警告!
今回紹介するルートは、距離が少し長く(往復で約10km)、高低差もあり(累積標高差が1000m以上)、ほとんどの区間で明確な道がありません(短距離ですが藪こぎもある)。
GPSとコンパス、地形図を使わないと、道迷いの心配やルートの誤りによる時間超過の恐れがあります。
初心者の方やナビゲーション装備が貧弱な方だけで歩くことは絶対におやめ下さい。
今回紹介するルートは、距離が少し長く(往復で約10km)、高低差もあり(累積標高差が1000m以上)、ほとんどの区間で明確な道がありません(短距離ですが藪こぎもある)。
GPSとコンパス、地形図を使わないと、道迷いの心配やルートの誤りによる時間超過の恐れがあります。
初心者の方やナビゲーション装備が貧弱な方だけで歩くことは絶対におやめ下さい。
3連休最終日の今日は、わーさんのお誘いで兵庫県朝来市の粟鹿山へ行ってきました。
わーさんによると「たじまハイキング」に紹介されているルートとのことでしたが、私はその本を持っていませんし、ネットで探してみても詳細がよく分かりません。
登山口になりそうな場所が入るように粟鹿山周辺の地形図を印刷し、出かけてきました。
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「音水湖」
8:00
道の駅「あさご」でわーさんと待ち合わせ。
道の駅「あさご」でわーさんと待ち合わせ。
私の場合、姫路市街の自宅から国道312号線をひたすら北上するだけです。自宅から道の駅までにかかった時間は、1時間20分でした。
道の駅あさごを出発し、国道312号線を北上します。2つ目の信号(「伊由市場」)交差点を右折して県道526号線に入ります。
川上集落内に「青倉神社」への大きな看板が出ているので、それに従って右折。「本当にこの道で合っているのか?」と思うような簡易舗装の細い車道を進んでいくと、やがてアスファルト舗装の1.5車線幅の道路になります。
県道526号線から約3km、曲がりくねった急な上り坂を登ると、青倉神社に出会います。
道路は神社の前を通り過ぎてさらに高いところへ延びているので、神社の前を素通りしてさらに進みます。
神社からさらに標高を上げ、峠を越えて下っていくと、神社から約2kmの地点で黒川ダム湖の周遊路に出会います。この突き当たりを左折し、曲がりくねった1.5車線幅の道路を4km走ると、左手に今回の登山口となるあずまやが見えてきます。
県道526号線から標高650m以上の峠を越えてダム湖へ向かうので、非力な車ではかなり大変です。かといって、大型の車では、細い道路を走っているときに対向車と出会うと大変です。
国道312号線を走っているときに見上げた青倉山の稜線には雲がかかっていましたが、やはり稜線付近では雨が降っていました。
8:35
車を2台ほど止められるあずまや(地形図「P」)に到着。雨が弱まるのをしばらく待ちます。
ところで、このあずまやの裏に登山口があるのですが、古い地形図では1本西の谷に破線道が引かれています。間違えないようにして下さい。
車を2台ほど止められるあずまや(地形図「P」)に到着。雨が弱まるのをしばらく待ちます。
ところで、このあずまやの裏に登山口があるのですが、古い地形図では1本西の谷に破線道が引かれています。間違えないようにして下さい。
▲あずまや(地図中「P」)の様子
このあずまやには、山崩れのため与布土奥山林道が利用できないとの看板が立っていました。
林道ではなく登山道を歩くので、気にしないことにします。
林道ではなく登山道を歩くので、気にしないことにします。
8:50
だいぶ雨が弱まってきたので、出発。
あずまやの裏にある擬木の階段を上ると、すぐに2体の石仏と出会いました(地図中「石仏」)。ここで右に曲がって石仏のある尾根を南東へ進みます。
だいぶ雨が弱まってきたので、出発。
あずまやの裏にある擬木の階段を上ると、すぐに2体の石仏と出会いました(地図中「石仏」)。ここで右に曲がって石仏のある尾根を南東へ進みます。
植林の尾根を歩きます。本来なら木々越しに景色が見えるのかも知れませんが、天候が悪いためガスがかかり、展望はまったくありません。
9:00
道は丸太階段で周遊路に下りてしまいました。登山道のあった尾根が林道工事によって寸断されたようです(地図中「登山道寸断」)。
道は丸太階段で周遊路に下りてしまいました。登山道のあった尾根が林道工事によって寸断されたようです(地図中「登山道寸断」)。
新設の林道を渡り、階段自体が朽ち、倒木やシダで覆われた荒れた道を登って稜線に復帰します。
▲林道の反対側にある荒れた丸太階段を上る
朽ちた丸太階段の先は、植林の中の楽しくない道です。が、ガスがかかって幻想的な雰囲気になっているのが救いか。
▲植林の中を進む
9:21
773m標高点に到着。「たじまハイキング」ではここに「1級基準点」が設置されているとのことですが、いくら探しても見当たりません。諦めて出発。
773m標高点に到着。「たじまハイキング」ではここに「1級基準点」が設置されているとのことですが、いくら探しても見当たりません。諦めて出発。
773m標高点付近からは、自然林にも出会うようになります。
今回のルートは植林の中が多く、片側が植林、反対側が自然林という区間も多くありました。左右共に自然林という区間は短いです。
尾根の分岐がたくさんありますが、粟鹿山へのルートを示すような道標などはなく、どの尾根も歩きやすそうな雰囲気なので、誤った尾根に入り込む恐れがあります。細心の注意を払い、コンパスを頼りに進むべき尾根を見つけて下さい。
この記事の読者には藪山歩きに慣れた方が多いと思いますので、間違えやすいポイントやどこでどちらに曲がると言った情報は割愛します。
9:42
なんの変哲もない尾根上に「3級基準点(No.33)」がありました(地図中「3級基準点(No.33)」)。
なんの変哲もない尾根上に「3級基準点(No.33)」がありました(地図中「3級基準点(No.33)」)。
▲3級基準点はこんな小さな標石
9:50
植林の中で、3本の境界標石が刺さった小ピークに出会いました(地図中「標石x3本」)。
植林の中で、3本の境界標石が刺さった小ピークに出会いました(地図中「標石x3本」)。
地形図を見ると、ここからはひたすら下りです。
10:16
今回のルートの最低鞍部(峠)に到着(地図中「最低鞍部」)。左右どちらにも道が残っていました。
今回のルートの最低鞍部(峠)に到着(地図中「最低鞍部」)。左右どちらにも道が残っていました。
▲最低鞍部(峠)の様子
ここから少し登り返すと、シダが増えてきました。見上げると、少々藪っぽい。
それに、登り返した後にまた下りがあるので、体力を節約するために680m標高点を巻くことにしました。
それに、登り返した後にまた下りがあるので、体力を節約するために680m標高点を巻くことにしました。
ちょうど良い具合に、ピークを巻くように斜面に道があるように見えます(ピンクのテープもある)。
最終的には、地図の赤線をご覧頂いたとおりうまく680m標高点を巻けたのですが、距離は長いし、滑りやすい斜面のトラバースは大変だし、途中でピンクテープは見失うし、厄介でした。
素直に680m標高点を目指して登り返すべきでした。
▲680m標高点を巻くために斜面をトラバース(歩きやすそうに見えますが、実際は大変でした)
11:04
680m標高点北の鞍部からの登り返しはきつい植林の斜面です。
急斜面を登り切ったと思ったら、稜線上に藪が現れました。
680m標高点北の鞍部からの登り返しはきつい植林の斜面です。
急斜面を登り切ったと思ったら、稜線上に藪が現れました。
▲突然現れた藪
いつの間にかやんでいた雨がまた降ってきました。わーさんが先頭になり、身長以上の高さがあるススキを左右に押し広げながらぐいぐい進みます。
距離は数十メートルしかありませんでしたが、ススキ藪を抜けた後は腕がヒリヒリ。うっすらと赤い線が無数に腕についていました。
これ以降は、自然林の中の道(?)になります。
11:31
769m標高点の手前から、急な上り坂の始まりです。
769m標高点の手前から、急な上り坂の始まりです。
黒尾山の中央コースを思わせるような、真っ直ぐで急な上り坂です。崩壊した鹿よけネットがあるので、足を引っかけると危ない。
以前、鹿よけネットのせいで大転倒をしたことがあるので、足下に注意しながら登りました。
以前、鹿よけネットのせいで大転倒をしたことがあるので、足下に注意しながら登りました。
11:44
山頂まで0.3kmの道標に出会いました(地図中「残り0.3km標識」)。
山頂まで0.3kmの道標に出会いました(地図中「残り0.3km標識」)。
▲道標周辺の様子
11:53
青垣方面から登ってくるルートとの出会いに到着(地図中「合流地点」)。
青垣方面から登ってくるルートとの出会いに到着(地図中「合流地点」)。
▲登山の合流地点(山頂から見ると分岐)には、登山口のあずまやで見たのと同じ看板があった(私たちは「与布土」方面から登ってきた)
もう山頂はまもなくです。
11:57
香ばしいトイレのニオイがしてきたなと思ったら、公衆トイレの脇からアンテナ管理道路に出ました。
香ばしいトイレのニオイがしてきたなと思ったら、公衆トイレの脇からアンテナ管理道路に出ました。
▲アンテナ管理道路沿いにある公衆トイレ
ここからは、舗装道路を僅かに歩けば粟鹿山の山頂です。
▲アンテナ管理道路を山頂に向けて歩く
12:07
アンテナ管理道路の終点にはNTTドコモの施設があるのですが、そのすぐ手前で右を見ると、小さな階段があります。これを登ると、一等三角点のある粟鹿山山頂です。
アンテナ管理道路の終点にはNTTドコモの施設があるのですが、そのすぐ手前で右を見ると、小さな階段があります。これを登ると、一等三角点のある粟鹿山山頂です。
▲粟鹿山山頂(一等三角点周辺)の様子
北から東、南方面にかけては電波塔があるため展望はよくありませんが、西方面は大きく開けています。
▲粟鹿山山頂(管理道路)から西方面の展望(画像にマウスポインタを合わせ、右下に表示される虫眼鏡をクリックすると、拡大表示されます。)
双眼鏡を使うと、竹田城跡もくっきり見えました。
本日の昼食は、米軍の携帯糧食「MRE」。夏の間山歩きをサボっていたので、今回の山歩きをリハビリ登山にしようと思い、荷物を軽量化するためコレにしました。
普段通りの荷物を持っていたら、間違いなく途中でバテていたと思います。
13:00
山頂でOAPさんと無線で少しお話をし、昼食を食べて展望を楽しんだら、下山開始。
山頂でOAPさんと無線で少しお話をし、昼食を食べて展望を楽しんだら、下山開始。
山頂直下で青垣町大稗から登ってきたというパーティーとすれ違いました。
沢沿いでヒルにやられたとのことで、そのうちのお一方はズボンが血まみれになっていました。
沢沿いでヒルにやられたとのことで、そのうちのお一方はズボンが血まみれになっていました。
15:25
駐車地に戻ってきました。
駐車地に戻ってきました。
復路では、ススキ藪を回避するために尾根の北側斜面を歩き、往路で巻いた680m標高点も通りました。
また、773m標高点で見つけられなかった1級基準点を尾根の中心から少し北へ外れた草藪の中で見つけました。
また、773m標高点で見つけられなかった1級基準点を尾根の中心から少し北へ外れた草藪の中で見つけました。
それにしても、登りが3時間で下りが2時間20分。今日の山歩きはなかなかハードでした。荷物を軽くしていたのに、膝がガクガク。
帰りに青倉神社に寄り道し、今日一日無事に楽しめたことのお礼をして帰宅しました。