播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県赤穂市の旧坂越浦会所と茶臼山

神戸新聞に「涼を求めて」という連載があり、それを見て興味が湧いた「旧坂越浦会所」に行ってみることにしました。

せっかくなので自転車も持って行き、坂越の町の中をブラブラしてみることにします。
 
山歩きをする予定ではなかったのですが、茶臼山に登ったので、山歩きカテゴリーに入れています。
コースタイムは自転車によるものですので、ご注意下さい。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「相生」
 

https://goo.gl/maps/nrfKG4hKZwqU9pGs5
▲旧坂越浦会所の地図
 
10:07
播州赤穂行きの普通電車に乗り、坂越駅へ向かいます。運賃は¥480。
 
10:35
定刻に坂越駅へ到着。
駅前で輪行バッグから折りたたみ自転車を取り出し、組み立てます。
 
▲坂越は小さな駅だが、有人。ICOCAも使える。
 
10:46
トイレに行ったり、GPSが測位を終えるのを待ったりして準備を整え、出発。
県道227号線を東へ進み、坂越橋で千種川を渡ります。
 
10:52
橋を渡りきったところで、左前に「←坂越のまち並み」という案内表示に出会ったので、それに従って地下道へ入ってみます。

地下道ですが、階段ではなく緩やかなスロープになっているので、自転車でも問題ありません。
 
 
▲地下道への入口
 
この地下道は、国道250号線の下を通って高谷地区へ繋がっています。
地下道の壁面には、坂越小学校による海のイラストが鮮やかに描かれていて、地下道独特の暗い雰囲気はありません。
 
地下道を抜けると案内表示は無く、北東へ向かって適当に自転車を進めます。
坂越小学校、坂越幼稚園の前を通り過ぎ、点滅信号のある交差点(歩行者用信号は押しボタン式)に出会いました。
 
ここを右に曲がると坂越港へ辿り着くはずですが、港方面を見ると幅の広い立派な道路が通っています。
風情が無いので、さらに北東へ進み、突き当たりを右へ曲がることにしました。
 
期待通り、突き当たりには古い民家(無住?)があり、右へ曲がると緩やかに左へカーブした細い道になっています。
 
11:01
生活感のある通りを走っていると、間もなく先ほど見た港への道路と合流しました。
ここには木戸門跡広場と書かれた休憩施設があります(地図中「木戸門跡広場」)。公衆トイレもあります。
 
 
 
▲木戸門跡広場
 
ここからは東へ向かって緩やかな上り坂です。
道沿いには風情のある家並みが残っているので、それらを見ながらのんびり坂を登ります。
 
坂の頂点近くには消防団の詰所がありますが、無粋な建物ではなく、周囲の家並みに調和するようなデザインになっていました。
 
坂を登り切ると、今度は下り坂です。
短時間で通り過ぎるのは勿体ないので、ブレーキを掛けながらゆっくり進みました。
 
 
 
▲雰囲気の良い街並み
 
坂越まち並み館なる建物の前には案内図があるので、ゆっくり散策したい場合はこれを参考にすると良いかも知れません。
 
坂越港交差点の直前には、おそらく数百年前から変わっていないであろう外観を持つ酒屋があります。
 
 
 
▲奥藤酒造
 
道路の突き当たりが坂越港交差点。
ここを左に曲がってすぐの場所に、目的の旧坂越浦会所があります(地図中「旧坂越浦会所」)。
 
 
 
▲旧坂越浦会所
 
11:15
自転車を建物の近くに駐め、中へ入ってみます。
入館は無料。
 
Wikipediaによると、竣工は1831年(天保2年)だそうです。
中に入ると、とにかく涼しい。

窓や戸が開け放たれているので、エアコンがかかっているわけではありません。
風の通り道を計算した昔の人達の知恵の成果でしょうか。
 
 
旧坂越浦会所の1階で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年7月24日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/sakoshi20110724-1/virtualtour.html
 
1階はよくある旧家の作りですが、2階が面白い。

「御成之間」と呼ばれる部屋は、壁面が赤みがかった色になっています。
その隣には、休憩のための小部屋「落之間」があり、狭いところが大好きな私のような人間にとっては居心地の良い空間。
 
 
 
▲御成之間から落之間へ続く入口
 
 
 
▲落之間の様子
 
建物の中をウロウロしていると、管理人さんが冷たい麦茶を出して下さいました。
ペットボトルのジュースを鞄に入れていましたが冷たい麦茶はありがたい。
 
エアコンではなく自然の風による涼しさは快適で、いつまでもここに居たくなりますが、管理人さんと話をしていた時に出てきた大避神社や茶臼山からの展望に興味が湧いたため、それらを見に行くことにします。
 
11:53
旧坂越浦会所を出発。
 
会所の前の道を北東へ進むとすぐに大避神社への分岐に出会うので、そこへ入ります。
両側が民家の道ですが、鳥居が立っていて神社への参道だと分かります。
 
 
 
▲大避神社の鳥居
 
旧坂越浦会所の管理人さんに聞いた大避神社の特徴は、4体の像が入った仁王門があり、立派な絵馬もあるということ。

仁王門はお寺にあるというイメージでしたが、石段の先には確かに仁王門があります。
しかも、門の裏表両方に木像が入っています。
 
 
 
▲大避神社の仁王門(厚みがある)
 
 
 
▲仁王門の中を通るときに左右を見るとこんな風に見える(左が神社側、右が海側)
 
 
 
▲大避神社の拝殿
 
 
 
▲拝殿の左右に絵馬が飾られている
 
12:11
一通り大避神社を見たら、自転車を神社に置いたまま今度は茶臼山山頂を目指します。

大避神社の石段の下から南西に向かって車道が延びているので、それを登ります。この道は、地形図に描かれている実線道。
 
登り始めてすぐ、船岡公園に出会いました(地図中「船岡公園」。公衆トイレ有り。)。ここは坂越浦城があった場所だそうです。
 
公園の前を通り過ぎ、地形図の実線道を上っていきます。暑いですが斜度が緩やかで木陰が多く、快適。
今日は山歩きをする服装ではないので、ところどころで車道から分岐する登山道へは入らず、遠回りでも車道を歩きました。
 
お腹が空いてきたので、歩きながらカロリーメイトを食べてこれを昼食にします。
 
 
▲実線道の様子
 
12:23
妙見寺・観音堂への道標のある分岐に出会いました。
地形図にある児島高徳墓とやらも気になるので、どんなものか見に行くことにします。
 
 
▲実線道から見た観音堂
 
観音堂の裏を通って少し下ると、地形図にも記載されている児島高徳の墓所がありました(地形図「児島高徳墓」)。
 
 
▲児島高徳の墓
 
再び実線道へ戻り、茶臼山山頂を目指します。
一直線に山頂を目指せばあっという間でしょうが、遠回りでも虫や蜘蛛の巣がない車道は快適。
 
12:40
妙見寺の奥の院に出会いました(地図中「奥の院」)。
写真だけ撮って山頂へ。
 
12:51
NHKの中継所がある茶臼山山頂に到着しました(地図中「茶臼山」)。
 
 
▲NHK赤穂坂越テレビ中継放送所
 
山頂は、旗を掲揚するためのポールが立ったちょっとした広場になっています。
 
 
▲茶臼山山頂から南側の展望(マウスポインタを合わせたとき右下に表示される虫眼鏡のアイコンをクリックすると拡大表示されます)
 
 
茶臼山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年7月24日)
 
 
13:07
しばらく展望を楽しみ、実線道を引き返して下山。
 
13:29
大避神社前まで下りてきました。

ジェットスキーを楽しんでいる人がいたので、それを見に自転車に乗って海岸へ向かってみます。
冒頭の地図ではGPSの軌跡が海の上を通っていますが、今は埋め立て地になっているので、GPSの誤作動ではありません。
 
この埋め立て地からの眺めもなかなかのもの。
 
 
▲海岸の様子
 
坂越の海岸で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年7月24日)
 
 
13:40
自転車で海岸沿いを走ってみることにします。
 
13:43
坂越トンネルまで来ましたが、これ以上進んでも引き返すのが大変そう。
というわけで、太い車道から1本北へ入った細い道を通って坂越港交差点近くまで戻りました。
 
ちなみに、この道沿い(西側)の家には石積みがあります。
昔はここまでが海岸線になっていて、石積みは波を防ぐためのものだったとのこと。
また、この道沿いには西の地蔵堂(地図中「西の地蔵堂」)や天満宮跡(地図中「天満宮跡」)があります。
 
坂越港交差点の手前で路地に入ってみました。
 
 
▲路地の様子
 
13:54
木戸門跡広場まで戻ってきました。
ふと見ると、左城下道、右大阪道と書かれた古い道標があります。
 
城下道の方へ入ってみることに。
しかし、この道は坂越小学校の裏を通っているだけで、古い家並みなどはありません。
 
この後は坂越橋を越えて坂越駅へ戻り、14:10発の普通電車で姫路駅へ。
 
14:41
姫路駅に到着。