播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県宍粟市の千年藤と篠の丸城跡見学

今日は宍粟市の大歳(ださい)神社にある千年藤を見に行き、現地でたまたま知った笹の丸城跡探訪イベントに参加。さらに、たまたま見つけた酒蔵の蔵開きイベントも見てきました。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「山崎」
 
予定外の山歩きだったため普段使っているGarminのハンディGPSがなく、iPhoneのGPS機能を使用しました。
 
8:30
姫路市街の自宅を出発。

国道29号線を1時間ほど北上すれば道の駅やまさきですが、ここは2013年3月31日をもって閉鎖されました。
 
施設は閉鎖されていても駐車場くらいは使えるだろうと安易に考えて山崎市街地を走っていると、千年藤見学者用の駐車場を案内する看板が目に入り、それに従ってAコープやまさき店の駐車場へ。
 
9:35
AコープやJAの駐車場に止めれば良いのかと思っていたら、奥に千年藤の看板が出た未舗装の駐車場があったので、そちらに駐車。
Aコープのトイレを借りてから千年藤を目指しました。
 
 
▲AコープとJAの間を西に進んだところにある千年藤見学者用駐車場
 
徒歩で国道29号線を南へ少し進み「今宿北」交差点を右(西)へ入ります。この道は県道429号線。
この県道を西へ450mほど進んだ突き当たりを左へ曲がれば、千年藤のある大歳(ださい)神社です。
 
 
▲県道429号線を西へ進んだ
 
9:55
大歳神社に到着(地図中「大歳神社」)。
良い香りがほのかに漂い、人もそれほど多くなくて良い雰囲気です。
 
 
▲千年藤
 
大歳神社の様子は、昨年に撮影した以下のパノラマでご覧下さい。
 
2012年5月に千年藤で撮影した全天球パノラマ

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/sennenfuji20120506/virtualtour.html
 
 
▲大歳神社拝殿
 
私が大歳神社に着く前に県道で追い越された観光バスの客でしょうか、いっきに神社内の人が増えたので、退散。
 
10:15
大歳神社を出て南に歩き、古い街並みを楽しんでいたら、「笹の丸城跡探訪」のポスターが貼られているのを発見。見ると、今日の10:30に山崎防災センターに集合すれば誰でも参加できるようです。
せっかくなので参加することにし、山崎防災センター(地図中「防災センター」)を目指してさらに南下。
 
10:31
山崎防災センターに到着。
 
 
▲山崎防災センター
 
2階のシアターで他の参加者が説明を受けている中へそーっと入り、説明を聞いて他の方々と一緒に出発。
 
外堀跡や城跡についてガイドさんの説明を聞きながら、笹の丸城跡のある最上山へ徒歩で移動。
 
 
▲住宅街の中を通って最上山へ向かった
 
10:55
八幡神社の東にある最上山公園の入口(公衆トイレもある駐車場)に到着(地図中「P」)。
ここから遊歩道を上ります。
 
 
▲地図中「P」の様子
 
Googleマップを見ると「最上山公園」と書かれているだけあって、なだらかで歩きやすい遊歩道が整備されています。
 
登り始めてすぐ宍粟50名山の「篠の丸登山口」標柱を見ましたが、登山口前は通過し、なだらかな遊歩道を登りました。
 
ガイドさんによると、この尾根の西側にある谷間はかつて屋敷があったということで、現在でも削平地が何段か残っています。
 
遊歩道はつづら折れでなだらか。楽に高度が稼げます。ただ、少し暑い。
 
 
▲最上山公園内を進む
 
11:12
遊歩道が歩道ブロックで舗装された道に変わると、まもなく路側帯が広くなった車道に出ます(地図中「車道出会い」)。ここは城跡や三角点を目指すハイカーの駐車場になっているようです。
 
ここにもかつては堀切があったそうですが、今では車道や遊歩道が出来たせいで跡形もありません。
 
 
▲車道出会いから城跡方面を見る(写っている建物はトイレ)
 
11:29
車道を100m弱上ると、「篠の丸城跡」と彫られた石柱が立つ丸太階段の道が車道から右へ分かれるのに出会います。先ほどの車道出会いに車を止めて上るハイカーから見れば、ここが実質的な登山口。
 
 
▲篠の丸城跡への登山口
 
この登山口の右側斜面には堀切があるのですが、道からはよく見えないので、知っていないとまず見ることのないものです。
普通は見られないものを見られるのは、ガイドさんのいるツアーの利点ですね。
 
少し上ったところで妙見宮の鳥居をくぐります。
山頂(本丸跡)の妙見宮は昭和7年頃に作られたもので、今回歩いた道もその時に作られたとのこと。
 
篠の丸城への大手道は尾根の中央を通っていますが、参道は尾根の中心から西へ外れているため、大手道は破壊されずに済んだそうです。
 
 
▲妙見宮への参道を歩く(大手道跡は右の尾根の中にかすかに残っている)
 
参道はやがてつづら折れとなり、時々大手道跡に接近しながら上っていきます。
 
道中には100mごとに丁石(「○百米」と刻まれた比較的新しいもの)があり、あと何メートルで山頂(本丸跡)に着くかが分かるようになっています。
 
11:56
妙見宮のある笹の丸城本丸跡に到着。
石灯籠と小さな祠(妙見宮)、トイレ、そして何故か滑り台と鉄棒がありました。
 
 
▲本丸跡(最奥にあるのが妙見宮)
 
この本丸跡の南西と北西側は、土塁と空堀跡がかなりはっきりと残っています。
お城と言えば石垣というイメージですが、石垣が使われ出したのは近世で、中世のお城ではあまり使われなかったとのこと。
土塁だと敵が放った矢が突き刺さったものを抜いて再利用が出来るというメリットがあるそうです。
 
 
▲本丸の土塁と空堀跡
 
さらに、本丸跡の南東には郭跡と大手道跡が残っています。
 
この大手道は、本丸の直前でUターンをするように進むのが正規のルートになっていますが、実際は道がまっすぐ先にも続いており、大手道を上ってきた敵兵が勢い余ってそのまま直進し、本丸の東側を通過するのを上から攻撃出来るようになっていたそうです。
 
 
▲本丸南東に残る道跡(大手道は左右に伸びているが、本丸への道は右手前へ曲がっている)
 
さらに大手道跡を少し下り(ちょっとした藪漕ぎ)、当時の敵兵の視点でどのように騙されてしまうのかを実際に体験したり、大手道から斜面に残る郭跡を見上げて城攻めの怖さを想像したり、ガイドさんのお話で楽しませていただきました(地図中「防御施設」)。
 
さらに、本丸跡から西へ進み、「篠の丸」と書かれた道標に従ってトラロープのある急斜面を下ったところにある大規模な堀切跡を3本見学しました(地図中「堀切」)。
 
ガイドさんの話では、鎧甲を装備した兵士が無防備になるのが堀切を越える時とのこと。
持ち盾を装備した兵も、堀切を超えるときには盾を置かないといけないし、鎧の弱い部分が守備側(城の兵士)に対してあらわになるからだとか。
 
 
▲堀切
 
ガイドさんによると、本丸跡の西、北側斜面には畝状竪堀(うねじょうたてぼり)が12本残っているそうです。
確かに肉眼では形が分かるのですが、写真にすると全く分からないので、写真はあきらめました。
 
12:35
下山開始。
往路と同じルートで車道まで下ります。
 
12:54
車道に出ました。
ここから西へ進み、左へ分岐する車道(車止めがある)に入ります。
 
 
▲車道の分岐
 
12:55
すぐに車道から離れて南へ延びる尾根へ進むと、広い2段の削平地に出ました。ここはガイドさんによると屋敷跡。
本丸まで上がるのは特別な状況のみで、平時はここまでしか上がってこなかったであろうとのことでした。
 
削平地の先からはつづら折れの山道です。
 
 
▲屋敷跡から八幡神社へ下る道の様子
 
13:04
八幡神社の脇へ下りてきました(地図中「八幡神社」)。
ここで流れ解散。
 
おなかが空いたので、周辺を歩いて食べ物屋さんを探すことに。
 
ぶらぶらと適当に歩いていたら、煙突のある古い建物を見つけました。
表に回って確認すると老松酒造という酒蔵(地図中「老松酒造」)。
 
 
▲老松酒造
 
今日が蔵開きということで、人が大勢集まっていました。
酒蔵の中も見学出来るとのことなので、入ってみることに。
 
老松酒造さんのお酒の試飲が出来たり、気に入ったものをその場で購入できる他、代々伝わる古い食器等の展示を見たり、酒蔵を見たり、普段見る機会の無いものを存分に楽しませていただきました。
 
 
▲酒蔵内部の様子
 
14:00
老松酒造を出て、近くの食堂で遅めの昼食をとって帰宅。