以前、ミリ単位で距離を測れる精密なレーザー測距計を紹介しましたが、今回は精度がプラスマイナス1mあるものの、最大で1000m以上の距離を測れる装置を紹介します。
▲パッケージ内容一式
▲本体
メーカー:Bushnell Corporation(アメリカ)
製品名:ELITE 1500(アメリカ陸軍向けモデル)
軍用品としての名称:LASER RANGEFINDER
NSN:1240-01-562-9459(NSNはNational Stock Numberの略。軍用品に割り当てられている番号。)
サイズ:1.7x5.1x3.7 インチ(4.3cm x 13cm x 9.4cm)カタログ値
倍率・対物レンズ径:7x26
測定可能な距離:最大 1,500m (最短距離はカタログ値で5mですが、1mでも測れました)
重量:12.1 オンス(343g)カタログ値
電源:006P(角形9V電池)x 1
定価:$699.95 USD(民間向け価格)
購入価格:¥39,800
購入先:ネットオークション
備考:ここで紹介しているのはアメリカ陸軍向けモデルのため、民間向け製品には付属していないACUカモフラージュ柄のケースが付いています。Bushnell社は、2008年に米陸軍と契約を結んでこの製品を納入しています。
製品名:ELITE 1500(アメリカ陸軍向けモデル)
軍用品としての名称:LASER RANGEFINDER
NSN:1240-01-562-9459(NSNはNational Stock Numberの略。軍用品に割り当てられている番号。)
サイズ:1.7x5.1x3.7 インチ(4.3cm x 13cm x 9.4cm)カタログ値
倍率・対物レンズ径:7x26
測定可能な距離:最大 1,500m (最短距離はカタログ値で5mですが、1mでも測れました)
重量:12.1 オンス(343g)カタログ値
電源:006P(角形9V電池)x 1
定価:$699.95 USD(民間向け価格)
購入価格:¥39,800
購入先:ネットオークション
備考:ここで紹介しているのはアメリカ陸軍向けモデルのため、民間向け製品には付属していないACUカモフラージュ柄のケースが付いています。Bushnell社は、2008年に米陸軍と契約を結んでこの製品を納入しています。
本来はハンターが獲物までの距離を測り、正確に弾を命中させるために使うものです。
ハンターよりもさらに確実に命中させることが重要になる軍隊でもこの装置は使われており、私が入手したのは米陸軍向けのモデル。レーザー距離計自体は民間向けモデルと同じですが、迷彩柄のキャリングケースが付属しています。
(後述するとおり3種類の測定モードがあり、耐水構造である程度の耐久性を持っていることから、軍用として採用されたようです。)
(後述するとおり3種類の測定モードがあり、耐水構造である程度の耐久性を持っていることから、軍用として採用されたようです。)
▲ケース背面は軍の規格に適合しているので、軍用のバックパックに取り付けられる
7倍の倍率を持っているため、双眼鏡代わりにも使えますし、双眼鏡より便利な点として、底面に三脚用のねじ穴があることも挙げられます。
▲底面の三脚穴
電源は今時珍しい006P、30代半ばから40台前半の方なら、子どもの頃ラジコンのプロポやおもちゃのトランシーバーで使っていた、あの角形電池と言えば通じやすいでしょうか。
▲電池収納部
接眼レンズ部には可動式のアイピースが付いていて、目と接眼レンズの位置を適切に保つことが出来ます。また、接眼レンズの根元にはダイヤルがあり、視度を調整することも出来ます。
▲アイピースが最も引っ込んだ状態
▲アイピースを最も引き出した状態
操作は簡単で、上面にある細長い長方形のボタンを押すだけ。
ボタンを数秒間押すだけで、目標までの距離が1メートル(あるいは1ヤード)単位で表示されます。
ボタンを数秒間押すだけで、目標までの距離が1メートル(あるいは1ヤード)単位で表示されます。
電源ONやOFFの必要もありません。
ボタンを押すだけで動作し、30秒ほど放置すると液晶表示は消灯します。
ボタンを押すだけで動作し、30秒ほど放置すると液晶表示は消灯します。
▲通常モードの画面(復元修理中の姫路城までの距離を測定。460mと表示されている。)
見ての通り、中央の円で目標をとらえると、その目標までの距離が表示されますが、木々の枝を通して目標を見る場合、通常モードだとその木々までの距離が表示されたり、目標までの距離が表示されたり、安定しません。
そこで、Elite1500にはBullseye(ブルズアイ)モードとBrush(ブラシ)モードが用意されています。
Bullseyeモードでは、レーザーがとらえた目標物の距離にばらつきがある場合、一番遠い目標までの距離が表示されます。
▲Bullseyeモードの画面。左下に標的のアイコンが表示される(姫路城の城壁までの距離を測定。361mと表示されている。)
Brushモードにすると、逆に最も近い目標までの距離が表示されます。
▲Brushモードの画面。右下に木のアイコンが表示される(城壁手前の樹木までの距離を測定。347mと表示されている。)
モードの切り替えは、接眼レンズ左側にあるModeボタンで行います。
電池残量が低下してくると、下の写真のように「Lob」(Low Batteryの略かな?)という文字と距離が交互に表示されます。
▲電池残量が低下した時の表示(実際は距離と「Lob」が交互に表示される。)
ちなみに、体験航海で海上自衛隊の護衛艦に乗せて頂いた際、体験航海終了後、艦艇を接岸させるときに甲板の隊員がこのような装置で岸壁までの距離を計っているのを見ました。補給艦が補給任務を行う時も、相手の船との距離をレーザー距離計で測定している様子をテレビの映像で見たことがあります。
軍隊では敵までの距離を測って武器の照準器を調整するのに使うほか、防御陣地を構築した際、各兵士が自分の担当する攻撃範囲の地図を作成する時に、目印となるモノへの距離を測る(大きな岩や電柱などの目印の距離を測り、敵がどこまで近づいたら射程に入るか、あらかじめ理解しておく)といった使い方もするようです。
また、砲撃/爆撃支援の要請時には、敵の位置を正確に伝える必要があることから、コンパスとレーザー距離計を組み合わせて敵の位置を正確に調べる場合もあります。
▲閲覧注意!実際の戦闘の映像です。アフガニスタンでパトロール中の米陸軍第25歩兵師団のチームに待ち伏せ攻撃を行ったタリバンに対し、米軍が迫撃砲で攻撃を加える動画です。この時、距離を測るのにこのElite1500が使われています(2分35秒辺りでElite1500で距離を測り、「200m、いや、220m」と射手に伝えている様子が写っています)。
それと同様に、山で何やら奇妙なものを見つけた場合、コンパスでその目標への方位を、レーザー距離計で距離を測れば、地図上にその目標の位置を正確にプロット出来、GPSを頼りにその場所へたどり着くことが比較的簡単になります。といっても、今までにそんなことをしたいと思ったことはほとんどありませんし、これを買ってからも、そんな状況になったことはありません。
では、何のためにこんなモノを買ったのかということですが、衝動買いなので理由はありません...
単に計ることが好きなんです、はい。IT関連の仕事をしているのに、測量士補の資格を取ってしまうほどなので。
単に計ることが好きなんです、はい。IT関連の仕事をしているのに、測量士補の資格を取ってしまうほどなので。
以前紹介した精密なレーザー測距計だと明るい屋外での測定が困難でしたが、ELITE 1500なら滝や岩場の高さが測れます(他の使い方が思いつかない)。
何かいい使い道はないものか。