播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

姫路市の神谷ダムへサイクリング

今日は姫路市北東部の神谷(こたに)ダムへ自転車で出かけてきました。
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「笠原」
 
学生時代にアルバイトをしていた姫路セントラルパークからいつも見ていた岩の巨大な斜面が気になっていたのですが、先日藤ノ木山から神谷池を見てそれを思い出し、あのダムを間近で見てみたいという妙な欲求が強まってきたのです。
 
周辺の尾根からダムへ下りるのは難しそう(藪こぎをしたという記録ばかり)なので、ダムの南から延びる車道でダムへ行くことにします。
駐車スペースがあるかどうかも分からないので、移動手段には自転車を選びました。
 
10:44
姫路市街の自宅を自転車(マウンテンバイク)で出発。
 
国道312号線を北上し、生野橋を渡る手前のラーメン屋さんで昼食(時間は約40分間)。
 
昼食後、生野橋を渡り、播但道をくぐったすぐ先にある「御蔭」交差点は直進。ここから道は狭くなります。
「金竹」交差点を右折し、県道373号線へ。
 
これを東へ進み、姫路セントラルパークから北へ出てくる道がある辺りから、373号線から左へ分岐する道へ入りました。
 
12:16
集落の中を東へ進んでいくと、「←神谷ダム」と書かれた看板のある分岐があるので、左折。
西から来ても東から来ても見えるように、「小谷ダム」という看板は両側にありました(地図中「神谷ダム分岐」)。
 
 
▲神谷ダムへ続く道の入口
 
ダム方面へ曲がると、すぐに道は通行止めになります。
ネットの情報によると暴走族対策らしいので、暴走族ではないハイカーやサイクリストは入っても良いはず。
 
実際、車が数台鎖の前に止まっていましたが、近くの畑に人影は無かったので、農家の人ではなくハイカーが止めているのでしょう。
 
鎖は頑丈な鍵で固定されているので、車やバイクで入るのは不可能ですが、歩行者や自転車は簡単に越えられます。
 
 
▲先ほどの分岐を曲がるとすぐに通行止め
 
なだらかな上り坂を、自転車を押して上ること約15分、左へ下り坂が分岐する地点を通過。
道標に「岩屋 1.9km・細野 1.7km」と書かれた下り坂の方には、鎖が張られています。
 
ここからはほとんど平坦と言えるほどの斜度になったので、自転車に乗って進みました。
 
この付近からは、岩で出来た神谷ダムの南面を大きく見ることが出来ますが、同時に下の鶏舎から漂ってくる刺激臭が強くなってきます。
 
今日は有害鳥獣の駆除をしていたのか、時折銃声が西の谷間から聞こえてきました。
 
 
▲神谷ダム
 
ダム諸元
位置: 兵庫県姫路市豊富町神谷
河川名: 二級河川・市川水系神谷川
形式: 中央コア型ロックフィルダム
堤頂標高: EL. 159.00m
堤礎標高: EL.  80.00m
堤高: 79.00m
堤頂長: 303.40m
堤頂幅: 10.00m
ダム勾配: 上流 1:2.95 下流 1:2.05
堤体積: 2,504,000立方メートル
(出典:兵庫県企業庁設置の管理棟前の看板)
 

https://goo.gl/maps/4oZbR3VRo5FzA1Xb9
▲神谷ダムの位置
 
12:40
ダムの天端の東端に到着。
到着の直前に、下りてくるカップルとすれ違いました。
 
▲神谷ダムの天端
 
両側には岩が並べられ、その間に鎖を張って転落防止のための柵にしてあります。
 
ダム湖の周囲は一周約10kmの周遊路がついていますが、ダムの東端側から周遊路に入る箇所は封鎖されていました(土砂崩れのためとの表示)。
 
▲封鎖された周遊路
 
このゲートからは、男性2人組のハイカーが出てきました。
藤ノ木山か周辺の山からこの周遊路に下りてきたのかな。
 
さて、ハンディGPSの画面を見ながらダムの中央付近へ移動し、パノラマ撮影開始。
 
ダムの天端も下からのニオイは強烈です。せっかくダム湖と南の山並みが綺麗に見える絶景地なのに、長居が出来ません。
 
刺激臭と南から銃声が聞こえる中、手早くパノラマ撮影。
ちょうど撮影が終わったとき、中年夫婦のハイカーが車道を登ってこられました。
 
神谷ダム天端中央付近で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2013年5月5日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kotani_dam/virtualtour.html
 
姫路セントラルパークからこのダムがよく見えたということは、ダムからもセントラルパークが見えるということ。
観覧車は肉眼でも大きく見えますが、双眼鏡を使えば第3駐車場まで車がかなり入っている様子が見えましたし、ディアブロと思われる走行音も聞こえてきます。
 
ダムの真下には、ニオイの発生源である大きな鶏舎がありますが、視線を上げると鶏舎の先に210.3mの有乳山、その右後ろには携帯電話基地局のアンテナが立つ236m標高点(姫路セントラルパークの第5駐車場から道がある)、その右には三等三角点ピーク(点名:豊富)、有乳山の左から山頂だけを覗かせている桶居山、その左には高山山塊が見えます。
 
刺激的なニオイが辛いので、展望を楽しむのはやめにして管理棟のあるダムの西側へ向かいました(地図中「管理棟」)。
 
風向きの関係もあるのでしょうが、今日は西に来ればニオイはありませんでした。
 
 
▲防犯カメラのある管理棟(人の気配はなかった)
 
ダムの西側には、Googleの航空写真にも扇形に写っている洪水吐(こうずいばき)があります。
 
▲神谷ダム西端にある洪水吐
 
パノラマ撮影中に犬の声が聞こえていましたが、銃声が聞こえるので猟犬だと勝手に思い込んでいました。
しかし、実際はここでピクニックをしている家族連れのペットでした。
 
こちら側にはダムの役割を説明する看板が立っています。
神谷ダムの概要

 神谷ダムは西播磨地域の安定的な水道水の供給を図るために建設されたものです。
 ここから3km西を流れる市川の流量が豊富なときに河川水をポンプにより揚水し貯水池に貯めておき、市川の流量が少なく、浄水場が河川から水道用水を十分に取水できないときには、貯留水を船津浄水場へ導水することにより、渇水時でも安定した水道水を供給するしくみになっています。
 船津浄水場で処理された水道水は周辺の2市5町に送られます。
兵庫県企業庁
ダムと言えば水力発電のイメージですが、このダムは渇水対策のものだそうです。
ダムについての詳細も記載されていたので、紹介しておきます。
取水・放流設備
 水道用水設備: 斜樋多孔式ゲート 1,600mmx5門
 不特定用水設備: 斜樋多孔式ゲート φ600mmx5門

揚導水設備
 トンネル部: φ1,500mm L=1,965m
 埋設管部: φ1,200mm L=1,725m
 揚水量: 2,200立方メートル毎秒
 導水量: 2,385立方メートル毎秒

洪水吐
 形式: 扇型自由越流式
 設計洪水流量: 95立方メートル毎秒

貯水池
 流域面積: 2.18平方キロメートル
 湛水面積: 0.718平方キロメートル
 常時満水位: EL. 154.50m
 最低水位: EL. 107.00m
 設計洪水位: EL. 155.90m
 総貯水容量: 16,600,000立方メートル
 有効貯水容量: 16,100,000立方メートル

緊急放流設備
 神谷川放流: 高圧スライドゲート
         750mmx1,100mm
         放流量・最大23.5立方メートル毎秒
 平田川放流: ジェットフローゲート
         φ1,100mm
         放流量・最大8.5立方メートル毎秒
ダム湖の水面を見るとオイルフェンスのようなものがあり、それに囲われた場所に面する湖岸に建物があるのが見えたので、揚水・導水に関する設備だろうと思い、見に行くことにしました。
 
ダムの西端から周遊路へ入る箇所はゲートが開いており、通行止めにはなっていません。
自転車なので、すぐにその建物に到着(地図中「取水ゲート室」)。
 
取水ゲート室という名前で、門が閉まっていて近づけないようになっていました。
 
 
▲取水ゲート室
 
対岸に回れば何かしらの設備が見えたのかも知れませんが、そこまでダム好きというわけでもないので、そろそろ帰ることにします。
 
13:20
ダムの東端から車道を下りました。
下り坂なので自転車のペダルを漕ぐ必要が無く、風を受けると日に照らされてほてった体が気持ちいい。
 
往路をそのまま引き返して自宅へ。
 
自宅から往復で35kmほどのサイクリングでした。