播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県加西市の畑町歴史の森

今日は北の方は天候が悪いという予報ですし、自宅近くから空気の澄み具合を確認しても、かすんでいて展望を楽しめそうな感じがまったくありません。
 
こういう日は、近くてもともと景色が見えない所を歩くのに限ります。
というわけで、景色は見えないけれど、面白いものがいくつかある加西市の「畑町歴史の森」へ出かけることにしました。
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「北条」
 
10:20
姫路市街の自宅を出発。
 
国道312号線を北上し、中国自動車道をくぐってすぐの福崎大橋西交差点を右折します。この道は県道23号線。
橋を渡って市川を越え、播但道の下をくぐります。

播但道をくぐってから約4kmほどのところに「畑」交差点があるので、そこを左折します(※)(地図中「畑交差点」)。
※その一つ手前に「ゆるぎ岩」の看板が立つ分岐があり、私はそこを曲がりましたが、高峰神社へ行く場合は畑交差点から入る方が分かりやすいです。
 
畑交差点から北へ1kmほどのところに高峰神社(地図中「高峰神社」)がありますが、そこの駐車場に車を置きました(地図中「P」)。
 
この駐車場の入口には防獣ゲートがありますが、車の進入を阻むものではなく、カギもかかっていません。
ただし、地元の方の迷惑になるので、車の出し入れ時にはきちんとゲートを閉じておきましょう。
 
県道23号線から高峰神社駐車場までの道順(上に書いた畑交差点からではなく、その手前の看板のある分岐から入ったものですが)を撮影した動画をこの記事の最後に掲載しています。
 
11:30
途中のコンビニでお昼ご飯と飲み物を購入し、高峰神社の駐車場に到着。
 
 
▲高峰神社駐車場の様子
 
11:35
駐車場の案内図を写真に撮り、準備を整えて出発。
 
まずは高峰神社の拝殿にお参りし、拝殿左後ろにある小道(「水面のこみち」と呼ばれている)へ入ります。
 
 
▲拝殿左側に道標がある
 
遊歩道は快適で、分岐には道標が設置されて迷う心配はなさそうですが、この道標を有効に活用するには、高峰神社にある案内図を撮影しておくことが大切です。
 
デジカメの液晶画面で案内図を確認すれば、それぞれの分岐がどこへ続くのかと、自分の大まかな現在地が分かります。
 
 
▲駐車場で撮影した案内図
 
今日は河上神社を見学し、ゆるぎ岩を揺らして愛宕山山頂で昼食を食べ、高峰神社へ下山するとくルートで歩くことにしたので、まずは河上神社を目指します。
 
水面の小道を北へ進んでいると、左側に石組みの水路があるのに出会います(地図中「石組み水路」)。
 
「山であそぼっ」というサイト(http://www.ne.jp/asahi/shimada/yama-aso/)の管理人「山あそ」さんに教えていただいたもので、綺麗な曲線を三次元で描いた水路ですが、普通の写真ではそれをうまく撮影するのが難しい。
そこで、その水路をパノラマ撮影したものを掲載します。

ただし、このパノラマは今日ではなく2012年3月、山あそさんに存在を教えて頂いた時に撮影したものです。
 
2012年3月に水面のこみち脇の石組み水路で撮影した全天球パノラマ
 
iPhone等Flash非対応デバイスをお使いの場合や、大きな画面でパノラマをご覧になりたい方は、下のURLをクリックして下さい。
 
 
パノラマ撮影当時は水がたくさん流れていましたが、今日はその水路もすっかり乾いていました。
 
 
▲石組みの水路
 
ここから北では、緑色の水面をもつ奥上池(地形図では奥池)の神秘的な姿を、木々のすき間を通して左側に見ることが出来ます。
 
 
▲奥上池の様子
 
奥上池の姿が見えなくなってしばらくすると、十字路状の分岐に出会いました(地図中「ゆるぎ岩分岐1」)。
 
道標によると、歩いてきた道は「高峰神社」、直進と右折がゆるぎ岩、左はどこへ続くか書かれていません。
しかし、左を見ると赤い大きな鳥居のようなものが見えたので、河上神社へ行くのは左だろうと思い、道標に何も書かれていない方向へ進みました。
 
11:54
歩いて行くと地形図の実線道に突き当たりますが、その手前右手に「河上神社」の扁額がかかった大きな鳥居がありました(地図中「河上神社大鳥居」)。

この道で正解だったようです。
 
 
▲河上神社の鳥居と地形図実線道(車両は通行止め)
 
大鳥居から河上神社までは約350mです。
 
大鳥居と河上神社のちょうど中間地点には、植林の中の小道に向かって「山頂 500m(15分)」と示す道標が立っていました(地図中「ゆるぎ岩分岐2」)。
 
駐車場で撮影した案内図をデジカメの液晶画面で確認すると、この道からゆるぎ岩へ行けるようです。
ここからゆるぎ岩へ行くことにして、とりあえず河上神社へ向かいます。
 
河上神社へ近づくにつれ、何やらエンジン音が大きく聞こえてきました。
伐採作業でもしているのかと思っていたら、エンジン式の高圧洗浄機で鏡岩を洗っている男性が一人いました。
 
 
▲河上神社(新しい砂防ダムが背後にできていた)
 
8年ほど前に来たときは無かった砂防ダムが、神社の左後ろと右後ろに出来ています。
 
河上大神は衆生の願いは凡てかなえて下さるが、特に夜尿症・冷え性・婦人病・勉学について御神力を授け下さるので、これらの願いをされる方は大神にお願いをして新しい鈴の下に布を奉納して古い布を一條戴き、洗濯して病気の方は腹に巻き、勉学の方は枕のカバーにして大神の御神力をお授かり下さい。
男は白布、女は赤布を奉納して下さい。
河上神社管理者 畑町区長
 
拝殿の右側には動体が短くて可愛い龍(?)の石像があるのは以前のままですが、後ろにある砂防ダムのせいで妙な雰囲気になっています。
 
 
▲河上神社拝殿右側の様子(左端に不動明王と龍(?))
 
キラキラ輝き、周囲の様子が写り込むと言われる鏡岩もじっくり見たかったのですが、清掃作業の邪魔になると悪いので、見学はあきらめてゆるぎ岩へ向かいました。
 
 
▲鏡岩の洗浄作業
 
12:11
地図中「ゆるぎ岩分岐2」まで戻ってきました。
 
ここから道標に「山頂」と書かれた方向へ入ります。道標が指す方向は植林の中の小道で、雑然としているため道が延びている方向が少々分かりにくいです。
 
 
▲ゆるぎ岩分岐2から先の道の様子
 
12:14
3分ほどで、ゆるぎ岩へつながる遊歩道に合流しました。
ここからは歩きやすい遊歩道です。
 
 
▲遊歩道に合流した
 
遊歩道は、斜度がきつくならないようにジグザグに付けられています。
 
12:18
愛宕山山頂とゆるぎ岩への分岐に出会いました(地図中「ゆるぎ岩分岐3」)。
 
 
▲愛宕山山頂方面(直進)とゆるぎ岩(右)への分岐
 
12:20
分岐から右へ入ってまもなく、ゆるぎ岩がありました(地図中「ゆるぎ岩」)。
 
 
▲ゆるぎ岩
 
ゆるぎ岩
この岩は、3億年前の古生代に海底に蓄積した生物岩できわめて堅く、高さ4メートル、ふくらんだ中央部の周囲は8メートルあります。
その昔、法道仙人が「善人が押せば動き、悪人が押してもびくともしない。この岩を押して動かない時は自分に邪心があるから罪悪をざん悔して正直慈善の人にたちかえりなさい」といって悪人を善人にたちかえらせようとこの岩を押させて心をためさせたと伝えられています。
加西市
 
ゆるぎ岩にはこのようないわれがあるので押してみましたが、8年前と同様に揺れてくれました。
 
ゆるぎ岩が揺れている様子も動画に撮影していますので、この記事の最後にある動画をご覧ください。4分20秒あたりがゆるぎ岩の映像です。
 
12:33
「ゆるぎ岩分岐3」まで戻ってきました。
ここからは、左側に深山山塊を見ながら、愛宕山山頂方面へ進みます。
 
12:39
車道と山頂への分岐に出会いました(地図中「車道分岐」)。

車道と書かれている方向に行くと、地形図で実線道が通る峠に行くのでしょうが、今回は愛宕山山頂に行くのが目的なので、道標に「山頂」と書かれた方向へ進みます。
 
車道分岐から山頂への道は、丸太階段がメインの道です。
 
 
▲愛宕山山頂へ続く道の様子
 
標高300m付近から道は右へ折れ曲がり、平坦になります。
そして、山頂直前で少しだけ登れば、愛宕山山頂です。
 
12:48
愛宕山山頂に到着。
ベンチが1つあるだけで、雑木に囲まれて展望がありません。
 
一眼レフカメラでパノラマを撮影するための機材を持ってきましたが、展望のない山頂のパノラマ写真に時間をかけても仕方ないので、リコーのパノラマカメラ「Theta」で山頂の様子を360度撮影してみました。
 
 
愛宕山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年2月16日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/hatacho20140216/virtualtour.html
 
山頂は木々に囲まれているのに風がビュービュー吹き荒れており、そのせいで体感温度はセ氏2度前後。
肌が露出している部分が痛い。
 
 
▲気象計で測定した山頂の気温・湿度・体感温度(※)
※体感温度は、気象計上部の風車で測定した風速をもとに算出しています。
 
13:15
ベンチで昼食を食べ、下山開始。
 
愛宕山山頂には、今日私が登ってきた道の他に、南東(337mピーク)方面への道(道標なし)と、南西に尾根伝いに伸びる道(道標では「高峰神社 730m(11分)」)の合計3本の道があるようです。
 
道標が「高峰神社 730m(11分)」と示す方向へ下山することにしました。
 
この道は、丸太階段と平坦な道が交互に現れる遊歩道で、平らな区間は楽ですし、急な斜面は階段のおかげで足を滑らせる心配がありません。
丸太階段は、他でよく見る「段差が妙に大きい」ということもなくスタスタと下っていけます。
 
 
▲愛宕山から下山するのに使った道の様子(丸太階段と平坦な区間が交互にある)
 
山頂から5分ほど下ったところに、二股の分岐がありました(地図中「高峰神社分岐」)。
どちらも道標では「高峰神社」となっていますが、左を指す道標では距離が440m、右を指す道標では530mとなっています。
 
左は谷間を、右は尾根筋を通る道のようです。
どうせ同じ所にたどり着くなら、明るくて気持ちよい尾根筋を通る方が良いので、この分岐は右を選びました。
 
尾根筋を通っていた明るい道は、やがてつづら折れの丸太階段の道で尾根の右側へ下っていきます。
 
13:29
地図中「ツツジ街道分岐」の場所で水面のこみちと合流しました。
ここからは南へ行けば、高峰神社です。
 
13:35
高峰神社の駐車場に戻ってきました。
 
このまま帰るにはまだ早いので、五百羅漢を見物することにします。
 
「畑」交差点を左折して南東へ進み、中国道をくぐってまもなくの「谷」交差点を左折します。
道なりに700mほど走ると、2つ目の信号の手前で道路の左側に「五百羅漢→」と書かれた標識があるので、それに従って右折。
 
北条幼稚園のすぐ先で、大きな観光案内図がある五百羅漢の駐車場が左側に見えます。
そこに車を止め、羅漢寺に入って受付で200円を支払います。
 
 
▲五百羅漢石仏
 
三脚の使用は禁止されているので、パノラマ撮影はあきらめました。
  
本日の散策の様子を撮影した動画です。(約6分40秒)