播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

ハイドレーションシステム内の残量が分かる:Flow Meter

山歩きの際は、ザック内のリザーバの水をホースを通して飲む「ハイドレーションシステム」を愛用しています。
水を飲む度に立ち止まる必要が無く、好きなときに好きなように水が飲めるのが便利なのですが、使用中の問題として、リザーバ内の水の残量が分からないという欠点があります。
そのため、距離が長い山行の場合は水をあまり飲まないように意識しながら歩き、下山後にザック内を見たら水がまだまだ残っていた、ということになってしまいます。

 

そのような問題を解決するための製品がアメリカのCamelbak社から発売されました。

 


▲商品パッケージ

 


▲メーター部(上)と流量センサー部(下)に分かれている

 

製品名:FLOW METER
メーカー:Camelbak(アメリカ)
US定価:$30.00 USD

 

名前はそのものずばり「Flow Meter(流量計)」です。

 

この流量計は、ハイドレーションシステムのホースに取り付けるセンサーと、センサーからの信号を関知して流量を表示するメーター部から成っています。

 

センサー部の中にある黒いインペラが回転し、メーター部の磁気センサーがインペラの磁石の通過回数を数えて流量を計測する構造になっています。
表示単位は「OZ(オンス)」と「L(リットル)」のどちらかを選択可能。

 

なるべく流量を正確に検知するために、水の逆流を防ぐための弁がセンサー部に付いています。

 

さて、取り付け方法ですが、ホースの適当な場所をハサミでぶった切り、センサー部をホースに差し込みます。

 


▲センサー部をホースの途中に接続する

 

そのセンサー部にメーター部をはめ込めば完成。

 


▲メーター部を取り付けた状態

 

ホースをザック内から外へ引き出すときは、メーター部を取り外してホースの取り回しをする必要があります。メーターを付けたままだと、ザックにあいているホース用の穴からホースを引き出せません。

 

実際に取り付けると、こんな感じになります。

 


▲私がFlow Meterを使用するときの状態



液晶は見やすく、ボタンも押しやすいので使い勝手は良好です。
慣れが必要なのは、画面上の表記でしょう。

 

例えば
AC
AR/TV
といった表示があるのですが、説明書を見ないと何の省略なのかさっぱり分かりませんでした。

 

正解は
AC・・・Amount Consumed(飲んだ水の量)
AR/TV・・・Amount Remaining/Total Volume(残量/総量)
です。

 

Camelbak社のサイトに取説のPDFファイルがあり、最初は日本語の取説を見たのですが、これらのアルファベットが何を意味しているか説明されていなかったので、英語版の取説を読み、ようやく何の省略なのかが分かりました。

 

AR/TVの表示が分かりやすくて良さそうですが、毎回リザーバに入れる水の量が異なる場合は、その都度TV(総量)の設定を変更する必要があります。そのため、私はAC(飲んだ水の量)表示にしています。
リザーバにどれだけの水を入れたのか自分は分かっているので、頭の中で引き算をすれば残量が分かります。こちらの方が、TVの設定をいじらなくて良いので手軽です。



流量計としての精度はどんなものかと思い、2リットルの水を1日かけて飲んでみました。
結果は、2リットルの水を飲み干した時のメーター表示(AC)が1.8リットルとなっていました。
水の飲み方(吸い方や頻度)で差が出ると思いますが、充分許容できる範囲の誤差です。

 

本来ならザックを下ろし、中のリザーバを見たり触ったりして残量を調べる必要があるところを、そんなことをしなくても、いつでも飲んだ量(または残量)を確認できるのは非常に便利です。

 

ただ、これを取り付けると、ハイドレーションシステムの欠点である手入れがさらに厄介になってしまいます。
センサー部に逆流防止弁が付いていることはすでに書きましたが、この弁があるおかげでホース内の通気性が失われ、センサー部に残った水がなかなか乾いてくれないのです。いつまで経ってもセンサー部の内側に水滴が残り、衛生面で不安を感じてしまいます。

 

今のところ、スプレータイプのエアーダスターでホース内に強い風を吹かせ、センサー内の水滴が弁を通過して飲み口側へ吹き飛ばされるようにしていますが、それでも完全に水滴を吹き飛ばすことは難しい。

 

ホースの乾燥には、釣り糸に丸めたティッシュを取り付け、ホース内に通すという方法がありますが、このFlow Meterのセンサー部を付けたホースでは、その方法も使えません。

 

私のハイドレーションシステムは軍用なので、ホースを簡単にリザーバから脱着できて手入れをしやすいのですが、センサー部の効率的な乾燥方法を思いつかない限り、あまりお勧めできないかも。