播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県たつの市の的場山(394.2m)

今年の2月、新龍アルプスの祗園嶽~亀山を歩きましたが、南端の的場山(まとばさん)には登ったことがありません。
 
的場山に登りたいし、少し前に購入した新しいバックパックの使い心地の確認もしたかったので、野見宿禰の墓から的場山に登り、両見坂へ下山するショートコースを歩くことにしました。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「龍野」
 
9:45
姫路市街の自宅を車で出発。
 
県道5号線を西進し、姫新線の線路を越えてすぐの「日飼」交差点を左折。
400mほど走ったところにある「堂本」交差点を右折し、300m弱走ったところにある「富永西」交差点を右折。国道179号線の龍野橋で揖保川を渡り、「龍野橋西詰」を直進して道幅が狭いたつの市街に入ります。
 
道なりに進み、突き当たりを右折して北へ進むと、裁判所に突き当たります。ここをまた右折すると、道は直角に左へ曲がります。この角を曲がると、目の前に龍野城へ続く道があります。
 
龍野城の門(下のパノラマにある埋門)に突き当たったら右へ曲がって進めば、たつの市立龍野歴史文化資料館の駐車場です。
 
せっかくなので、昨年撮影した龍野城のパノラマも掲載しておきます。左上のリストで3カ所のパノラマを切り替えられます。
 
龍野城で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2012年9月9日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tatsuno20120909/virtualtour.html
 
10:22
駐車場に到着。ここに車を置かせてもらうことにします(地図中「P」)。
 
 
▲たつの市立龍野歴史文化資料館の駐車場の様子
 
10:34
準備完了。出発。
車で上ってきた坂を下り、裁判所の前を西へ進みます。

その先の突き当たりを右へ曲がると、龍野城の櫓があります。櫓を見ながら北へ進むと、道は西へ向きを変え、また突き当たりがあります。ここも右折。道なりに進むと、また突き当たりに出会いますが、これも右折。
 
すると、左側に石灯籠があり、西へ長い石段が延びているのに出会います。これが地形図にも描かれている石段。
 
 
▲広い石段を登る
 
石段を登っていき、車道を越えてさらに石段を登ると、そこは聚遠亭(しゅうえんてい)の入口。
ちょっとした駐車スペースがありますが、今日は何かあるらしく、満車になっていました。
 
ここから聚遠亭の方へ進むと、右側に公衆トイレ、左側に野見宿禰の墓への道があります。

あるいは、駐車スペースからさらに石段を一つ上がりきったところで右を見ると、「野見宿祢塚」と刻まれた石標のある道があるので、その道へ入ります。
 
私は後者のルートで野見宿禰の墓へ向かいました。
 
 
▲竜野神社から野見宿禰の墓へ続く道
 
野見宿禰の墓へ続く道へ入ると、すぐ左手にわき水があるのに出会います。ここには「力水」と彫られた石が置かれていました。
 
10:48
その力水のすぐ先に三差路があります。地形図では神社の北で破線道が三差路になっている場所です。
暑かったので、ここで上着を脱いでTシャツ一枚になりました。
 
野見宿禰の墓への道は左。道標もあるし、右の道は下っているので、間違えることはありません。
 
10:56
なだらかなのに何故か階段状になっている道を上っていくと、展望台に出ました(地図中「展望台」)。
 
 
▲展望台
 
ここからはたつの市街を一望できます。今日はかすんでいて今ひとつの眺めでしたが、空気が澄んだ時期なら気持ちよさそうです。
 
展望台から後ろを振り返ると、これから登る尾根と、野見宿禰の墓の石の扉、そしてその奥にある石碑のようなもの(その中央付近で丸い物が光っていた)も見えます。
 
野見宿禰の墓へは、地形図を見ても分かるとおり長い石段を登ります。
 
 
▲野見宿禰の墓へ続く石段
 
石段の左右にある玉垣(?)には芸妓の名前が刻まれており、一番大きな玉垣は人の名前だけでなく電話番号まで刻まれています。電話番号入りの玉垣は初めて見ました。
 
 
▲石段の玉垣に刻まれているのは芸妓の名前
 
11:02
野見宿禰の墓に到着。

石の扉があり、その奥には先ほど下から見えた石碑か何かがあるのでしょう。
墓と言っても、私たちが通常想像するようなお墓ではなく、古墳です。
 
 
▲石の扉に守られた野見宿禰の墓
 
古墳の周囲を囲むように道がついていて、その外側には玉垣がありますが、これらには力士の名前等が彫られています。
 
一部倒れそうになっている玉垣を見ながら円墳の周囲を回り込むと、急な山道と出会います。
ここからは男気のある一直線の道です。

歩いた距離と同じだけ登っているのではないかと思えるほど急な斜面ですが、角張った岩が露出した路面なので、グリップがよく、体力さえあればスイスイと登っていけます(私は無理)。
 
 
▲急斜面を一直線に登る道の様子
 
上の写真ではシダが写っていませんが、この急斜面の中盤だけは写真のようにシダがなく、序盤と終盤にはシダがあります。
 
11:23
道が突然なだらかになりました。尾根の肩に出たようです。
汗だく、ヘロヘロですが、なんとか急斜面を登り切りました。
 
地形図通り、ここからは等高線の間隔が広く、なだらかな道が山頂まで続きます。
 
 
▲なだらかな尾根上には一部植林があった
 
山頂が近づいてくると、岩がごろごろと左右に目立つようになりました。
 
11:36
視線をあげると、木々のすき間から肌色の物体が視界に入りました。さらに上を見ると、大きな鉄塔も見えます。
 
 
▲最初に出会う電波塔
 
「おっ、山頂か!」と思って急いで近づきましたが、目の前には擁壁があり、その上に点検道路が通っていて、道はさらに上へ続いている様子。まだ山頂ではありませんでした。
 
擁壁沿いに右へ進むと、登山道と道路が徐々に近づき、丸太階段の道(地形図破船道)と合流するあたりでガードレールの切れ目があり、点検道路に上がれるようになっていました。
 
道路に出て先ほどの電波塔の身元を確認すると、壁面に「建設省近畿地方建設局的場山無線中継所」と書かれていました。
10年以上前に建設省は国土交通省に変わったはずですが、この電波塔は放置されているようです。
 
登山道に戻り、右側から合流してきた丸太階段の道(今日の下山に利用する)を登ると、まもなく的場山山頂です。
 
11:40
NTTの無線中継所、三等三角点標石、そして大きな案内図がある的場山山頂に到着。
小学生の団体が休憩中でした。
 
展望は南方面に大きく開けていますが、北方面が見える場所が一カ所だけあり、亀山方面を眺めることが出来ます。
 
 
▲的場山山頂(三角点周辺)の様子
 
 
▲的場山山頂から亀山方面を見る
 
 
的場山の山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2013年3月24日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/matobasan20130324-1/virtualtour.html
 
小学生達がはしゃいで賑やかな山頂でパノラマ撮影をし、昼食を食べて、佐用からという単独男性ハイカーさんとしばし雑談。
そうこうしている内に小学生の団体は下山し、佐用からのハイカーさんも下山してしまい、山頂は私一人になりました。
 
12:38
かすんでいて展望も悪いのに、ほぼ1時間も山頂で過ごしてしまいました。そろそろ下山しましょう。
 
旧建設省の電波塔や往路の登山道との分岐を無視し、丸太階段の道を下ります。
 
 
▲丸太階段を下る
 
12:49
丸太階段が終わると、往路と同様の岩がゴロゴロしたなだらかな道になり、ちょっとしたアップダウンを過ぎると、東側の展望が開けた小ピークに出ます(地図中「展望ピーク」)。
 
 
▲展望ピークの様子
 
ここではハイカーの団体さんが休憩中だったようですが、私と入れ替わりで彼らは的場山へ向けて移動開始。
というわけで、この小ピークは私が独り占め。
 
鶴嘴山から片山(金輪山)にかけて眺めることが出来ます。
 
ここでもパノラマを撮影したのですが、撮影に失敗したため上下の画角に制限を設けています。
真上と真下は表示出来ませんが、左右は360度完全に見渡せます。
 
的場山北東の小ピークで撮影した全天球パノラマ(撮影日:2013年3月24日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/matobasan20130324-2/virtualtour.html
 
13:15
展望ピークを出発。
 
地形図からはあまり想像出来ませんが、往路と同じくらい急角度に感じる道が両見坂まで延々と続きます。
 
展望ピークからの下りはじめは岩や木の根が階段状になっていますが、やがて幅の狭い丸太階段の道になり、両見坂まで断続的に丸太階段が現れます。
 
 
▲展望ピークから下る道の様子(振り返って撮影)
 
13:32
両見坂と呼ばれる峠に到着(地図中「両見坂」)。
 
 
▲両見坂に到着
 
大きな石灯籠と、檜皮葺に関する説明プレートが設置されています。
この辺りの森が檜皮の採集に使われているそうです。
 
峠道の向こう側には鶏籠山龍野古城への登り口もありますが、的場山山頂で他のハイカーさんに鶏籠山の展望はあまり良くないと聞いていたので、今日は登らないことにします。
 
両見坂からは、舗装されたなだらかな遊歩道を南へ下ります。
 
 
 
▲両見坂から南へ下る道の様子
 
13:47
番所跡や侍屋敷跡を見ながら遊歩道を下っていくと、分岐に出会いました。
地形図で破線道が西へ分岐している所です。
 
 
 
▲遊歩道の分岐
 
分岐を無視してさらに南へ下ります。
 
13:50
遊歩道が終わり、車道に出ました。
往路で竜野神社の石段に入りましたが、石段に行かず直進するとこの場所に出ます。
 
 
 
▲遊歩道の入口(今日はここへ下りてきた)
 
13:59
駐車場に到着。
 
 
 
 
▲本日の歩行距離等(カシミール3Dによる)(拡大表示できます)
 
 
▲本日の山行中の気温、湿度、体感温度(Heat Index)