、重レッカ2台は、もう一方のトラックの対応に使うようです。
 
ここからは2台の被弾した大型トラックに対する処理が同時に進行していきました。
 
私の近くにあるトラックは、もっとも後ろにあるデフをタイヤごと一体で取り外し、新しいものと交換。
もう一方のトラックは修理不能なほど破壊されているという想定らしく、トレーラーに積みこんで回収します。
 
 
▲デフを交換する様子
 
 
▲破壊されたトラックを重レッカ2台でトレーラーに積みこむ様子
 
以前、岡山の三軒屋駐屯地ではトラックのエンジン交換作業を見たことがありますが、後輪をユニットごと交換するのは初見です。
 
この桂駐屯地も三軒屋と同様、後方支援を主な任務とする部隊が駐屯しているので、姫路駐屯地などの派手にドンパチやるような内容ではなく、こういった地味ながら面白い展示をしてくれるんですね。
 
トラックの修理、回収が完了したら、戦闘で負傷した隊員を救助するためにUH-1Jが1機飛来し、グラウンド上空でホバリングして隊員2名をロープで降下させました。
 
 
▲ロープでヘリから降下する隊員
 
ヘリはその場を離れ、しばらくしてから戻ってきてグラウンドに着陸。
最初にロープで降下した2名の隊員が負傷者に肩を貸しながらヘリに乗り込み、飛び去っていきました。
 
 
▲負傷者をヘリに運び込む様子
 
11:24
爆竹の爆発音と共に、グラウンドの北西と北東の角に仕込まれていた垂れ幕(創立記念日を祝うもの)が披露され、訓練展示は終了しました。
 
食べ物はグラウンドの東側に並ぶ屋台で売られていますが、かなりの混雑なので、非常用に持っていたカロリーメイトで昼食。
 
駐屯地の記念行事に来る楽しみは、訓練展示だけではありません。
普段は入れない基地内の売店で買い物をするのも醍醐味の一つです。
 
正門で受け取ったパンフレットで売店らしきものを探すと「厚生センター」と書かれた施設があったので、そちらへ移動。
 
ところが、こちらもひどい混雑で、ラッシュアワーの電車状態です。
何とか厚生センター内に入りましたが、レジの行列もなかなかのもの。
 
 
▲厚生センター内の売店の様子
 
人波にもまれながら山道具として使えそうな小物用のポーチ(迷彩柄ではない)を購入してグラウンドへ戻ると、装備品展示の準備が整っていました。
 
数年前までは、記念行事で展示されている銃や火器を自由に手に取ることが出来ましたが、今はどこの駐屯地でも火器類に触れることは出来ません。
 
 
▲火器の展示の様子
 
姫路駐屯地で見かける展示品以外を紹介します。
 
 
▲01式軽対戦車誘導弾
 
使用目的
普通科部隊等に装備された近距離地域付近の対戦車等の戦闘に使用する
主要諸元
全重量:約15.7kg
出典:現地の看板
 
何十年も前、私が子供だった頃の姫路駐屯地の記念行事で見たことのある火炎放射器も展示されていました。
当時の姫路駐屯地では、訓練展示でこれを使い、テントを焼き払っていたような記憶があります。
 
 
▲携帯放射機1-1型
 
使用目的
装備品、資材、構築物の傷痍
主要諸元
燃料:ゲル化ガソリン
充填量: 15リットル
重量: 約30.5kg(燃料充填時)
出典:現地の看板
 
姫路駐屯地の展示でおなじみの車両の前を通り過ぎると、木製のパレットに乗った金属製のバスタブのようなものが目に留まりました。
 
近づいてプレートを見ると、74式戦車のエンジンと書かれています。
 
 
▲74式戦車エンジン
 
形式: 10ZF22WT型 V型10気筒
総排気量: 21.5リットル
最大軸出力: 720ps/2200rpm
出典:現地の看板
 
銘板を見ると、1989年に三菱重工の相模原製作所で製造されたエンジンのようです。
 
近くにいた隊員さんの話によると、13:00にこのエンジンの動作展示をするとのこと。
まだだいぶ時間があったので、他の展示品や音楽隊の演奏を聴いて過ごすことに。
 
74式戦車エンジンの隣には、これまた初めて見るNBC偵察車という車両がありました。
 
 
▲NBC偵察車
 
1 概要
 化学防護車及び生物偵察車の後継として装備され、放射線強度の測定、有毒科学剤・生物剤の検知・識別及び試料採取、気象観測等の偵察活動を行う。
 ネットワーク化された式システムとの連接により、リアルタイムに偵察結果を報告・通報することが可能である。
2 諸元等
(1)全長 約8m
(2)全幅 約2.5m
(3)車体高 約3.2m
(4)全備重量 約20t
(5)最高速度 95km/h
(6)乗車定員 4名
(7)武装 12.7mm重機関銃
3 納入業者
 小松製作所
出典:現地の看板
 
NBC偵察車を四方から見ることが出来ます。左右にドラッグしてみてください。

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/objectvr/katsura_jgsdf20140928/vr.html
 
12:30
グラウンドの南端で音楽隊の演奏が始まりました。
妖怪ウォッチの曲や、ZARDの「負けないで」、「残酷な天使のテーゼ」、宇宙戦艦ヤマトのテーマ等、いろいろな曲を聴いていると、エンジン動作展示の時刻が近づいてきました。
 
13:00
担当の隊員さんが74式戦車エンジンとバッテリーを接続し、始動。
すさまじい爆音が鳴り響き、排気ガスの匂いが立ちこめます。これはすごい迫力。
▲74式戦車エンジンの動作展示の様子(私が撮影したものです)
 
各地の部隊から送られてくる74式戦車のエンジンを整備している桂駐屯地だからこそできる展示です。
 
戦車のエンジンの展示やトラックの駆動部交換、重レッカ2台の連携によるトラックの吊り上げ等、マニア向けの展示が多く、京都まで来たかいがありました。
 
13:25
桂駐屯地を後にし、帰路に就きました。
 
13:31~13:41
洛西口→大山崎(阪急京都本線準急)
 
13:53~14:14
山崎→新大阪(JR東海道本線快速電車)
 
14:25~14:55
新大阪→姫路(JR新幹線のぞみ109号)