播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

姫路藩文化観光学習船

今朝の神戸新聞を見ると、「姫路城内に観光船」の見出しでカラー写真付きの記事が載っていました。
3月2日から15日まで船大工さんによる説明が聞けたり、工具などを見られるとのこと。
 
夕方から用事がありますが、それまでは暇だし、面白そうなので出かけてきました。
 
自宅から姫路城はすぐなので、徒歩で自宅を出発し、好古園の南を東西に走る道路を東へ進んでいると、和船とテントが目に入りました。これが新聞に書かれていた展示のようです。
 

▲工具などが展示されているテント
 
そこには工具や船釘が展示されていて、船大工の頭領や職人さんが色々と説明をして下さいました。
 

▲工具と船釘
 
船体に主に使われている木材は日向杉で、油を多く含み、柔らかくて節が多いため建築用としては不人気だそうですが、造船には最適とのことでした。
 

▲学習船のりばと和船(高瀬舟)
 
姫路城のお堀の船(高瀬舟)の仕様
長さ: 9.45m
幅: 2.29m
深さ(吃水)軽荷状態: 0.12m
重量軽荷状態: 1250kg
満載状態: 2230kg
水面からの最大高さ船体: 0.8m
乗員・乗客: 14名(2名は乗員)
推進手段: 艪、電動プロペラ、竿
(出典:パンフレット「和船を造る」 姫路藩和船建造委員会・姫路藩和船建造技術委員会)
 
舟の縁は白っぽい木が使われていますが、これはヒノキ。その下にヒノキと同じくらいの厚みの枠がありますが、これはケヤキ。そして、その下の船体が日向杉だそうです。
 
推進や操舵は、船尾に付けられた長い艪(ろ)で行います。
 

▲和船の船尾
 
この艪は、持ち手部分は堅い木材、水につかる棒の部分は柔らかい木材でできているそうです。
 
船内は畳敷きで、定員は14名。うち2名は船頭とガイドで、乗客は12名が乗れます。
 

▲船内は畳敷き
 
船底が平らで吃水が浅い(空の状態でわずか約10cm)ため、横から風を受けると簡単に横滑りし、艪だけでは操船が難しいため、非常用に電気モーターが搭載されています。
 
操船が困難になったら、このモーターを船頭さんが首からかけた小型のリモコンで操作し、舟を目的の場所へ移動させます。
 
普通に考えるとモーターは船尾にありそうなものですが、この和船では船首に搭載されています。
船尾の空間は物入れ。
 

▲非常用のモーター(中央の白い物がモーターで、周りを自動車用バッテリーが囲んでいる)
 
2013年3月16日(土)から2013年4月14日(日)までは、実際にこの学習船に乗って濠から姫路城や桜を眺めることが出来ます。料金は大人一人¥1,000。予約は当日分のみ受付可能。空きがあれば飛び込みでも乗れるそうです。(本日の段階での情報です。今後変更される可能性がありますので、各自でご確認下さい。)
 
そろそろ帰ろうとしていたら、船頭として実際に乗り組む方が練習をされるとのこと。
 
学習船のりばに接岸しているため船の全体をうまく写真に撮れなかったのですが、離岸してくれれば写真を撮る良いチャンス。
 

▲操船の練習をする船頭さん(黄色い服の男性。右側の男性は首元のリモコンを見ている)
 

▲練習のため桜門橋をくぐる和船
 
テントの近くには船の設計図や造船作業の様子が展示されていて、造船作業がいかに大変だったかが分かるようになっています。

全長10mにも満たない小さな舟ですが、昔ながらの材料と作業方法で作られたため、大変な作業だったそうです。
 
木を曲げるのは、火で炙りながら力を加えるという当時の方法そのまま。しかも、ガスなどは使わず、ヤニが多い松を燃やし、曲げる木が燃えないように常に水をかけながら、職人さん達が板をぐいぐいと曲げ続けます。

使用する釘も当時と同じ形の船釘。釘を打つときも、力加減を間違えると「ピシッ」と割れ目が入ってしまい、その板全体が使い物にならなくなってしまうそうです。
 
場所が分かりにくかったためか、あるいは一見するとただの小さな舟にしか見えないためか、見学者は少なかったですが、そのおかげでゆっくりお話を伺うことが出来ました。
 
興味のある方は是非立ち寄ってみて下さい。
学習船のりばがあるのは、下の地図の場所です。船大工さんもそこにおられます。
 
 
下の写真の看板が目印です。
 

▲舟のりばの看板