播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

北条鉄道の木造駅舎見物(長駅、播磨下里駅、法華口駅)

姫路にある兵庫県立歴史博物館の「ひょうごの鉄道」展で興味を引かれた木造駅舎。
本物を見に行こうと思い、我が家からそう遠くない北条鉄道の3つの駅舎を見物に行くことにしました。
 
当初は自転車で行く予定でしたが、雨のためやむなく車で行くことに。
 
10:20
姫路市街の自宅を出発。
 
10:55
カーナビに北条鉄道の長駅(おさえき)を登録して出発しましたが、ローカル線の駅は非常にわかりにくい場所にあり、ナビを見ながら行ったのに道に迷い、何とか長駅に到着。

車で行かれる場合は、十分に下調べをしてから行ってください。私のように「ナビがあるから大丈夫」という感覚では苦労するかもしれません。
 

https://goo.gl/maps/UrFEyVWopkA5XZJw7
▲長駅の場所
 
 
▲長駅
 
駅の前に未舗装の空き地があり、そこに車を止めることができます。

駅舎の前には飲み物の自販機と公衆電話、駅舎の右には駐輪場とトイレ(非常に古いもの)があります。
早速トイレを使わせてもらいましたが、小便用のトイレは便器がなく、足下の溝に向かってするタイプ。
 
駅舎内に入ってみると、古い映画に出てきそうな趣のある発券窓口が残っていました。
開設されてから窓口の窓枠やガラスを交換した様子もなく、鉄道での旅が好きなお年寄りには喜ばれそうな雰囲気です。
 
 
▲長駅内の窓口跡とベンチ
 
写真を撮っていると、ホームにいた男性に話しかけられました。
聞くと、日曜にこの駅舎内で鍼灸院をしているという方で、土曜は外国人が英会話教室を、他に韓国語教室もこの駅舎内で開かれるとのこと。
帰宅後に調べると、この方は長駅のボランティア駅長さんだそうです。

地元に密着し、地元の方々に大切にされている駅のようです。
 
 
▲駅事務所跡内の様子(発券窓口に残る引き出しは開設当時のもの)ここで英会話教室などが開かれるそうです。
 
パノラマ撮影機材を持ってきていたので、駅舎内とホームの様子が写るように場所を決めてパノラマ撮影を行いました。
ボランティア駅長によると、「写真撮影にくる観光客は何人もいますが、こんな人は初めて」とのことでした。
 
長駅で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年8月21日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/hojotetsudo20110821-1/virtualtour.html
 
パノラマ撮影が終わると、今度はボランティア駅長が私の撮影機材を撮影。
 
11:30
駅の雰囲気を十分に味わい、長駅を後にしました。
 
続いて播磨下里(はりましもさと)駅へ向かいます。

これもカーナビを頼りに進みましたが、駅に行けると思って入ったところは民家の庭。県道43号線の王子バス停から駅に向かって曲がれば良いと思っていたのが間違いでした。庭で剪定作業をしていた男性に駅への道を尋ね、お礼と謝罪をして駅へ向かいます。
 
播磨下里駅北西、県道43号線にある踏切のすぐ北から南東へ入る道が、駅への道路でした。
 
11:40
播磨下里駅に到着。
長駅と同様、コカコーラの自販機と公衆電話があり、さらに郵便ポストもあります。
 


https://goo.gl/maps/L46fqB7HcN6DqEjE7
▲播磨下里駅の場所

 
播磨下里駅は、駅舎と駐輪場の間の砂利道を進むと、奥に車数台を止められる空き地があります。
ここのトイレも、長駅と同じタイプで、かぐわしい香りが漂っています。
 
 
▲播磨下里駅
 
長駅と違い、窓口は木の板で封鎖されていて事務室内の様子をうかがうこともできません。
 
 
▲播磨下里駅舎内
 
なんとも味気ないですが、駅舎の隅に本棚があり、たくさんの本が入っていました。
本数の少ない列車を待つ人のために、地元の方が置いたのでしょう。無人駅ですが、こういう心遣いが良いですね。
 
 
播磨下里駅で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年8月21日)
 
 
11:55
播磨下里駅を出発。
 
カーナビを頼りに、法華口(ほっけぐち)駅を目指します。
 
12:04
法華口駅に到着。ここは迷うことなく簡単にたどり着けました。

他の北条鉄道の駅と同様、コカコーラの自販機と公衆電話がありました。トイレは駅舎のすぐ隣にあり、今日訪れた他の2駅と比べても強いにおいが漂っていました。利用者が多いのかもしれません。
 

https://goo.gl/maps/otktcr8qEvWQKZoDA
▲法華口駅の場所

 
 
▲法華口駅
 
駅舎内は、以前は駐輪場代わりに使われていたようですが、今は新しい駐輪場が駅の前に作られているため、駅舎内は広々としています。
 
 
▲法華口駅舎内の様子
 
ここも窓口は封鎖されていて、昔の駅の雰囲気は駅舎内にはあまり残っていません。
 
 
▲窓口跡の様子
 
がらんとした駅舎内ですが、ここでもローカル路線らしい気遣いがありました。誰が使っても良いという置き傘です。

街中でこんなことをしたら、あっという間に傘がすべてなくなるか、壊されて散乱しているかのどちらかでしょう。
 
 
法華口駅で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年8月21日)
 
 
12:20
法華口駅を後にし、家路につきました。
 
内部は変わってしまっていますが、外観は北条鉄道の営業が始まった当時の雰囲気を今に伝える貴重な木造駅舎たち。
安易に取り壊して建て直したりせず、改築程度で今後も使い続けてほしいものです。