播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

無線LANで地デジが見られるルータ:WN-G300TVGR

我が家はテレビ放送アンテナから見るとビルの陰になる場所なので、自宅内や周辺ではワンセグをケータイやスマホで受信することが出来ません(対策のためケーブルテレビを引いています)。

テレビを見たければテレビの前に行くか、地デジチューナーを付けたデスクトップPCの前にいる必要があります。
 
場合によってはお手洗いや浴室でテレビが見たいこともあるのですが、すでに1本しかない元の線をテレビ4台、パソコン1台に分岐させ、ブースターで増幅して使っている環境なので、お手洗いと浴室にアンテナ線を引く場合は、さらに分配器と長距離の配線、電源の設置、テレビの購入が必要です。
 
なんとか手軽に自宅内でテレビを見られる環境にできないかと方法を探っていたところ、無線LAN経由で地デジ放送をiPhoneやiPad、無線LAN対応のWindowsパソコンに転送できる無線LANルータが見つかりました(AndroidとMacには非対応)。
 
ちょうど既存の無線LANルーターが数日おきに固まってしまうという不調な状態で買い換えを検討していたところだったので、地デジ放送を転送できるその無線LANルータを購入。
 
 
▲本体表面
 
 
▲本体裏面
 
 
▲本体の厚み
 
製品名: WN-G300TVGR
メーカー: 株式会社アイ・オー・データ機器(日本)
サイズ: 約223(W)×150(D)×34(H)mm(突起部含まず) カタログ値
重量: 本体のみで430g(カタログ値)
電源: DC12V(付属のACアダプタで給電)
消費電力: 7.6 ワット
無線LAN規格: b、g、n
同時接続台数: 8台以内(推奨)
定価: ¥15,700
購入価格: ¥11,446
購入先: ケーズデンキ姫路東店
※以上の内容は、私が購入した時点のものです。
 
この無線LANルーターのインターフェイスは以下の通りです。
 
 
▲左からテレビアンテナ入力、電源(ACアダプタ)、miniB-CASカードスロット、LANポートx3、WANポートx1、ルーター/無線AP動作切り替えスイッチ、リセットボタン
 
 
▲ACアダプタはこのような形状
 
この無線LANルータの設置場所に必要なのは、以下のものです。
既存のルーターと入れ替える場合は、テレビアンテナ線以外はすべて揃っているはず。
 
・AC100V電源
・(十分な強度の信号が来ている)テレビアンテナ線
・ONU等からのWAN側ケーブル
・有線LANでつなぐ機器があればそれらとの接続用LANケーブル
 
我が家の場合は最寄りの分配器からテレビアンテナ線を分岐させ、10mほどケーブルを引き回してルーターに接続しました。

しかし、分岐させた結果信号が弱まったらしく、一部のチャンネルでブロックノイズやプチフリーズが目立ったので、結局ブースターを1つ追加することになりました。
(ネットワークの知識がある方なら)設定は特に複雑なところは無く、ルーターの初期設定のIPアドレスだけ説明書で確認すれば、あとはシンプルな管理画面から各種設定が出来ます。
 
 
▲設定画面
 
一般家庭の場合、設定が必要なのはプロバイダから貸与されているユーザーIDと接続パスワード。安全のために、MACアドレスフィルタリングの設定もしておきましょう(最大登録数は32)。
それ以外の設定を触ることはまずありません。
 
無線接続用のパスワードは本体背面のステッカーに印刷されていますが、我が家の場合はへんぴなところにルーターを設置しているので、見ようと思ってもなかなか簡単には見られません。
そのため、このステッカーを写真に撮って保存しています。
 
 
▲本体背面に印刷されている各種初期設定
 
このルーターにはSSIDが3つ(インターネット用、テレビ用、ゲーム用)ありますが、これらの使い分けについては、付属のマニュアルでは特に触れられていません。
マニュアルによると、基本的には「テレビ用」のSSIDに接続して使うようです。
 
iPhoneやiPad用の「QRコネクト」というアプリ(無料)をインストールすれば、ルーターに貼られているステッカーのQRコード(上の写真の右下に写っている)を読み取るだけで、接続先SSIDとパスワードが自動的にiPhone/iPadに設定されるので便利。
 
いよいよテレビをiPhone/iPadで見てみることにします。

iTunesストアから専用の視聴アプリ「テレキングmobile(無料)」をインストールし、初回起動時にチャンネルスキャンを実行。これにはちょっと時間がかかりますが、初めて使うときだけなので我慢。
 
チャンネルの設定が終われば、次回からは起動するだけでテレビが見られます。
ただ、このアプリの起動は非常に遅いです。
準備中画面で約30秒、選局中画面で約5秒待たされ、その後テレビ画面が表示されます。
 
 
▲準備中画面(この画面で30秒ほど待たされる)
 
 
▲選局中画面(この画面で5秒ほど待たされる)
 
このアプリはiOSのマルチタスクに対応していないため、視聴中に他のアプリに切り替えてしまうと、視聴アプリの画面に戻った時、また一から起動が始まります。
大事な場面でうっかりホームボタンを押してしまうと大変。40秒近くテレビ画面が見られなくなるわけです。
 
画面をタップすると、画面上部にはチャンネル選択ボタン、下には音量調整スライダ、さらにその下にはニコニコ実況やブラウザを表示したり、設定画面へ行くためのボタンが表示されます。
 
ニコニコ実況やブラウザは、横向き表示の場合はテレビ画面の右側に、縦向きの場合は下に表示され、初期設定ではブラウザボタンをタップするとテレビ王国が開くので、番組表を確認できて便利。
 
このブラウザのお気に入りにはあらかじめ一般的なURL(テレビ王国、Twitter、Facebook等)が登録されていますが、もちろん自分でも追加・削除が可能です。
 
ニコニコ実況やブラウザは、一度ボタンを押して表示した後、再度ボタンをタップすると表示領域が広がります。さらにもう一度押すと全画面で表示され、再び押すとテレビ画面のみになります(※)。
※ブラウザやニコニコ実況は、縦表示の場合はテレビ画面を下から上へ、横表示の場合は右から左へスワイプしても表示され(直前に起動していたものが表示される)、逆方向にスワイプすると非表示になります。サイズの調整は、ボタンを使わないと出来ません。
 
 
▲視聴中に画面をタップすると、これらのボタンが表示される
 
テレビ画面は、ピンチアウト/ピンチインで拡大/縮小出来ます。
 
チャンネルの切り替えには5秒ほどかかるので、チャンネルを順に見て回るには根気が必要です。
見たいチャンネルを決めたら、それだけを見るという使い方になります。
 
最後に、注意点を挙げておきます。
 
テレビのアンテナケーブルをつなぐときは、下の写真の左のようなプラグは使わず、両端が工場で成端されたアンテナケーブルを使うか、自分でケーブルを必要な長さに切って自作する場合は、F型接栓を使うことをお勧めします。
 
アンテナケーブルが長くなるほど、元の信号強度が低いほど、プラグとF型接栓では受信状況の差が大きくなります。
 
 
▲テレビプラグ(左)とF型接栓(右)
 
テレビ視聴アプリを起動できる端末は、同一ネットワーク内で1台だけです。
iPhoneとiPadの両方で見ようとすると、2台目ではチューナーが見つかりませんと表示され、テレビは見られません。
 
他の端末でテレビを視聴する場合は、最初にテレビを見ていた端末側で視聴アプリを完全に終了する(※)必要があります。
※ホームボタンを2回素早く押し、下のような画面になったら「テレキングmobile」のアイコンを長押し。左上に赤いマークが出たら、それをタップする。iOS7の場合は、ホームボタンを2回押した後、「テレキングmobile」のアイコンを画面上端へ向けてフリック。
 
視聴アプリの画面を閉じただけでは、ルーターとの接続は完全には切れないのです。
 
 
▲他の端末でテレビを見るには、iOSの機能でアプリを完全に終了させる必要がある
 
対応しているチャンネルがUHF 13ch~62chのみというのも注意が必要ですし、同じチャンネルをテレビとiPhone/iPadで同時に表示すると、時差の大きさにも驚かされます。
 
また、我が家の環境では1時間番組を見ていると3回ほど、一瞬ですが映像と音声が途切れることがあります。ソフトやルーターが原因なのか、電波状態が原因なのかは分かりません。
 
録画機能(タイムシフト再生等)も一切ありません。
 
多少クセのある製品かも知れませんが、自宅の無線LANネットワーク圏内ならiPhoneやiPad、ノートPCを使ってどこでも地デジ放送が見られるのは、予想以上に便利です。
 
体調不良の時はベッドで寝転がってテレビを見られますし、庭で作業をしながらでもテレビを見られます。(iPhoneなら首からかけたり、アームバンドで腕に着けたりすれば良い。音だけ聞いていて、気になれば画面を見る。)
 
「うちはワンセグが映るから」という方も、この無線LANルーターならフルセグの高画質でテレビを見られますから、字幕もろくに読めないワンセグの低画質に嫌気がさしている方や、テレビのために居場所が拘束されるのは嫌という方にはお勧めできるかもしれません。
 
ソフトバンクからはSoftBank SELECTIONとしてエリアフリー録画対応デジタルTVチューナー「SB-TV04-WRIP」が販売されています(2013年9月現在)。こちらはBS/CSも受信できて、さらに出先でもテレビが見られるという優れもの。
ただし、テレビを見られるのはiPhoneやiPadのみ。AndroidどころかWindowsパソコンも非対応。
 
Windowsパソコンでもテレビを見たい場合は、機能が乏しくても「WN-G300TVGR」、iOSデバイスしか使わない方は「SB-TV04-WRIP」という選び方になります。