播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第19回殿のグルメ対談 しちりん焼肉だいx山陽杯酒造

今日は第19回殿のグルメ対談「しちりん焼肉だいx山陽杯酒造」に行ってきました。
 
殿のグルメ対談は、全国の飲食店を自身のブログや食べログで紹介されている「殿(食べログではハイパー殿)」が主催するイベントで、たいていは飲食店の店長さんと酒造会社の方をゲストとして呼んで、殿とゲストが1対1でインタビューをするというものです。
 
お店に行くだけでは分からない飲食店のこだわりを知ったり、酒造会社さんであれば貴重なお酒を試飲できたりする魅力的なイベント。
 
場所は、姫路市本町68番地にある大手前第1ビル4階「納屋工房」です。参加費は一人¥1,580。

姫路駅からは少し歩かなくてはいけませんが、複数人でうだうだしゃべりながら歩けば苦になりません。
 
19:30
対談開始時刻になりましたが、ゲストのお一人が遅れているとのことで、しばらく待ちます。
 
19:40頃
対談開始。

一人目は相生で焼き肉店「しちりん焼肉だい」(兵庫県相生市旭1-17-1)を経営されている伊原さん(35歳)。
 
 
▲しちりん焼肉だいの伊原さんの対談の様子
 
元々は建築関係のお仕事をされていたのが、お母さんが経営されていた喫茶店を改装して焼き肉店の営業を始め、その後現在の場所に自宅を兼ねた店舗を建てて商売を始めたそうです。
 
とにかく美味しいお肉を提供するために、炭や肉にこだわりをもたれています。
 
炭は海外産の備長炭(のような炭)を使っているそうです。
やはりおがくずを使用した炭や、材料がなんだか分からないような怪しげな炭は香りが悪いため使いたくなかったそうです。しかし、国産の備長炭は値段が高すぎるため、最近技術が向上して国産に引けを取らなくなってきている海外産の炭を選ばれたとか。
 
お肉のランクについては、聞くと牛の一部の肉の見た目だけで判断されるとのことで、ランクが高いからといって必ずしも肉が美味しいとは限らないそうです。
 
雌牛が一番美味しいそうですが、子牛を産ませるために肉として使うのは雄の牛が大半を占めるのだそうです。
その雄の牛を雌の肉に近づけるために、雄牛を去勢するのだとか。
しかし、縁あってしちりん焼肉だいさんは国産の雌牛の肉のみを仕入れることに成功し、美味しい雌牛の肉を頂けます。
 
タレにもこだわりを持たれています。
タレには肉の仕込みに使うもみだれ、クセのある肉につかう味噌だれ、そしてテーブルでお客さんが付けるつけだれの3種類があります。
 
つけだれ単品を味見するとすばらしくても、もみだれの付いた肉に付けると「?」となるようなお店があるとのことで、しちりん焼肉だいさんでは、3種類のタレの味に類似性を持たせ、タレ同士が相まって美味しい味が出るように研究しているとのことです。
 
さらに驚いたことに、最初に書いた炭へのこだわりとタレのこだわりは、肉を焼くときにしたたり落ちたタレが炭で焼け、煙になって肉を包み込む時の香りの良さという結果につながるとのこと。
 
普通の無煙ロースターは周囲に吸気口がありますが、しちりん焼肉だいさんでは、真上から煙を吸うようにし、肉に炭から上がった香りが肉を包むようにしているのだそうです。
 
肉は注文を受けてから切り、肉の状態によって、さらにお客さんの様子を見てタレの調合を変えてから提供するそうで、注文を受けてから出てくるまでが長いそうです。

その待ち時間の長さにクレームをつけられることもあるそうですが、私の場合は美味しければ待たされても問題ありません。
 
厨房から客席の様子が見えるように、完全な個室をなくしているそうですが、それはお客さんに応じて美味しいと思ってもらえるお肉やタレを提供するためなのです。
 
安くて手軽に美味しいモノを食べようなんていう都合の良い考え方の人には向かないお店かもしれません。
食べ物も機械も衣類もなんでもそうですが、良いモノは手間暇とコストをかけて作られています。
本当に良いモノを知らない人なら「安くて良い品物」という幻想を信じて満足できるかも知れませんが、ちょっと良いお店で食事を楽しむ機会の多い方や、趣味の道具などで少しでも良いモノを買おうとする人なら、このしちりん焼肉だいさんのこだわりを理解し、美味しい焼肉を堪能できるでしょう。
 
20:15頃
引き続き山陽杯酒造の壺阪さん(32歳)のインタビュー。
 
 
▲山陽杯酒造の壺阪さんの対談の様子
 
170年以上の歴史を誇る山崎町の酒造会社の7代目。

もともとは酒蔵を継ぐつもりはなく、食料品を扱う問屋に勤務していましたが、他人が作った商品を売るだけの仕事、しかも、自分が食べた/飲んだことのない商品を他人に勧めることに違和感を感じ、自分で何かを作ることに挑戦しようと考え、実家の酒蔵を継ぐことにしたそうです。
 
酒造りと言えば灘が有名ですが、あちらの酒造りで使われる水(宮水)は硬水、西播磨の水は軟水だそうですが、辛口のお酒には硬水の方が向いているそうです。
しかし、あえて軟水で辛口のお酒を造ることに挑戦し、播州一献「超辛」を作られました。
 
20:50
試飲と試食開始。
 
まずは播州一献「超辛」の試飲。
確かに辛口ですが、スイスイ飲めてしまいます。
 
 
▲試飲に出されたお酒
 
これを飲みながら「しちりん焼肉だい」さんのローストビーフを頂きます。
 
 
▲試食用のローストビーフ
 
こんなに柔らかいローストビーフは初めてです。
柔らかいだけでなく肉の味が強く、食べ出すと止まりません。お酒にもよく合う。これは絶品。
 
今度は上の写真の右端のお酒を飲み、「しちりん焼肉だい」さんのチャプチェを頂きます。
 
 
▲試食用のチャプチェ
 
細切りの牛肉がたっぷり入っていて、これもたまらん。
 
最後の試飲は、「雄町」を使った播州一献。
これはがつんときます。これぞ日本酒といった味。
 
これと合わせて頂くのは、「しちりん焼肉だい」さんのにぎり寿司。
お寿司と行っても、ネタは焼肉です。
 
 
▲試食用の握り
 
これは美味しい!
対談で出てきた肉の香りの意味がよく分かりました。お肉に香ばしい香りがついていて、それが肉の味をいっそう引き立てています。柔らかさと美味しいお肉の味にすばらしい香りがついてとんでもないおいしさ。
 
相生はちょっと遠いですが、行く価値は十分にあります。
試食用にあらかじめ調理されているものでこれだけ美味しいわけですから、お店でできたてを食べたら悶絶するかも知れません。
 
絶対近いうちに行こうっと。
 

https://goo.gl/maps/dcBdGR8d5nT5SmWU8
▲しちりん焼肉だい の場所