播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

イワタニのカセットガスストーブ(CB-STV-3)

雪国の方々から見ればたいしたことの無い兵庫県南部の冬ですが、厳しい環境を知らない私にとってはこれでも十分寒い。
 
特に、まともな暖房器具の無い自分の部屋が寒いのですが、パソコンやその周辺機器などでコンセントは埋まり、電気ストーブを使うためのコンセントの確保が難しいですし、モノまみれで狭いため石油ストーブやファンヒーターを置く余裕もありません。
 
何とかコンセントと置き場所を確保して電気ストーブを置いても、電気ストーブと自分の体の間に十分な距離を取れず、弱めで作動させても熱で肌がヒリヒリしてきます。
 
コンパクトな暖房器具としては、イワタニのカセットガスストーブが有名で評判も良く、特に狭い空間で使うには最適なようなことがWebの製品レビューで見られたので、買ってみることにしました。
 
 
▲パッケージ一式
 
製品名: イワタニ カセットガスストーブ(室内用)
型式名:  CB-STV-3
メーカー: 岩谷産業株式会社(日本)
サイズ: 308(幅)×212(奥行)×317(高さ)mm(使用時)
重量: 約2.6kg(カセットガス含まず)
カラーバリエーション: ブラック、ワインレッド、メタリックブラウン(ブラックとワインレッドはメーカー直販のみの限定色)
点火方式: 圧電点火方式(ON/OFF式・火力調整なし)
安全装置: 不完全燃焼防止装置、立ち消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置(カセットガス過熱時対策)
発熱量: 約1.0kW(900kcal/h)
ガス消費量: 76g/h(気温20~25℃のとき、30分間のガス消費量を1時間換算したもの)
連続燃焼時間: 約3時間20分(気温20~25℃のとき、連続燃焼にてボンベを使いきるまでの実測値)
生産国: ベトナム
購入価格: ¥9,980
購入先: ジョーシン手柄店
 
パッケージにはストーブ本体とカセットガスが1本入っていて、追加で購入する必要のあるものはなく、開封後すぐに使えるようになっています。
 
まずはストーブ本体の外観から見ていきましょう。(説明文中の右/左は、ストーブのヒーター部分に向かっての方向です。)
 
 
▲ストーブ正面
 
 
▲ストーブ右側面
 
 
▲ストーブ背面
 
 
▲ストーブ左側面
 
写真を見て頂くと分かるとおり、ストーブ本体はやや上向きで、右側には大きな点火ダイヤルがついています。
操作部はこのダイヤルのみ。
 
持ち手が付いていますが、これは本体上部で止まらず、どうしても写真のように下がった状態になります。
個人的な推測ですが、持ち手を本体真上で固定できるようにすると、熱気で暖まり、持ち手を持った時にやけどをする可能性があるからでしょうか。
 
カセットガスは本体背面下部に収納されるようになっています。
 
 
▲カセットガス収納部
 
カセットガスの固定方法は、最近のカセットガス製品では一般的な磁石式。
 
 
▲磁石式の固定部
 
昔のカセットガスコンロはレバーでがっちりカセットガスを固定していたように思いますが、最近のは「これでいいの?」と思うほど簡単にセットでき、また簡単に外れます。
 
 
▲カセットガスをセットした状態
 
周囲にはある程度の空間ができますが、これは万一の際にカセットガスが固定部分からはずれて消火されるようにするためなので、カセットガスを固定する目的でスポンジ等を詰め込んではいけません。
 
では点火してみます。
 
ダイヤルを反時計回りに回すと、カチッと圧電素子の動作音が鳴り、本体のセラミックヒーター前面下部にあるバーナーから青い炎が出てきます。このバーナーの炎は、消火するまで出続けます。
 
購入当初は1回目で点火できないことが多かったのですが、やり方がまずかったらしく、ダイヤルをゆっくり回すようにすると一発目で火が点くようになりました。
2回目でないと火が点かないという方は、意識してダイヤルをゆっくり回して下さい。
 
火が点いてすぐにダイヤルから手を離すと火が消えてしまうので、数秒間は点火位置でダイヤルを押さえておかないといけません。
 
まもなくセラミックヒーター全面が赤熱し、暖かくなります。
 
 
▲燃焼中の様子
 
 
▲セラミックヒーター前下部にある点火用電極(赤熱している)とパイロットバーナー
 
注:ここからFLIR社製サーモグラフィー「i3」による画像を掲載していますが、サーモグラフィーの測定可能範囲の上限がセ氏250度のため、セラミックヒーター部分の正確な温度は測定できていません(約270度と表示されている)。
 
ヒーターはやや上向きに取り付けられていますが、ストーブ前の床も多少は暖まります(下写真Sp1)。参考までに、全く暖まっていないストーブの横の温度も測定しています(下写真Sp2)。
 
 
▲ストーブの前の床も多少は暖まる(右上がストーブで、中央の薄く色が着いているエリアがストーブ前の床面。Sp1はストーブ前の最も暖かい場所、Sp2はストーブ横)放射率=0.95で測定
 
燃焼中のストーブをよくみるとストーブの上に陽炎が出ていて、手をかざすとストーブの真上に熱気が上がるのを確認できます。
※ストーブ上面には「高温注意」と表示されています。

ヒーターから前へ出る熱以外に、この空気の流れも部屋を暖めるのに一役買っている様子。
 
 
 
▲ストーブ後部上方から測定(本体上部の温度(SP1)が背面側の他の部分より高い。天面のスリット周辺の温度(SP2)が特に高くなっているのは、スリットを通して内部の温度が表示されているため)放射率=0.95で測定
 
消すときはダイヤルを「消」位置へ戻すだけ。
 
操作部はダイヤル状ですが、火力の調節は一切出来ません。点けるか消すかの2通りだけです。
ダイヤルと言うより、むしろスイッチ。
 
使用後はカセットガスを取り外すよう説明書には書かれています。
 
私は四畳半の部屋でこのストーブを使っていますが、この程度の部屋ならこれで十分。
よほど寒いときだけですが、帰宅後このストーブを点けて部屋と体を暖め、暖まれば消火という使い方をしています。
 
カセットガス1本で3時間強という動作時間なので、ランニングコストは高く付きますが、例えばただでさえコンセントが少なく、ドライヤーのように消費電力の大きな電気製品を使う(電気ストーブまで使うとブレーカーが落ちる)洗面所で使ったり、冬場に家の玄関や廊下の掃除をするときの寒さ対策にするなど、電気を使わない、簡単に持ち運べるというこの製品の特徴を生かした環境で使えば、役に立ちそうです。
 
逆に、居間のソファーの前など、コンセントがあって長時間動作させる必要のある環境なら電気ストーブの方が良いでしょう。
 
コンセントのない屋外では、よほど自分の体に近づけないと暖かさを感じませんし、風で炎が消えてしまう可能性もあります(そもそもこの製品は屋内利用専用です)。
 
電源が確保できない狭い場所で、長時間連続運転をしないという条件を満たせる場所や使い道があるなら、買って損はないかも。
 
ちなみに、カセットガスを使う製品では、ガスが無くなったと思っても振ってみると音がすることがよくあります。
 
しかし、このストーブでは、ガス切れ直前になると燃焼中に「ボボボボ」と妙な音が鳴り出し、火が消えます。
取り外したカセットガスを振っても音はしませんし、ガスの出口であるノズルを押し込むと「シュッ」と一瞬ガスが出るだけで、完璧にガスを使い切る構造になっているようです。
 
(注)説明書によると、気温が5度を切る場合はガスが気化しづらくなるとのことなので、気温が低すぎる環境では使えません。
火を使う製品なので、小さなお子さんのいる環境にはお勧めできません。