播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

スライドガストーチ ST-480

今回は、私が山で固形燃料やアルコールストーブの点火に使用しているライターを紹介します。
 
山用のストーブ類は、100円ライターで着火するのが困難な形状だったり、手と火口が近いと、気化した燃料に火が付いて(火傷はしませんが)手指の体毛が燃えてしまうことがあるので、チャッカマンのように火口と手が遠いライター、あるいはマッチを使うのが安全です。
 
しかし、安価なチャッカマンタイプのライターや普通のマッチだと、少しでも風のある環境ではまるで役に立ちません。
 
ガスストーブやガソリンストーブ、(暖かい季節の)アルコールストーブには有効なロックライター(火花を飛ばす道具。https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2006/02/19/193614)も愛用していますが、冬期にアルコールストーブを使うときや、季節にかかわらず火付きの悪い固形燃料を使うときには着火剤と組み合わせる必要があり、手軽さに欠けます。
 
そこで購入したのが、今回紹介するST-480です。
 
 
▲パッケージ
 
製品名: スライドガストーチ ST-480
メーカー: 新富士バーナー株式会社(日本)
製造国: 日本
サイズ: 幅35×奥行18×高さ110~185mm
重量: 55g(カタログ値)
火口径: 14mm(外径・カタログ値)
炎温度: セ氏1,300度
炎サイズ: 3×15mm
炎形状: 極細集中炎
使用燃料: カセットガス、ライター用ガス
燃焼時間: 約15分
連続使用時間: 1分以内
定価: ¥2,200(税抜き)
購入価格: ¥2,079
購入先: モンベル 姫路フォーラス店
 
樹脂製の本体は表面がつや消しになっていて、高い質感を持っています。日本製でこの仕上げなら、販売価格が約¥2,000でも全く高いと感じません。
 
ターボライター(プリミキシングライター)なので、小さいながらガスバーナーのように強力で風に強い炎が出るため、屋外での点火作業には非常に便利。
 
火付きの悪さで有名なエスビット固形燃料の点火も問題なし。
 
このライターの素晴らしいところは、使用時にはチャッカマンのような形状なのに、収納時は100円ライターを一回りほど大きくした程度の大きさに出来る点。
 
 
▲本体表面(収納時)
 
 
▲本体裏面(収納時)
 
 
▲火口を伸ばした状態
 
 
▲使用時は伸ばしきる必要がなく、任意の位置で使用できる
 
荷物がぎゅうぎゅう詰めになっている山歩き時の私のバックパックに、細長いチャッカマンを入れる余裕はありません(頑丈なものなら入れておけますが、貧弱な構造のものは無理)。
しかし、ST-480のように縮んでくれれば、適当な空間に簡単に放り込めます。
 
電子着火式のターボライターで怖いのは、何かに当たってボタンが押され、バックパック内で点火されてしまうという点。
 
しかし、ST-480はその点もしっかり考慮されており、セーフティロックスイッチ(安全装置)が備えられています。
これは、点火ボタンを火口のあるパイプの方向へ押し込むとロックされ、引き出すと解除されるというもの。
何かの偶然で解除される心配は皆無です。
 
 
▲セーフティロックスイッチが有効な状態(点火不可)
 
 
▲セーフティロックスイッチが無効な状態(使用可能)
 
底部には火力調節用のつまみと、再充填用のガス注入口がついています。
 
火が付かなくなったら、ガスの残量を確認する窓(小さくて見づらいです)から確認し、残量があるなら点火装置(電極)をチェックして位置を調整したり、ガスが残っていなければ自分で充填して繰り返し利用できます。
 
 
▲ST-480底部
 
火力調節つまみの脇にストラップホールのようなものがありますが、これはストラップホールなのかな。説明書には記載がありませんが、落下防止などのためにストラップを付けたい場合は、この部分に取り付ければ良さそうです。
ただし、ストラップホール(?)は薄いプラなので、簡単に壊れてしまいそう。
 
非常に便利で優れた製品ですが、少しだけ問題点があります。
 
一つは、長時間使用した場合は、火口が熱くなる点。
二つ目は、ボタンから手を離しても、わずかな間ですが炎が出続ける点。
 
火口が熱くなるのは当たり前ですね。
しばらく待ってから片付けるか、あまり長時間燃焼させ続けなければ済む話です。
 
ボタンを放しても炎がすぐに消えないのは、伸縮式の火口内部に残っているガスが燃え尽きるための時間が必要だからで、これもしかたありません。
 
ただ、この特徴を知らない人にST-480を使わせる場合は、やけどなどの事故の原因になるかも知れません。
普通は、ボタンから指を離した時点で火が消えていると思ってライターを扱いますから。
 
標高の高い場所では点火出来ないというユーザーレビューを見たことがありますが、そんな高い山へ行くことはないので、私の場合は問題ありません。
 
構造上やむを得ない欠点を除くと、何も不満はありません。
山だけでなく、お墓参りの時にも線香やろうそくの点火に活躍しています。