播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

兵庫県宍粟市の長水山

13日(土)と14日(日)に出勤したので、その振替休日を本日取り、宍粟市山崎町にある長水山を歩いてきました。
 
地形図で見る限り、長水山から南東に延びる尾根はなだらかで、マウンテンバイクで遊ぶにはぴったりだと思っていたのですが、やまあそさんによると「丸太階段だらけで楽しめない」とのこと。
 
私は2006年に一度この尾根を歩いているのですが、林道法師ヶ谷線の終点から稜線までと、伐採地の前後に丸太階段があったことは記憶にあるものの、それ以外の場所で階段があったという記憶がありません。
 
というわけで、やまあそさんの忠告を無視し、自分の(あやふやな)記憶を信じて長水山にマウンテンバイクを担いで上がったわけですが、後悔することになりました。
偉大な先達の助言を無視した天罰ですね。
 
ルートは、道の駅やまさきからマウンテンバイクで五十波へ向かい、地形図の破線道で長水山山頂へ。
その後、南東へ延びるなだらかな尾根をマウンテンバイクで楽しみ、412.7m三角点と224.2m三角点を通過して尾根の南東端にある池の畔へ下山。そのままマウンテンバイクで道の駅やまさきへ帰るというものです。
 
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「山崎」
 
9:30
姫路市街の自宅を車で出発。
国道29号線を北上します。
 
10:30
道の駅やまさきに到着。
道の駅の裏側にある駐車場に車を止め、マウンテンバイクを組み立てます。
 
10:40
道の駅をマウンテンバイクで出発。国道29号線を北上し、梯野外活動センターの看板を目印に左折(10:51)。
山崎町五十波の集落へ入ります。

緩やかな上り坂を進んでいくと、左手側に「長水山登山口」と書かれた木製の道標と石碑があるので、その角を左折(10:55)。
 
 
▲長水山登山口への道標のある丁字路
 
すると、正面に山の中へ延びていく林道が見えます。この道は、普通林道新谷線です。
 
長水山の山頂には民家があり、今でも人が住んでいます。
どうやって生活に必要な物資を手に入れているのか疑問なのですが、私が自転車を押しながら林道を登っていると、後ろから宅配便のトラックが来ました。
ひょっとして山頂まで荷物を配達するのか?と思ったのですが、残念ながらトラックは地形図に記載のある工場へ荷物を届けに来ただけでした。
 
林道はほとんどの区間がアスファルト舗装で、一部だけ簡易舗装の場所があります。
総じてなだらかで、自転車に乗ったまま登れそうですが、トレーニングではなく単なる趣味で山へ来ているだけなので、楽な方法を選択、つまり自転車を押して登りました。
 
 
▲普通林道新谷線の様子
 
道の左側に簡素な車庫が現れると、まもなく林道の終点です。
 
11:25
林道新谷線の終点(地図中「林道終点」)に到着。ここは若干道が広くなっており、車を何台か止めておけそうです。
 


▲林道終点の様子(長水山登山口の道標がある)
 
ここからは登山道です。
最初の内こそ、ガレていて歩きにくかったのですが、「まいるみち」と彫られた石の道標に出会ってからは、つづら折れの歩きやすい道になります。
 
マウンテンバイクは、押すか担ぐしかありません。
 
 
▲登山道の様子
 
11:36
石仏のある小さな祠に出会いました(地図中「石仏」)。
 
11:55
ベンチのあるつづら折れの頂点でふと視線を上げると、「山頂に建立しある法塔石は此処に有りしもの也」と彫られた石碑がありました(地図中(「法塔石は此処に有りしもの也」の標石」)。
 
▲「山頂に建立しある法塔石は此処に有りしもの也」と彫られた石碑
 
12:01
つづら折れの道を延々と上ってきましたが、まだ山頂に着きません。マウンテンバイクを押したり担いだりしながら歩いているので、汗だく。肩も腕も痛い。
そろそろ飽きてきた頃に、何やら見えてきました。仮設トイレです(地図中「仮設トイレ」)。
 
上から人の声も聞こえてきました。ようやく山頂のようです。
 
12:05
山頂直下で、廃屋に出会いました。その前には、クローラー運搬車がうち捨てられています。
民家が建っているのは、長水城があった頃は郭があったため平坦になっている場所です。
 
 
 
▲山頂直下の廃屋
 
12:07
廃屋の前で上を見上げると、綺麗に紅葉した木々と生活感のある民家が見えました。
 
▲廃屋前から民家(右側)と紅葉した木々を見る
 
12:10
お墓のある広場に到着。
 
 
▲民家の前を通過し、最初に出会う広場

昨日までの黄砂が嘘のように消え去り、家島群島がくっきり見えるだけでなく、その向こうに淡路島のシルエットも見えます。
 
 
▲お墓のある広場から南方面の展望(画像にマウスポインタを合わせると右下に表示される虫眼鏡アイコンをクリックすると、拡大表示されます)
 
この広場には、宍粟50名山の標柱が立っていません。標柱がある場所を山頂とするなら、ここはまだ山頂ではないと言うことになります。確かに、このすぐ北側に一段高い場所(長水城の石垣)があるので、そちらが山頂なのでしょう。
 
仮設トイレの前で聞こえてきた声の主達は、南にあるちょっとした台地の上(長水城があった頃は南郭だった場所)で昼食中のようです。
このグループとは下山ルートが完全に同じで、何度か出会うことになります。
 
自転車を木に立てかけ、荷物を置き、空身で石垣の上へ続く鉄階段を上ります。
そこには信徳寺というお寺(地形図にある寺院の記号)があり、その前に宍粟50名山の標柱が立っていました。
ここは、長水城があったころは主郭があった場所です。
 
お寺の裏に、さらに一段高い所があり、そこには迫力ある不動明王像が祀ってあります。
その右後ろに、三等三角点標石(点名:蔦沢2)が設置されています。
 
 
▲三等三角点標石(点名:蔦沢2)のある場所
 
この三角点標石のある場所に立つと、北にある水剣山のどっしりした山容を楽しむことが出来ます。
 
お墓のある広場に戻り、きらきらと輝く播磨灘や明神山を見ながら昼食を摂ることにします。
本日のメニューは、マジックパスタのペペロンチーノ。150mlのお湯を入れて3分待ち、その後粉末の調味料を入れてかき混ぜれば完成というお手軽なパスタ。ニンニクの風味が良い。
その後は、マウンテンハウス社製のフリーズドライのアイスクリームをデザートとして食べました。
 
13:05
食事と景色を存分に楽しんだら、南東尾根へ向けて出発。
来た道を少し戻り、民家の前にある丸太橋から始まる分岐を進んでいけば、南東尾根上の遊歩道へ行けます。
 
 
▲民家の前から南東尾根へ延びる道
 
13:07
宇野への分岐を通過(地図中「宇野分岐」)。

予想通りのなだらかな道で、私でも気持ち良く走れます・・・と思ったら、すぐにそんな気持ちの良い道は終了。
丸太階段がこれでもかというくらい設置されています。

少しでも斜度があれば階段を設置しているらしく、なだらかな斜面では間隔が広くはなりますが、丸太がしっかり埋め込まれています。(落ち葉で隠れている丸太階段もある。)
 
 
▲とにかく丸太階段だらけ
 
 
▲こんな極楽区間もあるにはありますが、最長でも50mほど
 
最初の内は、なだらかな丸太階段は乗ったまま下っていましたが、腕と膝にドスンドスンと衝撃がリズミカルに来るし、時々段差が大きなところがあったりして急停車することもあり、面倒になったので、丸太階段のある区間は全て押して歩くことにしました。
 
13:28
下町方面への分岐を通過(地図中「下町分岐」)。
 
13:29
下町・林道終点方面への分岐を通過(地図中「下町・林道終点分岐」)。
 
13:32
双眼鏡のある展望台に到着。山頂にいたグループがいました。先に行くか尋ねられましたが、休憩したかったので、彼らに先行してもらいました。
 
ここには無料で覗ける双眼鏡が設置されています。倍率は30倍。
誰もいなくなった展望台で景色を満喫。今日は明石海峡大橋まで綺麗に見えました。
この双眼鏡の性能に惚れ惚れして感心しているうちに、自転車に乗れないストレスを少しは忘れることができました。
 
 
▲展望台
 
展望台からは、少し急な丸太階段の道。重力に任せれば良いので、自転車を押していても下るのは楽です。
 
13:44
林道終点への分岐と遭遇(地図中「林道終点分岐」)。

林道への道は、なだらかそうです。こちらへ進めば自転車に乗ったまま生谷まで下れるかも知れません。
往路、林道を登るときは「楽だから自転車を押していこう」という方針でしたが、昼食を食べて元気がありますし、夏に山歩きをサボったためにお腹がポッコリ出ています。
そんなわけで方針転換。ダイエットと体力造りをかねて、ハードなルートを選ぶことにします。
 
412.7m三角点への登りの丸太階段は、1段に丸太を2本使っています。自転車を押して歩くのは無理。担ぐしかありません。
 
 
▲412.7m三角点への登りは(自転車を担いでいれば)ハード
 
13:51
途中で何度も休憩しながら、ようやく小ピークに到着。
林の中にぽつんと四等三角点(点名:五十渡)が埋まっていました。
 
 
▲四等三角点(点名:五十渡)周辺の様子
 
ここから南への下りは、急な丸太階段です。
うっかりすると、自分が押している自転車の後輪が自分の背中に当たり、ぐいっと前へ押されるという危ない目に遭ってしまいます。
 
412.7m三角点と224.2m三角点のちょうど中間付近には松の木がたくさんあり、登山道沿いに白いロープが張られていました。
 
ところどころで出会う平坦な道は、どこも数十メートルの距離しかありませんが、マウンテンバイクに乗って楽しむことが出来ました。
 
タイヤが巻き上げた小石がフレームに当たる音、身体のすぐ脇を通り過ぎていく木々や草。街中を走っているだけでは味わえない感覚が楽しい。思わず「イエーイ」と叫んでました。やまあそさんがマウンテンバイクで走るときは奇声を発するそうですが、その気分がよく分かりました。
 
以前は、落ち葉の上を走るとタイヤを空回りさせ、石を踏むとすぐにバランスを崩していましたが、今日はタイヤの空回りも転倒も無し。
 
14:19
林道分岐を通過(地図中「林道分岐」)。
 
14:23
224.2mの三角点ピーク(四等三角点(点名:下三津))に到着。ここは南向きに開けており、「展望岩」と名付けられた岩とベンチがあります。
ここで景色を眺めながらしばらく休憩。
 
 
▲四等三角点(点名:下三津)のある広場と展望岩
 
14:28
あずまやの屋根が見えてきました(地図中「あずまや」)。
そして、その中では今日何度か出会っているグループが休憩中でした。
今回は、私の方が先に行くことに。
 
 
▲あずまや
 
あずまやから先の道は荒れており、草がぼうぼうに茂っているところや、少し崩れているところもあります。
 
14:36
尾根の西側にある池の畔に下山しました。
 
14:50
道の駅やまさきに戻ってきました。
 
フル装備で13kgある私のマウンテンバイクは、ほとんどの区間で単なる「重り」となり、歩行速度が遅くなるし、マウンテンバイクを担いだせいで肩は痛いし、押していた時間が長いので腕も筋肉痛。頻繁に乗り降りを繰り返しましたが、脚が短い私の身体にはそれが負担になったようで、股間や右太ももに違和感。
 
ヘロヘロになりましたが、マウンテンバイクで山の中を走る気持ちよさが大いに分かったことだけは収穫でした。