播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第29回 殿のグルメ対談(アルベロxエルデベルグ平井)

今日は姫路の大手前にある大手前第一ビル4階の「納屋工房」さんで「第29回 殿のグルメ対談(アルベロxエルデベルグ平井)」に参加してきました。
 
 日程 2013年6月24日(月)
 時間 19:30~21:30
 参加費 一人¥1,580
 場所 納屋工房(姫路市本町68番地 大手前第一ビル4階)
 
仕事帰りに駅前の商店街を通る際、ピザ窯が目立つ新しいイタリアンレストランが出来ているのが気になっていましたが、今日のゲストのお一方はまさにそのお店の方でした。
 
19:40
主催者の「殿」の司会でグルメ対談が始まりました。
19:42
一人目のゲスト、ピザ窯が目立つイタリアンレストラン「オステリア・ピッツェリア アルベロ」のオーナー田村氏が登場。
 

▲オステリア・ピッツェリア アルベロのオーナー、田村氏(右)
 
アルベロは2013年4月18日にオープンした新しいお店ですが、殿によると美味しいと評判でかなり繁盛しているとのこと。
 
田村氏は二十歳の時に「料理がしたい」と思い立ち、22歳頃から居酒屋で働き始めたものの、仕事への思いが漠然としすぎていたためか、長続きしなかったそうです。
 
今度は「洋食をやりたい」ということで東京に出て、調理師免許を取るために学校に行きながらホテルで働くという日々を送りましたが、その時働いていたホテルでピザ窯に出会いました。
 
やがてパスタやイタリア料理のおいしさに取り憑かれ、ホテルを辞めて個人経営の小さなイタリア料理店で働いて腕を上げて、食べ歩きで料理の研究もし、ついに現在のお店アルベロを開店されました。
 
ピザ窯が一番目立つ場所に設置されていることから分かるとおり、アルベロさんはピザを売りにしています。
殿が「お店のこだわりは?」と尋ねると、「ピザとチーズ」とのお答え。六甲にある日向牧場のチーズを使い、粉はイタリア産のものを配合されているそうです。
 
ここでピザの食べ方が話題に上りました。
一般的に、日本ではあらかじめ放射状に切れ目が入った状態でピザが出され、扇形のピザを一切れずつ食べますが、田村氏によると本場のイタリアでは切らずに出すそうです。
 
ナイフとフォークを使い、自分で好きなように食べるのが本場流だそうですが、日本では扇形のピザを食べることになります。しかし、尖った部分が重みで垂れ下がってしまい食べにくい。
 
これをどうやって食べるか。殿が尖った部分を縁の方へ折り返してから食べると言うと、参加者のお一人からは「縦に(尖った先端と弧の中央を結ぶ直線の方向に)折れ目が出来るように曲げて食べる」との意見。
「そうやって曲げても重みでどうしても先端が垂れる」と食い下がる殿がアルベロの田村氏に食べ方を尋ねると、田村氏も先端を手前に折り返して食べると回答。
 
ただし、正しい食べ方というのは無く、自分が好きなように食べるのが一番とのことでした。
 
お店の売りでもあるピザ窯に話題が移ります。
アルベロさんで使われているのは薪を使うタイプのピザ窯。ガスを使うタイプに比べると圧倒的に手間がかかりますが、やはりピザの焼き上がりは薪の方が断然良いそうです。
 
ピザを焼くのに最適な温度は450度程度だそうですが、窯の内部の温度を知るために、田村氏は手を窯の口に入れています。2秒ほどで耐えられなくなる温度が450度で、温度が低いともうしばらく手を入れっぱなしに出来るのだとか。
 
ガス式の窯であれば火力の調整は簡単ですが、薪を使う窯は火力の調整も面倒で、薪の組み方で調整するそうです。そんな難しい薪を使うピザ窯の扱いは、同じく薪タイプの窯を持つお店で修行をさせてもらって覚えたとのこと。
 
窯はピザだけでなく魚を焼くのにも使い、焼いた肉を休ませるのに窯の口周辺が便利なのだそうです。
 
意外なことに、ガスと薪ではコストにあまり差が出ないようです。
薪窯は必要なときに薪を継ぎ足すだけ(薪の使用量が少ない)で、薪の価格もそれほど高くないそうですが、普段でも1時間、休日明けは2時間かけてピザ窯を立ち上げる作業が必要ということで、お金の面ではガスと差がなくても、手間の面から見ると大変な装置のようです。
 
アルベロというお店の名前、これはイタリア語で「樹木」を表す単語ですが、田村氏本人の名前にも、息子さんの名前にも「樹」という字が入っていることにちなんで付けられた名前とのこと。
 
現在は全部で28席の小さなお店ですが、内装を良くして、一人でも来店しやすい店、一人でふらっと入って、ピザ1枚とワインを頼んで気軽に食事が楽しめるお店にしたいそうです。
将来、人が育ってくれれば、もっと大きなお店をもう1軒持ちたいというのが田村氏の展望です。
 
(私の個人的な印象ですが)田村氏は愛想の良い商売人というより、おいしさを追求する職人さんという雰囲気で、こんな方が作る料理が美味しくないはずがないだろうと感じました。
 

詳しい地図で見る
▲アルベロさんの場所

店名: オステリア・ピッツェリア アルベロ
住所: 兵庫県姫路市紺屋町74 KJビル 1F (上の地図が表示されない場合は、住所をクリック)
営業時間: 11:00~15:00 17:30~23:00(L.O.22:30)
定休日: 不定休
駐車場: なし
 
20:10
続いて、姫路の名古山トンネルから南へしばらく走り、西行き一方通行の国道2号線と交わる場所にあり、10万本のワインを在庫として持っている酒屋さん、「株式会社エルデベルグ平井」の平井社長が登場。
 

▲株式会社エルデベルグ平井の平井社長
 
心筋梗塞で2013年4月20日に手術を受けたという衝撃的なお話からスタート。
その後はワインのお話。
ワインと言えばフランスですが、フランスでは有名な「カビスト」(ワインを管理する倉庫番)に日本人がいるとか、カビストは注文を受けるとセラーからそのワインを短時間で探し出し、お客様を待たせることなく届けるのが仕事で、この人がいないとソムリエの仕事が成り立たないという大切な存在であるといったお話を伺いました。
 
平井さんには10万本のワインが保管されていますが、その内の5,000本は、平井氏曰く「死んでいるかも知れない。でも、死んでいるかどうかは飲まないと分からない。」
殿曰く「博打みたいなもの。」
 
10万本のワインと言っても、ピンからキリまで、玉石混淆状態。
平井さんとしては、ワインを選ぶときは飲み方などを元に、店員さんと相談してワインを選んで欲しいそうですが、最近はネットでワインについて自分で調べ、お店の人に相談せずにワインを買う人が増えているそうで、「本当に大丈夫かな」と心配になるのだとか。
 
前述の「死んだお酒」に近い表現ですが「壊れたお酒」という言葉も登場しました。
死ぬ直前のお酒だそうですが、これは死ぬ間際の食べ物、つまり腐りかけというかそうなる直前の食べ物には合うという面白いお話も出てきました。
 
平井社長は播磨スローフード協会の会長もされていて、スローフードにまつわるイベントを積極的に展開されています。
 
直近では2013年7月10日(水)18:00~21:00 「JAPAN・WINEを極める」と題した日本で造られたワインを楽しむイベントが開催されます(要申し込み)。

 
さらに7月27日(土)には新在家にある兵庫県立大学環境人間学部で映画「よみがえりのレシピ」の鑑賞と講演を聴くイベント「山形在来作物研究会に学ぶ」映画と講演会が開催されます。
 

 
どちらのイベントも事前申し込みが必要です。
 
毎年9月の第1水曜にはスローフードな縁日を開催されていて、地元の美味しい飲食店の料理やお酒を楽しめるそうです。
 
▲エルデベルグ平井さんの場所
 
店名: 平井酒店
住所: 兵庫県姫路市土山東の町13−11 (上の地図が表示されない場合は、住所をクリック)

20:45
エルデベルグ平井さんのインタビューが終了し、試食と試飲が始まります。
試食のメニューはアルベロさん提供の前菜3種。
 

▲上から時計回りにナスのカポナータ、ホエー豚のローストポーク、レバーパテを塗ったパン)
 
カポナータもローストポークも美味しかったのですが、レバーパテが塗られたパンが最高でした。
レバーっぽい臭みは全くありません。このレバーパテだけでも買って帰りたいくらいです(売ってませんが)。
 
試飲には、平井さんの倉庫に眠っていた20~30年前のワインが何本も出されました。
熟成されて美味しくなっているものや、「?」となるものもあり、これはこれでなかなか面白い。

貴重なワインをさんざんいただき、ほろ酔いになったところで試飲・試食タイムは終了。
 
21:15
対談のゲストに参加者が質問をするQ&Aコーナーが始まりました。
 
アルベロさんへの質問と回答
質問1 なぜガスではなく薪の窯にされたのですか?
回答1 ガスと薪では、焼き上がったピザの香りが違います。魚を焼くときにも差があって、ガスだと魚にきれいな焼き色が付きません。
 
質問2 薪にもこだわりが?
回答2 岡山県産の広葉樹を使っています。薪は香りが強すぎてもダメなので、適度な香りを持つ薪を選んでいます。薪は2週間に1度くらいのペースで購入しています。
 
エルデベルグ平井さんへの質問と回答
質問1 ワインの栓がコルクになっている理由は?
回答1 元々は木製の栓だったものが、密閉度が低いことから柔らかくて密封度の高いコルクに変わっていきました。現代のボトルキャップは密封度が高いので、コルクである必要は全くありません。実際、瓶ビールのように王冠で封がされたワインもあります。本場でもコルクにこだわっているわけではありません。コルクを使う場合には、保管場所の湿度に気をつけないといけませんが、キャップだと温度さえ注意していれば問題なし。
コルクを使っているのは、単に格好良いからでは?
 
余談1
ワインを保管するときには寝かせるものと思われていますが、保管場所の温度・湿度に問題がなければ立てたままでも良いのです。その方が「おり」が落ち着いて美味しく飲めます。
そもそもコルクにも臭いがあるので、寝かせているとコルクの臭いがワインに移ります。
 
質問2 ワインの開栓時、コルクが切れてしまうことがあります。その対策は?
回答2 根気が無くてコルク抜きがコルクの底まで到達していないのが原因。しっかり奥まで入れれば大丈夫。ただし、コルクが劣化している場合は、ソムリエでもコルクをちぎってしまうことがあり、そういった状況でコルクを抜き出すための専用の道具もあります。
 
余談2
一部のレストランでは、立てて保管しているワインをわざわざ寝かせてお客様の席へ出しています。そんなことをすると、ボトルの底にたまった「おり」が舞ってしまいます。良いワインを美味しく飲むためには、1週間ほど前からボトルを立てておくのが良いです。

余談3
お店の評価を一番よく知るのは、食べログのレビュアー等ではなく出入りの業者です。
業者へ接する態度が丁寧で、搬入に使う裏口まで綺麗にされているお店は安心。表が綺麗でも裏口が不潔なお店はダメ。そういった情報は業者間で共有されています。
 
22:05
第29回殿のグルメ対談が終了しました。