播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第22回殿のグルメ対談(居酒屋 遊膳×本田商店)

本日は「第22回殿のグルメ対談(居酒屋 遊膳×本田商店)」が開催されましたので、行ってきました。
 
普段は平日の夜、比較的早い時間帯(19:30から)が多く、仕事のある日は行くのがなかなか大変ですが、今日は日曜なので楽に行けます。
 
イベント詳細
日時: 2012年11月18日(日)18:00~
場所: 〒670-0012 兵庫県姫路市本町68番地 大手前第一ビル4階 納屋工房
参加費: ひとり¥1,580
 
18:00前
納屋工房に到着しましたが、人がほとんど来ていません。
そもそも、主催者である殿や、納屋工房の管理者様もおられず、どうしたものかと待っていると、殿が登場。
 
無事に受付を済ませ、対談のゲストである居酒屋 遊膳さんの「対談特別チケット」を頂きました。
これを持っていると、食事代10%OFF。しかも、有効期限無し!
 
遊膳さん、ありがとうございます。
 
18:10
ぼちぼち人が集まり出しましたし、定刻を過ぎたので、対談が始まりました。
まずは対談の様子を撮影する際の注意事項(主にプライバシー関連)の説明から。
 
18:13
お一人目のゲスト、居酒屋 遊膳を経営する片岡氏の対談が始まりました。
 
 
▲対談中の殿(左)と片岡氏
 
高校卒業後、親のお好み焼き屋を継いだのですが、3年ほどで店を閉め、興味があった洋食の勉強のためにイタリアへ渡ったそうです。
 
しばらくイタリアで修行を積んだ後、イタリア料理店を始めたものの上手くいかず、4年でやめ、福崎で居酒屋(初代遊膳)の営業を開始。4年で飽きて(?)弟さんと一緒に商売をするも、これまた4年でやめ、姫路に出てきて現在の遊膳を1年半前から始められました。
 
今までが4年サイクルだったので、現在の遊膳さんも後2年半しか続かないのかと心配されつつ、対談は進みます。
 
片岡氏は神河町在住で、居酒屋 遊膳で使っている水は、水割りや炊飯用のものも含め、すべて神河町でくんだわき水、お店で提供する野菜はすべて神河町の農家で購入するという、地産地消がこだわり。
 
遊膳さんは美味しい魚料理が自慢のお店ですが、イタリア料理の修業では魚の裁き方は身につかず、独学で勉強されたそうです。
特に、今回試食として提供されるヒラメは、5枚におろして使うそうなのですが、そのおろし方が分からず、悩んでいたら、ある日夢の中で神様のような人が現れ、魚の裁き方を教えてくれたとか。
 
対談の前に片岡氏は殿や本田商店さんと飲みながら打ち合わせをされていたようで、対談の段階でもちょっと酔っ払い気味。
神様のくだりは、酔っ払いの面白いお話として読み流して下さい。
 
遊膳という店の名前ですが、創作料理を作ることを遊びにたとえて、お膳の上で遊ぶということから、この名前になったのだそうです。
 
「姫路の美味しい魚と地酒を広めるアンテナショップのようなもの」を目指して営業されているとのことで、播磨地方の地酒の多くを取り扱っているのだとか。
 
18:38
引き続き、本田商店の本田龍祐氏(取締役)のトークです。
氏のおしゃべりは軽妙で内容が面白いので、話に引き込まれてしまいます。
 
 
▲対談中の殿(左)と本田龍介氏
 
内容は一部が第20回殿のグルメ対談の時と重複する部分がありますので、新規の部分だけを記載します。
本日のテーマは熱燗。
 
本田商店さんは熱燗用のお酒を造られていますが、熱燗にはお酒らしいお酒が向いているとのことで、江戸時代のお酒の作り方、つまり空気中の乳酸菌等を使って米を発酵させているそうです。
 
空気中の菌だけで綺麗に米を発酵させるのは大変で、米が腐敗しないように夜中でも蔵の中で米を何度も何度もひっくり返し、手をかけているとのこと。
本田龍祐氏曰く「綺麗なところには綺麗な菌が、汚いところには汚い菌が来る」。
 
ちなみに、本田商店さんのお酒で燗に適しているのは、第20回グルメ対談でも登場した純米吟醸ドラゴンと、本日試飲できる生酛仕込みだそうです。
 
この生酛仕込みというお酒、熱燗のお酒コンテスト(今年で4回目)で最高金賞を受賞されたそうです。(第1回、第3回、第4回で最高金賞を受賞とのこと)
試飲が楽しみ。
 
本田商店の龍力と言えば、大吟醸の米のささやきが有名ですが、あれほど高価なお酒がなぜこんなに有名になり、よく売れるようになったのかというお話も伺うことが出来ました。
 
それは日本がまだ高度成長期だったころ、新日鉄広畑の所長さんが、日本全国のお酒を飲んだ中で米のささやきが最も美味しいと評価し、本田商店さんに「こんなに美味しいのだから、売れているのか?」と尋ねられたそうです。
 
ところが、当時は高価なお酒で知名度も低かったため、ほとんど売れていないことを説明すると、「それならば新日鉄広畑で買おう」ということになり、「菊日鐵」に名前を変えた米のささやきが新日鉄の中で飲まれるようになりました。
 
やがて新日鉄広畑の方々が姫路の飲み屋街「魚町」で「菊日鉄みたいな美味しいお酒はないのか」となったときに、「菊日鉄は米のささやきと同じ」ということが広まり、これで米のささやきの知名度が一気にアップし、売れるようになったそうです。
 
本田龍祐氏のポリシーは「面白くないと酒じゃない」つまり、みんなで楽しく美味しく飲めるのが良いお酒。ただし、良い材料を使わないと、本当に人を感動させるおいしさは作り出せない。だから、儲けたお金は良い米を買うことにつぎ込むそうです。
 
19:10
いよいよ試食の開始です。
 
まずは居酒屋 遊膳の片岡氏によるヒラメをさばくデモンストレーション。
ヒラメが大きい!
 
 
▲家庭用まな板よりはるかに大きなまな板ですが、それでもはみ出している
 
ヒラメの身の中に赤い部分がないと、養殖ものだそうです。
今回のヒラメは、縁側近くが赤くなっていました。
 
 
▲裁いた後のヒラメ
 
小皿に取って頂くと、プリプリを通り越してコリコリに近い完食。臭みもないし、これなら行ける。
実は、私は生魚が苦手なのです。口元に持ってきたときのニオイや、歯触りにどうもなじめません。
しかし、今回のヒラメは美味しい。

日本酒が苦手な人でも大吟醸なら飲めるのと同様、獲れて時間が経った魚ではなく、新鮮で良質な魚なら、魚嫌いの人でも食べられますね。
 
続いて登場したのは、ボラの白子。
 
 
▲ボラの白子
 
普通はボラの白子なんて食べる機会はありませんが、これは絶品。
濃厚で複雑な味で、舌触りはクリーミー。チーズのようですが、ニオイやクセを取り除いたチーズという雰囲気でしょうか。
一般にボラの白子が出回らないのは、ボラの白子は廃棄されているから。
もったいないなぁ。
 
さらにカニが登場!
 
 
▲試食用のカニ
 
私はしていませんが、甲羅に日本酒を入れ、カニの出汁と混ぜるとメチャクチャ美味だそうです。
 
ヒラメやボラの白子を食べながら飲んだのは、過去4回しか開催されていない熱燗の品評会で3回も最高金賞を受賞した生酛仕込み。
 
 
▲生酛仕込み
 
熱燗特有のニオイがほとんど感じられず、いくらでも飲めそう。
熱せられてアルコールは飛んでいるだろうとぐいぐい飲んでいたら、ほろ酔いになってしまいました。
 
19:40
試飲・試食が終了。
 
ゲストお二方への質問タイムがあり、20:10に終了しました。
 
今回のゲスト、居酒屋 遊膳さんの位置は、下の地図を参照して下さい。
 
居酒屋 遊膳
兵庫県姫路市紺屋町80
 

https://goo.gl/maps/h6aX8bFqaFfQYaEt7
▲居酒屋 遊膳さんの場所