播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

官兵衛紀行(第24回)で紹介された姫路市の総社と姫路城見学

2014年度のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の本編終了後には、官兵衛ゆかりの地を紹介する「官兵衛紀行」という数分のコーナーが放映されます。
 
本日2014年6月15日(日)の同コーナーでは、我が家からもそう遠くない神社「播磨国総社 射楯兵主神社(いたてひょうずじんじゃ)」が紹介されるとのこと。
 
地元の人たちは「総社」と呼んでいます。(読むときは「そうしゃ」です。)
そういえば、近くに住んではいますが、総社の中をじっくり見ることは滅多にありません。
 
というわけで、今日は総社の境内を見学することにしました。
 
 
▲総社の位置
 
以下のURLをクリックすると、Googleマップで総社の位置が表示されます。
https://goo.gl/maps/upLsY
 
姫路駅から徒歩でお城へ行かれる方であれば、少し足を伸ばすだけで簡単に行ける距離です。
 
総社の入口は、一般的には西と南がよく使われます。
西側の入口は姫路郵便局のすぐ南にある門、南側の入口は、東行き一方通行の国道2号線の「総社南」交差点前、石造鳥居のある参道です。
 
 
▲西側の出入り口にあたる総社御門
 
 
▲南側の出入り口にあたる参道
 
総社御門は、車で通り抜けて中へ入ることが出来ます。
地元の人は東側や総社御門の南の道から車で入りますが、分かりにくいので、車で行かれる場合は御門をくぐるルートが良いと思います。
 
南側の石畳の参道は、車両の進入が禁止されています。
 
総社の南側、国道2号線から見える鳥居は、兵庫県指定文化財になっています。
 
石造鳥居
 姫路市総社本町 射楯兵主神社
高さ7.4m、柱間5.8m、花崗岩製
慶安五年(一六五二)藩主榊原忠次の寄進したもので、柱に石は摂津の御影山より運んだことなどが刻んである。規模の雄大さに加え、釣合がよく江戸前期を代表する鳥居である。
出典:現地の案内文
 
南側の鳥居をくぐって、両脇に民家が並ぶ石畳の参道を北へ進むと、神門に突き当たりますが、その直前の左右両側に有料駐車場があります。
 
西から御門をくぐって入った場合は、門をくぐった後左前方へ伸びる道に入り、社務所に突き当たったら右へ曲がり、すぐの突き当たりを左折すると神門前に出ます。
 
 
▲神門前の有料駐車場
 
神門をくぐると、正面に拝殿、左側には恵美酒社、右側には手水舎があります。
 
 
▲神門
 
 

神門をくぐった先、拝殿前で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年6月15日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/sosha20140615/virtualtour.html

 
パノラマ画面左上のリストで2箇所のパノラマを切り換えてご覧いただけます。
 
 
▲拝殿
 
左斜め前の古めかしい建物は社務所。
 
右奥には豪華な建物があるのですが、これは長生殿(ちょうせいでん)という施設で、結婚披露宴の会場等として使われます。
 
 
▲社務所
 
 
▲長生殿(人力車は観光用ではなく新郎新婦用)
 
拝殿の前には、大河ドラマ「軍師官兵衛」の黒田家の旗幟(きし・はたのぼり)が6本並んでいました。
 
黒田家 中白の旗幟について
天正八年(1580年)、秀吉(羽柴秀吉)より「黒田家の旗を立てよ」との命を受けた官兵衛は、当社で一週間祈祷を受けて、旗幟に大神様を入魂しました。
出典:現地の看板
 
拝殿の裏(北)には末社が並び、拝殿の東側、木が青々と茂った森の中には摂社、末社が並んでいます。
 
拝殿は、左側にある社務所と渡り廊下でつながっていて、一見すると渡り廊下で道が遮られているように見えますが、実際は階段を下りて渡り廊下の下をくぐれる道があり、そこを通れば拝殿の北へ回ることが出来ます。
 
 
▲拝殿左側の道から見られる「播磨国総社 銅鐘」
 
播磨国総社 銅鐘
(昭和四十三年三月十三日市指定)
総高115.6cm 口径68.8cm 口縁部の厚み8.0cm
 鐘身は張りのある曲率をもち、全体的によく整った美しい形態の梵鐘である。
 永正三年(一五〇六年)置塩城主赤松義村(銘文では御屋形様)が大願主となり、両目代、名主、地下人が本願となって制作した。
 津田村の鋳物師(大工津田村内記石根丸・小工内記四郎左衛門)が制作した唯一の在銘鐘であり、播磨国総社に対する信仰のあり方を示すもので、貴重な文化財の一つである。
 鐘楼は昭和二六年霜月に再建された。
姫路市教育委員会
出典:現地の看板
 
拝殿の右側、人形納め所の右から裏へ回れば、階段を通らずに拝殿の北へ出られます。
 
本殿の真後ろには十二社合殿があり、その左右にそれぞれ西播磨国総神殿と東播磨国総神殿が祀られています。
 
 
▲本殿の裏にある十二社合殿
 
拝殿の東側には、摂社と末社が所狭しと並んでいます。
この場所の様子は、上のパノラマ画像の左上のリストから「稲荷社前」を選ぶことでご覧頂けます。
 
これら摂社、末社の中で見落としやすいのが長生殿の東にある厳島社。
池の中央に浮かぶ小さな社です。
 
 
▲厳島社
 
これで一通り境内を見終わりましたが、まだまだ時間はありますし、せっかくなので「ひめじの黒田官兵衛 大河ドラマ館」と姫路城を見学することにします。
 
総社の西側、御門から外へ出て北へ進み、スクランブル交差点を渡ると、しゃちほこが飾られた城見台公園があります。
 
城見台公園の位置を見るには、下のURLをクリックしてください。Googleマップが開きます。
https://goo.gl/maps/dPF9Z
 
ここから眺める姫路城は「世界遺産姫路城十景」の一つ。
 
 
▲城見台公園から姫路城大天守を見る
 
城見台公園のすぐ西には、英霊を祀る護国神社(正式には兵庫縣姫路護國神社)があります。
 
 
 
 
▲護国神社
 
さらに西へ進み、姫路城前交差点から北へ入ると姫路城、南西へ行けば大河ドラマ館です。
 
大河ドラマ館は、オープン間もない頃に見に行きましたが、その頃とは登場人物が変わっているため展示内容も変わっているかと思い、再度見に行くことにしました。
 
 
 
 
▲ひめじの黒田官兵衛 大河ドラマ館
 
下のURLをクリックすると、大河ドラマ館の位置がGoogleマップで開きます。
https://goo.gl/maps/izH4d
 
残念ながら、展示内容は変わっていませんでした。
 
2014/7/20追記
平成26年7月17日から、ドラマ後半の内容に合わせた内容に変更されています。
追記ここまで
 
大河ドラマ館の内容については、以前このブログで紹介していますので、その時の記事をご覧下さい。
修理用の素屋根が外され、真っ白な姿を現してくれた姫路城を間近で眺めるために、大河ドラマ館を出てから姫路城へ。
 
 
▲姫路城前交差点から眺める姫路城
 
大河ドラマ館で姫路城との共通券(¥700)を買っていたので、それを利用して入城しました。
 
 
▲姫路城入場口(三の丸広場の北西にある)
 
一部では白すぎると言われているようですが、漆喰を塗り直し、屋根瓦のすき間にも漆喰を塗っているわけですから、白くて当たり前。
これが本来の姿ですが、しばらく経てば屋根の漆喰は汚れ、以前のような姿に戻るのでしょう。
 
入城口をくぐると、案内の方が「西の丸からご覧下さい」と見学者全員に声をかけていました。
 
案内に従って西の丸へ向かい、西の丸の南西隅にある「ワの櫓」から渡り櫓へ入ります。
当然ですが、土足厳禁。
入口でビニール袋を取り、靴をそこに入れて中へ入ります。
(昔はあったような気がするのですが)スリッパはありませんでした。
 
西の丸の西側はひらがなの「く」の字のような形になっていますが、その輪郭に沿って現存している渡り櫓を北端まで歩けるのです。
 
たくさんの観光客が来られていましたが、皆さん一様にその規模に驚かれていました。
 
 
▲渡り櫓の内部
 
外から見ると漆喰で白く塗られた優美な姿ですが、生活空間でもあり、戦闘用の空間でもある内部はシンプルな構造。無駄な装飾は一切ありません。
 
窓の下に開けられた狭間(銃眼)や所々にある石落としが、城が軍事施設であることをアピールしています。
 

RICOH Thetaを使い、渡櫓で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年6月15日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/sosha20140615_theta/virtualtour.html

 
パノラマ画面左上のリストで2箇所のパノラマを切り換えてご覧いただけます。
 
長い渡り櫓の最後、北端には化粧櫓があります。
貝あわせをして遊ぶ千姫の人形がある化粧櫓は窓が開け放たれ、非常に開放的な空間になっていました。
 
 
▲化粧櫓内部の様子
 
 
▲化粧櫓の外観
 
化粧櫓の次に見学するのは、化粧櫓の北東、「はの門」をくぐった先にある乾曲輪。
ここの見所は、当時の日本では珍しい十字架が刻まれた鬼瓦。
 
 
▲十字紋の鬼瓦
 
乾曲輪はこの鬼瓦を見るためだけの場所で、行き止まりです。(本来は見学路がありますが、工事のため通行止め。)
 
元来た道を引き返し、今度は二の丸へ向かいます。

「ろの門」をくぐり、すぐ左折して壮大な石垣を見ながら東へ。
 
ここの石垣の下部には、天面が斜めになった奇妙な石垣の出っ張りがあります。
斜めになっているので、上部に建物は作れませんし、上り下りするための階段もありません。パンフレットをよく読むと、「補強石垣」と書かれていました。
鳥取城の巻石垣のようなものでしょうか。
 
石垣に沿って南へ進み、鉄板で装甲が施された「ぬの門」をくぐり、坂道を登ると二の丸です。
 
 
▲ぬの門(下部の木で出来ているように見える部分は、鉄板で覆われている)
 
二の丸の南西隅にある「リの一渡櫓」と「リの二渡櫓」が土足で自由に出入りできるようになっており、中には黒田官兵衛に関する品々や中国大返しに関する説明が展示されています。
 
 
▲りの渡櫓内の様子(フラッシュ撮影は禁止されています。フラッシュを使わなければ撮影可)
 
この二の丸にお菊井戸があり、その近くからは大天守を見上げることが出来ます。
 
 
▲お菊井戸近くから見上げた姫路城大天守
 
 
▲お菊井戸
 
これ以上見学出来る場所は無いので、これで姫路城を出て帰路に就きました。
 
大河ドラマ館で姫路城共通券を購入すると、好古園の半額割引券も手に入ります。
もっと姫路観光を楽しみたい方は、引き続き好古園(姫路城の西にある庭園)へ行かれても良いかも知れません。
 
城見台公園から北へ行くと、市立美術館、県立歴史博物館もあります。
 
真剣に見て回れば、姫路城周辺だけでもかなり時間がかかりそうですし、姫路駅から商店街(御幸通り)を通って姫路城方面へ来られる場合は、途中のお店で時間を取られるかもしれません。

姫路観光を考えられている方は、時間配分にお気を付け下さい。