播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

2011年モデルのJetboil:Sol Ti Premium Cooking System

山の上でラーメンやフリーズドライ食品、インスタントコーヒー等のために使っているJetboil Flash(ジェットボイル・フラッシュ)。
これの小型・軽量版であるJetboil Sol(ジェットボイル・ソル)が出たことは知っていたのですが、特に食指は動かされませんでした。
 
ところが、Jetboil Solには低温下でもガスを安定して出力できるレギュレータがついているという話ではありませんか!
 
時々山歩きのお供をさせて頂くOAPさんもレギュレータ付のガスストーブを便利そうにお使いです。
それを思い出すと居ても立っても居られなくなり、Jetboil Solを購入してしまいました。
 
Jetboil Solには、アルミ版とチタン版があるのですが、数十ドルの差ならチタンの方が軽くていいやということで、Jetboil Sol Ti(チタン)を購入。

1つ前のモデルであるJetboil Flashを買ってから2年も経ってないのに・・・。

 
 
▲Jetboil Sol Ti(組み立てた状態。ガスカートリッジは製品に付属しません。)
 
 
▲Jetboil Sol Tiのパッケージ(左が正面、右は背面)
 
製品名:Sol Ti Premium Cooking System
重量:240g(五徳、スタビライザー、計量カップを除く)カタログ値
クッカー容量:0.8リットル(カタログ値)
サイズ:104 mm x 165 mm (カタログ値)
メーカー:JETBOIL,INC.(アメリカ)
US価格:$ 149.95 USD
国内価格:¥19,000(モンベルでの価格)
 
パッと見た印象は従来モデルと変わりませんが、高さはカタログ値で15mm、Solの方が低くなっています。
見た目では分からないものの、大きく変わったのは重量。

我が家のJetboil Flashの重量は、ガスカートリッジを除く一式(クッカー、フタ、カップ、五徳、バーナー、スタビライザー)の重さが471g、対するSol Tiは343g(台所用のデジタルはかりで計測)。
128gも軽くなっています。
 
見た目で大きく変わっているのは、バーナー周辺。
Sol Tiは、豪快にバーナー周囲が肉抜きされています。
 
 
▲左はJetboil Flashのバーナー、右がSol Tiのバーナー
 
燃焼部分はFlashもSolも同じに見えますが、裏を見るとかなり異なっています。
目立っているのは、下の写真でSolのバーナーから左へ延びている突起。
 
 
▲左はJetboil Flashのバーナー、右がSol Tiのバーナー
 
この突起には、サーモレギュレータ(Thermo-Regulate Technology)のマークがプリントされているので、ここがレギュレータなのでしょう。
 
 
▲サーモレギュレータ(暖かい所でも寒いところでも安定しているという意味で、太陽と雪の結晶がイラストに使われているのでしょう)
 
クッカーのフタにも違いがあり、Solのフタには湯切り用の穴が開いています。
私はジェットボイルでスパゲティを作ることがあるので、これは便利。今までは、箸でスパゲティを押さえながら注意深くゆで汁を捨てて(ナルゲンボトルで回収)いました。
 
 
▲左はJetboil Flashのフタ、右がSol Tiのフタ
 
細かいところでは、(普段は使いませんが)五徳もマイナーチェンジされています。

一見すると旧モデルと同じに見えるのですが、開閉方向が逆になり、ストーブ部分と連結してロックできる構造になっているのです。
従来モデルでは、五徳はストーブ部分に置くだけでした。
 
五徳の開閉部分の底面側はL字型に曲がっており、ストーブ部分の縁にある丸い突起(切り欠きの横)に引っかけるように出来ています。
 
 
▲五徳の裏面とストーブ部分
 
 
▲五徳の表面を見ても、ロックできる構造であることが分かる
 
クッカーは、Sol Tiの材質がチタンになり容量が減っている点以外に、便利な改良点があります。
それは、目盛り。
 
Jetboil Flashでは、「これ以上水を入れるな」という位置に目盛りが1本入っていただけですが、Sol Tiでは200ml、300ml、400ml、500mlの位置に目盛りがあり、300mlと500mlの位置には数字も刻まれています。

オンスの目盛りは、8、12、16オンスの位置にあり、数字は8と16が刻まれています。海外製のインスタント食品の調理時には、オンスの目盛りが便利。
 
 
▲クッカー内の目盛り
 
では、Jetboil FlashとSol Tiのサイズを比較してみましょう。
 
 
▲収納状態での比較(左はJetboil Flash、右がSol Ti)
 
 
▲組み立てた状態の比較(左はJetboil Flash、右がSol Ti) 
 
若干コンパクトになり、軽量化されたのはありがたいですが、当然欠点もあります。

それは、クッカー周囲に巻かれている断熱用のネオプレン生地(コージー(cozy))と、それに縫い付けられている取っ手が貧弱になっていること。

 
▲コージーと取っ手はペラペラ(コージーには収納方法がプリントされている)
 
取っ手は、コーヒーカップの取っ手のように、それ自体でクッカー全体の重量を支えるための物ではなく、本体を手でつかんだ時に四指を通すための単なるループになっているようです。

クッカーをコージー越しに掴んで扱うことになるのに、コージーが薄くなっているので、クッカーの熱さを感じやすい。
 
軽量化のために肉抜きをしたため風通しが良くなり、ただでさえ風に弱かったジェットボイルがさらに風に弱くなり、耐久性も落ちたような印象です。

しかし、耐風性能は風防を使うか風の強そうな場所では使わない等の運用でカバーできますし、貧弱になったストーブ部分はクッカー内に収納して運搬するので、実用上問題はないのかも知れません。
 
Jetboil Flashと比較して目立つ機能の差として、沸騰を示すインディケーターが無くなっている点も挙げられます。
Jetboil Flashでは、コージーに沸騰インディケーターがあり、それを見ることで中のお湯の温度がどうなっているか知ることが出来ました。しかし、Jetboil Sol Tiにはそれが付いていません。

Solになって廃止されたわけではありません。実際、アルミ版のSolのコージーには付いています。
Sol Tiにだけ付いていないということは、熱伝導性の低いチタンのクッカーでは、うまく色が変わらないのかな。
 
まだレギュレータの威力は実感できていませんが、従来モデルとほぼ同じ性能で大幅に軽量化されているのはありがたい。
 
ところで、アルミのJetboil Solとは60gの差しかありません。
この60gのためにSol TiはSolより値段が30ドル高く、沸騰インディケーターが無く、スプーンなどを差し込んでおくためのポケットがコージーに無く、調理の幅が狭まる(熱伝導性が低いため、焦げ付きやすい)のが許せるかどうかは各人によって違うでしょう。
 
そもそも、Jetboil Flashを持っている人が買い換えるだけのメリットがあるかどうか、よく考えた方が良いかも知れません。