今日は山に行く気力が湧かなかったので、せめてMTBで坂を走る練習でもしようと思い、姫路市の手柄山へ行ってきました。
上り坂の練習なら、姫路の場合広峰山や随願寺への舗装道路が考えられますが、手柄山を選んだのには理由があります。実は、手柄山の上にある平和資料館で姫路空襲の特設展示が開催されていて、面白そうな展示品がありそうだと思ったのです。
上り坂の練習なら、姫路の場合広峰山や随願寺への舗装道路が考えられますが、手柄山を選んだのには理由があります。実は、手柄山の上にある平和資料館で姫路空襲の特設展示が開催されていて、面白そうな展示品がありそうだと思ったのです。
標高差が僅かで自転車の練習にはなりませんでしたが、平和資料館の展示はなかなか興味深いものでした。
(館内は撮影禁止のため、展示品の写真はありません。)
(館内は撮影禁止のため、展示品の写真はありません。)
特設展示の名前は「姫路空襲とその復興」。私の自宅のすぐそばには、空襲で焼け焦げた橋の欄干や石垣が今も残っています(橋は架け替え工事がありましたが、焦げた欄干はそのまま使われました。)し、祖父母が住んでいた家には、待避壕が掘られていました。
そんなわけで、姫路が空襲に遭ったというのは子どもの頃から知っていたわけですが、空襲の回数や空襲の目的は全く知りませんでした。
そんなわけで、姫路が空襲に遭ったというのは子どもの頃から知っていたわけですが、空襲の回数や空襲の目的は全く知りませんでした。
いつだったか、姫路空襲について詳細な記事が書かれたWebサイトを見つけ、それを読んで姫路は2回の空襲に襲われ、1回目は川西航空機の工場、2回目は姫路駅東にあった操車場周辺が攻撃目標であったことを知りました。
そのWebサイトの作者は、米軍のTactical Mission Report(作戦報告書)の内容を詳細に研究されていましたが、私もそれを読んでみたいと思いながら、国立国会図書館まで行くのは無理、と思ってあきらめていました。
ところが、この特設展示では、姫路空襲に関わるTactical Mission Reportの複写が2冊、自由に手にとって読めるようになっているのです。
特設展示会場には、他にM69焼夷弾のシェル(弾殻。表面の濃緑色の塗装が綺麗に残っているものもある)や信管、E46収束焼夷弾の弾頭部分(?)と思われる錆びた鉄製のフタ等も展示されていましたが、私の興味はTactical Mission Reportに釘付け。
原文(英文)のものと翻訳済みのものが1冊ずつ置いてありましたが、誤訳の恐れがある翻訳済みではなく、当然原文の方を見てみました。
爆撃について詳細に記されており、写真や図表も多用されて分かりやすくなっています。
爆撃について詳細に記されており、写真や図表も多用されて分かりやすくなっています。
これを見ると、姫路へ空襲に来たB29はサイパンのテニアンを飛び立ち、北西へ進んだ後、高松、小豆島、家島群島上空を通過して姫路に来たことも分かります。
米軍は姫路城を意図的に残したという俗説をいまだに信じている人もいますが、米軍側の資料にお城の保護に関する記述はないそうで(Tactical Mission Reportを全て読んだわけではないので、前述したWebサイトの情報による)、実際、姫路城の敷地内にあった練兵場や兵舎、学校はしっかり焼けています(空襲による被害地域を示した地図が展示されていました)。
姫路空襲に興味のある方で、Tactical Mission Reportを見たいけれど諦めていた方は、是非足を運んでみて下さい。
平和資料館を出た後、手柄山の山頂からの景色をしばらく楽しんでから帰宅しました。
さて、手柄山には、かつて姫路駅からモノレールの軌道が延びていました。
使用された車体は、今は亡き米ロッキード型。この車両が、今も手柄山のモノレール駅舎に保管されています。
使用された車体は、今は亡き米ロッキード型。この車両が、今も手柄山のモノレール駅舎に保管されています。
モノレールの軌道も、姫路駅~手柄山間に少し残っており、分かる人が見ればすぐにロッキード型だと分かるようです(コンクリートの軌道両脇に金属製の安定用レールがある)。
姫路駅~手柄山間には「大将軍」という凄い名前の駅があり、閉鎖されて中に入れないものの、今も残っています。この大将軍駅はマンションにモノレール軌道を貫通させ、一部フロアを駅として使うというものすごい構造。
おそらくマニア(何のマニア?)垂涎のモノレール遺構です。
おそらくマニア(何のマニア?)垂涎のモノレール遺構です。
そんな姫路モノレールですが、一部のマニアが喜びそうなロッキード型のモノレール車体が、2009年11月15日(日)1日限定で公開されます。場所は姫路市西延末440番地 手柄山中央公園内、サンクンガーデン(10:00~16:00)。
昭和40年代の、しかも貴重なロッキード型のモノレール車体を屋外展示で見られる機会なんて、もうないかも知れません。
この車体は近い将来、旧手柄山駅舎で常設屋内展示される予定ですが、少しでも早く見たい、モノレールなんだから屋外の太陽光の下で見てみたいという方は、是非姫路へ。
姫路駅でレンタサイクルを借り、モノレールの軌道跡と大将軍駅を見て手柄山へ行くと、姫路モノレールを満喫できます。
2009/11/14追記:
自転車より、徒歩のが良いかもしれませんね。適度な距離で良い散歩になるし、自転車だと見落とすような物が見つけられるかも。
自転車より、徒歩のが良いかもしれませんね。適度な距離で良い散歩になるし、自転車だと見落とすような物が見つけられるかも。