播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

護衛艦あたご(DDG-177)一般公開(天保山岸壁)

海上自衛隊阪神基地隊のWebサイトに「イージス艦『あたご』大阪港寄港における一般公開のお知らせ」があり、それによると2014年4月26日と27日に護衛艦あたご(DDG-177)が天保山岸壁で一般公開されるとのこと。
 
 
▲護衛艦あたご(DDG-177)
 
主要寸法: 165 × 21.0 × 12.0 × 6.2m(長さ、幅、深さ、喫水)
基準排水量: 7,750トン
主機械: ガスタービン4基2軸
速力: 30ノット
馬力: 100,000PS
定員: 300名
主要兵装: イージス装置一式、VLS装置一式(90セル)、高性能20ミリ機関砲(CIWS)×2、SSM装置(90式艦対艦誘導弾)一式、62口径5インチ砲×1、3連装短魚雷発射管×2
建造: 三菱重工業長崎造船所
就役: 2007年3月15日
(出典:海上自衛隊Webサイト、Wikipedia)
 
土曜は家の都合で出かけられませんが、本日27日(日)は丸一日時間があるので、出かけてきました。
 
昨日の一般公開ではものすごい数の見学者が来ていたそうですが、朝一(8:30am)から行けば大丈夫だろうと思い、8:20頃に天保山岸壁の最寄り駅である大阪市営地下鉄中央線の大阪港駅に着くよう経路検索をして出発。
 
8:20頃
予定通りの時刻に天保山岸壁に来ましたが、大阪港駅で降りる人がやけに多いなと思っていたら、その人達もみんな岸壁へ吸い込まれていきます。
 
天保山岸壁の位置は、下のURLをクリックするとGoogleマップで表示されます。
 
岸壁の様子は、駅から岸壁までの道路からはちょうど建物の陰になって見えません。
陰になっている建物の角を曲がると、想像以上の行列がすでに出来上がっていました。
 
乗艦は艦尾の舷梯から。
その艦尾から艦首に向けて行列が伸び、艦首を通り過ぎてから折り返し、艦尾まで伸びています。つまり、艦の全長の2倍の長さ、およそ300mの行列です。
 
私の後からも続々と見学者が岸壁に到着し、行列はあれよあれよという間にさらに伸びていきます。
 
8:30
ピューイという護衛艦独特のチャイム(?)が鳴り、隊員向けに「一般公開受け付け開始」と放送が流れて見学者が乗艦し始めました。
 
9:00
艦首の先にある行列の折り返し地点で、手荷物検査を受けました。
 
9:15
ようやく乗艦用の舷梯にたどり着きました。長かった。。。
 
 
▲艦尾の舷梯から乗艦した
 
乗艦したところはヘリ甲板の右側前方。

そこから列はヘリ甲板の右舷側を後部へ伸び、後部を横切って左舷側に進みます。そして、左舷に突き当たると艦首の方へ向きを変えます。つまり、ヘリ甲板の周囲を時計回りに進む形になっていました。
 
あたごのヘリ格納庫は小さく、左側に偏っています。そのため、ヘリの着艦を支援するための着艦拘束装置が移動するレールは、格納庫奥から斜めに伸びていました。
 
ヘリの展示は無し。
 
 
▲ヘリ甲板の周囲に沿って行列が伸びていた(着艦拘束装置のレールが斜めに通っている)
 
ヘリ甲板左後部で艦首の方に向きを変えた行列は、そのままヘリ格納庫へ吸い込まれていきます。
 
 
▲ヘリ格納庫内の様子
 
格納庫左前方の扉から通路に出てしばらく進むと、艦の左舷中央付近、ちょうど90式艦対艦誘導弾(SSM1-B)がある付近に出てきました。
 
 
▲ヘリ格納庫の奥の通路を出ると、ここに出てきた(中央左は内火艇、中央の円筒が艦対艦誘導弾(ミサイル)、右端は洋上補給用のスライディング・パッドアイ)
 
内火艇の下を通り過ぎると、また天井と壁のある通路になりますが、その通路の先は艦首部分です。
 
通路を出ると目の前にVLS(垂直発射装置)、その奥に62口径5インチ砲の砲塔が鎮座しています。
 
5インチ砲の砲塔は、新しい船らしくステルス性を考慮した角張ったデザイン。
5インチ砲は大人気で、砲塔周囲は記念撮影をする人と砲自体を写真に撮る人ですごい人だかり。
 
 
▲62口径5インチ砲周辺の様子
 
VLS(垂直発射装置)は外観が兵器らしくないので、知っている人以外はあまり興味を示しませんが、この中には対空ミサイルや対潜水艦用のロケットが入っていて、垂直に発射出来るため、相手がどの方向にいても空中で向きを変えてそちらへ向かって飛んでいけるますし、船体に埋まっているためレーダーの電波を反射しづらく(ステルス性が高まる)、耐候性が高い優れた兵器です。
 
艦首のVLSは8×8で64セルですが、装填用クレーンのスペースとして3セル分を使うため、61セルとみなします(ミサイル61発を搭載可能)。WikipediaではあたごのVLSは90セルとなっていましたが、残り29セル分が見当たりません。(これは後で発見できました。)
 
 
▲VLS(垂直発射装置。対空ミサイルや対潜ロケットを発射する)
 
通常のパノラマ撮影では難しそうなので、ワンショットで周囲すべてが撮影できるリコーのTHETAでパノラマ撮影をしてみました。
画質は良くありませんが、現場の雰囲気はよく分かると思います。
護衛艦あたごの艦首で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年4月27日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/atago20140427/virtualtour.html
艦首を見たら、右舷側の通路で後方へ進み、中央付近の舷梯から岸壁へ下ります。
艦橋内の見学は無し。
 
9:40頃
岸壁に下りました。
 
このまますぐ帰るのももったいないし、なにより休憩したかったので、天保山岸壁のすぐ隣にある天保山大観覧車に乗ることにしました。
 
天保山大観覧車の位置は、下のURLをクリックするとGoogleマップで表示されます。ストリートビューも見られます。
 
天保山大観覧車
地上高: 112.5m(世界最大級)
乗篭: 8名乗×60台
回転輪直径: 100m(世界最大級)
最大定員: 480名(世界最大級)
備考: 直径100mのイルミネーションによる気象情報の発信は世界初。床面・座席面が透明になったシースルーキャビンが4台ある
 
立派なゴンドラ内はエアコンが効いているかな、上から護衛艦あたごの写真が撮れるかなという期待を抱き、券売機で¥800のチケットを購入して列に並びましたが、1人で乗っている人なんて、まぁいませんね。
 
受付のお姉さん方や、ゴンドラのドアを開け閉めする係の人たち、後ろに並んでいるお客さんの視線が突き刺さりますが、気にせずゴンドラへ乗り込みました。
 
期待したほど涼しくはありませんでしたが、それでも外にいるよりは快適ですし、何より、先ほどまで乗っていた護衛艦あたごが期待通りよく見えます。
 
 
▲天保山大観覧車から見た護衛艦あたご
 
上から護衛艦あたごをよく観察してみると、後部にもVLSがありました。

後部のVLSは8セルが4基で、3セルがクレーン用スペースということで、合計29セル。艦首の61セルと合わせてWikipediaに書かれている通り90セルになりました。
 
 
▲艦尾付近の様子(VLSが4基写っている)
 
15分かけて1周回り、ゴンドラから下りるときも、並んでいるお客さんの視線が痛い。。。
 
少し休憩が出来たので、引き続き天保山公園を見学することにしました。
日本で二番目に低い山(二等三角点がある山では日本一低い山)である天保山が公園内にあるので、その三角点を見てみることにします。
 
 
▲天保山公園の入口
 
のどかな公園で、地元の方が体操していたり、子ども達が元気にはしゃいでいました。
 
天保山の三角点標石はどこかなときょろきょろしてみると、巨大な碑が目に入りました。
「明治天皇観艦之所」と書かれていて、根本付近に埋め込まれている銘板によると、明治元年3月に明治天皇がここから軍艦の訓練の様子をご覧になったそうです。そして昭和4年に大正天皇の銀婚式を記念してこの碑を建立したとのこと。
 
▲「明治天皇観艦之所」の碑
 
この大きな石碑の脇に二等三角点標石は埋まっています。
そばにはプレートが立っていますが、文字は跡形もなく消えていました。
 
▲二等三角点標石(点名:天保山)
 
10:30頃
天保山公園を後にし、帰路に就きました。