播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

ミサイル艇うみたか(PG-828)一般公開&玄武洞

冬場は自衛隊関連のイベントが少ないのですが、今日は津居山港小島(おじま)岸壁(兵庫県豊岡市)でミサイル艇「うみたか(PG-828)」の一般公開が行われたので、見学に行ってきました。
 
護衛艦や補給艦、訓練支援艦、掃海艇は今まで見たことがありますが、ミサイル艇は初めて。

せっかくなので、一般公開が行われている会場に近い玄武洞も見に行くことにします。
 
ノーマルタイヤの愛車では豊岡へ行くのが不安なので、JRを利用しました。
 
8:58
JR姫路駅を臨時特急「かにカニはまかぜ」(全席指定)で出発。
 
10:49
一般公開会場の最寄り駅である城崎温泉駅に到着。運賃は¥3,760。
 
 
▲城崎温泉駅
 
城崎温泉駅から会場までは3kmほどありますが、小島岸壁前にはバス停があるので、路線バスを使うことにしました。
 
11:10
日和山行きの全但バスに乗車。バス停には行列が出来ていて、車内は人でいっぱい。
 
 
▲城崎温泉駅前のバス停
 
11:20
小島岸壁バス停に到着。運賃は¥210。
 

https://goo.gl/maps/gCtek6iwPHBSg38a8
▲小島岸壁の位置
 
バスの車内放送で知りましたが、今日、小島岸壁で「かにまつり」なるものが開催されているそうで、そのお客さんと城崎マリンワールドのお客さんでバスが混雑していたようです。
 
道路沿いに製氷会社の建物があって岸壁が見えませんが、その建物の向こう側へ回り込むと、目の前にミサイル艇うみたかの艦尾がありました。
 
 
▲製氷会社を回り込むとミサイル艇うみたかが停泊していた(手前の構造物は、製氷会社から船へ氷を送るためのベルトコンベアの支柱)
 
ミサイル艇うみたかの諸元
基準排水量 200t
全長 50m
全幅 8.4m
深さ 4.2m
吃水 1.7m
船型 単胴細長型
主機 石川島播磨LM500-G07型 ガスタービン3基、3軸、ウォータージェットポンプ3基
出力 16,000PS
速力 44kt(時速約82km)
乗員 約20名
兵装 対艦ミサイルx一式、62口径76mm速射砲x1
起工 平成14年10月4日
進水 平成15年5月21日
竣工 平成16年3月24日
建造所 三菱重工下関
(出典:自衛隊装備年間2009-2010 朝雲新聞社)
 
まず目に付くのは、艦尾に備え付けられた90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)。
護衛艦上で見ると大きく見えない90式艦対艦誘導弾が、このミサイル艇に積まれるとなかなかの迫力です。
 
 
▲90式艦対艦誘導弾
 
艦対艦ミサイル(SSM-1B)
艦対艦ミサイル(艦から発射して、敵艦に命中させるミサイル)です。国産の空対艦ミサイルASM-1から発展した地対艦ミサイルをさらに艦載用に改良したミサイルです。筒1本の中にミサイル1発が収められています。
射程100km以上
(出典:海上自衛隊舞鶴地方隊 第2ミサイル艇隊 はやぶさ、うみたか パンフレット)
 
続いて気になるのが、艦尾の妙な突起物。
ミサイル艇は高速航行するためにスクリューではなくウォータージェット推進装置を積んでいるため、このような見たこともない形状をしているのです。
 
 
▲艦尾のウォータージェット3基
 
ウォータージェット推進装置
高速で航行するために普通の船と違ってスクリューを使用せず、ウォータージェットというシステムを使っています。これは、船底から大量の海水を吸い込み、ダクトから一挙に噴き出すことにより推進力とする方法で、原理は、イカやタコの泳ぎ方と同じです。また、ダクトの向きにより、方向を変換します。
(出典:海上自衛隊舞鶴地方隊 第2ミサイル艇隊 はやぶさ、うみたか パンフレット)
 
艦首から乗船するようになっていたので、艦の右舷を見ながら艦首へ向かいます。

艦の中央には、複合型作業艇が横向き(艦の進行方向に対して直角)に搭載されていました。ミサイル艇が小さいので、このように搭載せざるを得ないのでしょう。
 
 
▲複合型作業艇
 
艦首に設置されている76mm速射砲ですが、今まで私が見てきた丸いものとは違い、砲塔の形がステルス性能を意識した構造、つまり平面を組み合わせた形になっています。
 
 
▲ステルス性を高めた形状の砲塔を持つ76mm速射砲
 
76mm速射砲
護衛艦が装備している砲とほぼ同じですがシールドが角張った「ステルス型」になっています。砲塔の中は無人で、遠隔操作により「装てん・発射・排きょう」を自動的に行います。
最大射程:約16km
最大発射速度:100発/分
※元はイタリアの会社の設計です。
(出典:海上自衛隊舞鶴地方隊 第2ミサイル艇隊 はやぶさ、うみたか パンフレット)
 
一通り船の外からミサイル艇を観察し、乗船。
手荷物検査や記帳は無く、パンフレットをもらって小さなタラップで艦橋前の甲板へ。
 
先ほど岸壁から見た76mm速射砲ですが、間近で見るとやはり迫力があります。
 
艦首の右舷側から乗り込んだら、76mm速射砲を反時計回りに回り込むように順路が設定されていました。
その先で艦内へ入るのですが、行列が出来ています。少しずつ着実に行列は進み、いよいよ艦内へ。
 
 
▲艦橋正面右舷側のドアから艦内へ
 
小さな船体から想像出来るとおり、艦内は非常に狭いです。
 
 
▲艦内に入った直後の通路の様子
 
通路の突き当たりを右へ曲がって階段を登ると艦橋に出るのですが、通路の突き当たりには武器庫があり、中には小銃や散弾銃が納められていました(ガラス窓があって内部が見えるようになっていた)。ただ、暗すぎて撮影出来ず。
 
狭くて急な階段(左舷側)を登ると、艦橋に出ました。
 
 
▲艦橋内の様子
 
とにかく狭い。見学者が立ち止まって写真を撮ると、後続は動けません。
でも、いかにも新しい艦艇という雰囲気が漂う艦橋は面白い。
 
高速航行時の振動が激しいため、他の護衛艦では見ることのないしっかりした座席が並んでいました。
 
 
▲艦橋の座席はWikipediaによるとレカロ社製
 
艦長席にジョイスティックがあったのが驚きでした。何に使うものか隊員さんに尋ねると、ミサイルの発射ボタン等があるとのことでした。
 
 
▲艦長席のジョイスティック
 
艦橋へは左舷側から入り、右舷側から後ろへ出るように順路が設定されていました。

艦橋右舷側後部に出たところにチャフロケットランチャーがあり、そのすぐ後ろには12.7mm重機関銃が取り付けられていました。
ここからは、岸壁からはよく見えなかった複合型作業艇の全体を見ることが出来ます。
 
 
▲複合型作業艇
 
複合型作業艇の尾部(ミサイル艇の左舷)を通って艦尾に進むと、岸壁からも見えていた艦対艦ミサイルの発射筒がありました。
 
玉掛け作業のためでしょうか、重心位置や重量が細かく発射筒に記載されています。
 
 
▲艦対艦ミサイル発射筒とその表示
 
これで見学終了、と思っていたら、突然但馬のゆるキャラ「玄さん」が登場。艦首からだとあの小さなドアを通れないので、艦尾から乗艦したようです。
 
玄さんはこの後、艦尾や艦橋後部で記念撮影に応じていました。
 
 
▲突然現れた玄さん
 
初めてのミサイル艇をゆっくりじっくり見学し終えたら、12時前になっていました。

バス停を見ると、バスが来る時間が近いのか、人が集まっています。というわけで私も急いでバス停へ。
 
12:05
全但バスが定刻にやってきました。
この小島岸壁とその次の小島バス停からは「かにまつり」のお客さんが乗ってくるので、バスの車内は通勤ラッシュ時の電車のようになってしまいました。
 
12:15
城崎温泉駅に到着。運賃は¥210。
 
12:20
タクシー乗り場近くのトイレで用を足し、乗り場に止まっていたタクシーに乗って玄武洞へ向かいました。
 
12:26
玄武洞に到着。運賃は¥1,820。


https://goo.gl/maps/HkofwFzfBdn1GzZg6
▲玄武洞の位置

 
玄武洞ミュージアムなるものがありますが、とりあえず玄武洞の方に興味があったので、ミュージアムの道を挟んだ向かい側にある登り口へ。
 
 
▲玄武洞の登り口
 
距離があるのかと思ったら、少し階段を登るだけで休憩所があり、その向こうに巨大な玄武洞が見えます。
休憩所内はストーブが焚かれていて暖かかったので、ここでしばらく休憩。
 
 
▲休憩所
 
南の青龍洞から北へ順に見ていくことにしました。
 
 
▲玄武洞公園の配置図(登り口の案内看板を写したもの)
 
それぞれの洞窟の間は約100m離れていて、青龍洞~玄武洞間は平坦ですが、玄武洞から北へは階段の道になっています。
しかも、雪がシャーベット状になっていて滑りやすいので、へっぴり腰でおそるおそる歩く羽目に。
 
苦労して見に行っても、どの洞窟も落石の危険があるとのことで、近づけないようになっていたのが残念。
 
 
▲青龍洞
 
 
▲玄武洞
 
玄武洞と青龍洞はなかなかの迫力なので、行ったり来たりしてそれぞれをじっくり見物し、パノラマ撮影をしていたら、13:50になっていました。
玄武洞と青龍洞で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2013年2月24日)

 パノラマの左上にあるリストで、2つを切り替えられます。
 
当初考えていた14:13城崎温泉駅発の特急はまかぜ4号に間に合いそうもありません。
どうしたもんかなと悩みながら階段を下りて玄武洞ミュージアムの前に出たら、ちょうどタクシーがお客さんを降ろしているところでした。
 
13:56
そのタクシーを捕まえて城崎温泉駅へ。

途中、水田に2羽のコウノトリがいるのを運転手さんに教えてもらい、姫路でよく見るアオサギとは色も大きさも全然違う姿に感心していたら、あっという間に駅に着きました。
 
14:04
城崎温泉駅に到着。運賃は¥1,820。
 
14:13
城崎温泉駅を特急はまかぜ4号で出発。
指定席は満席で自由席の切符しか買えませんでしたが、何とか座れました。
 
16:01
JR姫路駅に到着。運賃は¥3,250(自由席)。