播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

パノラマVR撮影機材(2012年春現在)

私は左右だけでなく上下も見渡せるGoogleストリートビューのようなパノラマVRを山頂などで撮影し、このブログでも公開しています。 
兵庫県宍粟市の千年藤で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2012年5月6日)

 その撮影用雲台として今までエントリーモデル的なNodal Ninja 3 Mk.2という製品を使っていました。


しかしNodal Ninja 3は小型軽量なため、将来カメラやレンズを買い換えて重くなった場合に支えられるかどうか不安がありますし、たくさんの写真をタイル状に並べて結合して作る超高解像度風景写真(文末にサンプルへのリンクがあります)の作成にも使える、ある程度大きめで汎用性のあるパノラマ雲台が欲しくなってしまいました。
というわけで、Nodal Ninja 3 Mk.2と同じメーカーが出している上位モデル「M1」を購入。

M1にはSとLの2種類のパッケージがありますが、Nodal Ninja社に私のカメラとレンズを伝えたところ、M1-Sで十分との回答だったので、Sの方を選択。

 
 
▲私のパノラマ撮影用セットアップ全体
 
 
▲Nodal Ninja M1-Sと周辺器材部のクロースアップ
 
パノラマ雲台と周辺機材一覧(括弧内の数字は上の写真内の数字と対応しています))
カメラとレンズ
(1)Nikon D90(2008年購入・価格は失念)
(2)AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G ¥69,420(2008年12月当時)
メーカー:株式会社ニコン(日本)
購入先:カメラの購入場所は失念、レンズはアライカメラの通販
 
カメラ用リモコン
(3)SMDVワイヤレスシャッターセットRFN-2400-RF-1608 ¥15,635(2012年4月当時)
メーカー:株式会社ケンコープロフェショナルイメージング(日本)
購入先:Amazon.co.jp
 
雲台
(4)Ultimate M1-S NO ROTATOR(雲台単体パッケージ)$460.00 USD(2011年12月当時)
(5)M1 Nadir Adapter $50.00(雲台とセット購入による割引適用価格)
(6)RD-8 Rotator $149.95 USD(2011年5月当時)
(7)Camera Plate U3 $49.95(2011年12月当時)
(8)EZ Leveler II(ケース付き) $109.95(2011年3月当時)
メーカー:Nodal Ninja(Fanotec International)(アメリカ)
購入先:Nodal Ninja eStore(アメリカ)
 
三脚
(9)BENRO フラット三脚シリーズ A2190T ¥25,200(2012年2月当時)
メーカー:BENRO(中国)
購入先:ヨドバシ梅田

M1-Sには専用のセミハードケースが付属していました。
 
▲M1-S用セミハードケース
 
M1-S収納時は、以下のように分割します。
 
 
▲アッパーレール 
 
 
▲垂直アームと上部ローテータ 
 
 
▲RD-8ローテータとクイックリリースクランプ 
 
 
▲ボトムレール とNadir Adapter
 
以上の4つのコンポーネントを収納すると、下の写真のようになります。
 
 
▲収納状態
 
優れているのは、RD-8ローテータやNadir Adapterも含めて収納できるところ。
しかし、EZ-Leveler IIまでは収納できないので、私の場合EZ-Leveler IIは三脚に付けたままにしています。
 
M1-Sの重量は(Nadir Adapter、RD-8含む)合計で約1.7kg。
これにカメラとレンズ、三脚などが加わるので、実際はかなり重いです。
 
カメラには、M1との連結用にプレートを取り付けておく必要があります。
このプレートには三脚穴が2つあいているため、このプレートを付けたまま普通に三脚を利用することが可能です。
 
M1に使われているネジもそうですが、プレートの固定用ネジも六角レンチが必要なタイプなので、私は部屋に転がっていた自転車用のツール(自転車もパーツの固定には六角ネジを使う)をパノラマ撮影機材と一緒に持ち歩いています。
 
 
 
 
▲カメラ側には、カメラプレートを取り付けておく(赤矢印で示してあるのは三脚用のねじ穴)
 
マニュアルが付属していなかったので、Nodal NinjaのWebサイトからPDFファイルをダウンロードしてRD-8の取り付けやその他簡単な組み立てを行いました。

何やら盛大にネジなどが余りましたが、気にしないようにしましょう。
 
組み上がったら、カメラの位置調整です。

Nodal Ninja 3 Mk.2には、底面撮影時に画像のちょうど真ん中にNodal Ninjaのロゴが写るため、それを利用してボトムレール側の位置調整が出来ましたが、M1ではそれが出来ません。
底面を1枚撮影してから180度回転させてもう1枚撮影し、そのたびにPCで撮影画像を重ね合わせてズレを確認し、調整しました。
 
アッパーレール側の位置調整は、従来通りです。適当なものをカメラの正面に2つ一直線に並べ、ファインダーを覗きながら(あるいはライブビューの液晶画面を見ながら)カメラを左右に振って2つのものがずれて見えないかを確認します。
 
アッパーレール側とボトムレール側の取り付け位置は、テプラでM1のレールに貼ったり、値を書いた紙をケースに入れておいたり、完璧に暗記する等、どうにかして記録しておく必要があります。あるいは、別売のストッパーを購入すれば楽かも知れません。
 
Nodal Ninja 3 Mk.2だと、標準添付のストッパーを付けておいて、それにぴったり接触するように各部を組み立てれば毎回同じ設定で組み上がりましたが、M1の場合ストッパーはオプションパーツになっています(Arca Style Stop Plate 2ea $10.00)。
 
アルカスイス(Arca Swiss)という高級雲台メーカーの製品に使われているレールと互換性のある設計になっているため、組み立てや調整時の各部の動きがスムーズで、部品の工作精度の高さも実感でき、高価になってしまうのもうなずけます。
高価とはいうものの、他社製品に比べると安いですが。
 
マンフロットやReally Right Stuff社のパノラマ機材も良さそうですが、価格面でNodal Ninja製品には勝てません。
 
私が撮影したパノラマVRはブログや360Cities(http://www.360cities.net/search/@author-dfm92431)で公開していますが、その中で2012年1月8日以降に私が公開しているパノラマは、すべてM1-Sで撮影しています(それまでのはNodal Ninja 3 Mk.2)。
 
 
今回紹介したのは、パノラマVR撮影用のハードウェアのみです。
 
実際のパノラマ作成には、撮影した画像を結合するための専用ソフトや、細かい部分の修正に使う画像編集ソフト、処理速度の速いパソコン、そしてパノラマ撮影/作成のノウハウが必要です。

ちょっと敷居の高い趣味かも知れませんが、興味のある方は是非挑戦してみてください。