播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の京見山~トンガリ山

今日は第2次世界大戦中に高射砲台があったらしい、京見山へ砲台跡見物に行くことにしました。
具体的な場所が載った山行記録が見あたらなかったので、「案内か何かがあるだろう」と安易に考えて出発。

 

ちなみに、京見山の南斜面からは姫路市街や北方が全く見えません。しかし戦時中、米軍の爆撃部隊は島が点在してナビゲーションが簡単な瀬戸内海上空を飛び、兵庫県南部方面の爆撃に来ていました。
ということで、瀬戸内海上空が見渡せる場所に高射砲台を作ったのでしょう。

 

砲台跡地見物の他に、展望が良いと噂のトンガリ山からの景色を見ることも今回の目的です。

 


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「網干」「姫路南部」(赤色破線は、今回歩いていません。推測で適当に書き込んだ道です。)

 

10:24
JR姫路駅を網干行きの新快速で出発。

 

10:31
JRはりま勝原駅に到着。

 

駅の北に出たら、目の前にある1.5車線幅の道路を西へ進み、熊見公会堂のある角を右折。
この道は京見会館という大きな屋敷の前で右へ曲がっています。道なりに進み、京見会館のすぐ東にある登山口から山へ入ります。

 


▲京見会館のすぐ東にある登山口

 

10:39
登山口に到着。
最初は手すりまである緩やかな斜面で、まもなく右手に二股の分岐が現れます。どちらもしっかりした道ですが、左手の道の方に工送5(送電線巡視路標識)と書かれた看板や啓発看板があるので、そちらが本来の道だと判断し、分岐を左に取りました。
冒頭の地図の赤線の通り、谷沿いの緩やかな道です。

 


▲谷沿いの登山道の様子

 

地形図で小さな尾根が南西に派生している場所がありますが、ここに南への分岐がありました。高射砲台跡地かと思いましたが、標高が低すぎるし、何の表示もありません。関係ないだろうと思って素通りしました。

 

今までは左側が谷でしたが、小さな尾根を越えてからは右側が谷になります。

 

10:51
緩やかな岩の斜面に出会いました。特に苦労もせずに歩けるような場所ですが、木製の階段と手すり代わりのロープがありました。

 

10:54
尾根の上に出ました。ここは丁字路になっており、北へ進むと京見山山頂、南へ進むと七つ岩だそうです。
実は、はりま勝原駅から地図で「七つ岩」と書いた場所を見たとき、何やら白いものを見つけてしまったのです。私はこれが高射砲台のコンクリート基礎だと勝手に思い込んでいたため、「七つ岩?砲台は?」と疑問に思いながらも七つ岩の方へ向かいました。

 

10:56
七つ岩と思われる巨岩が転がる場所(地図中「七つ岩」)に来ました。
高射砲台の跡地だと私が思い込んでいたのは、どうやらこの巨岩だったようです。あぁ失敗。こんな場所に高射砲台なんて作れそうにありません。最初に見つけた、小さな尾根への分岐が砲台跡地への道だったのかな。

 


▲七つ岩の様子

 

景色が良さそうな岩に登ってみると、南向きに素晴らしい展望が開けていました。
砲台跡地は見られませんでしたが、好展望を楽しめたのでよしとします。砲台跡地探しは次回の楽しみということで。

 

先ほどの丁字路に戻り、山頂に向けて進みます。

 

この付近から山頂までの残距離表示があるのですが、細かいことに50mおきに設置されています。
この程度の山の場合、登山口に「山頂まで○○km」と書くだけで十分だと思います。

 

11:14
京見山の山頂に到着。

 

京見山の山頂はベンチや標識、パノラマ写真、ノート等々余計な物のオンパレードです。まるで明神山の山頂のようです。明神山と同様に、そのうち山頂にほこらでも出来るんでしょうか。
本来は広くて展望の良い、気持ち良い山頂なんですが、雰囲気が台無しです。

 

11:33
京見山山頂を出発。
「白毛山」と書かれた道標に従って東へ下ります。

 

11:45
展望のない道を下り、泣き坂峠(地図中「泣き坂峠」)に到着しました。
峠道と登山道が交差し、十字路になっています。

 

ここからは日当たりの良い斜面を登り返します。日陰の中の下り坂で汗が引いていましたが、また汗だくになってしまいました。

 

11:53
斜面を登り切り、なだらかになってまもなく右手側に四ツ塚古墳への分岐に出会いました。
前回は藪っぽかったので見に行きませんでしたが、今はしっかりした道がついています。どんなものか見物に行ってみます。

 

名前の通り4つの古墳があるようですが、とりあえず1号墳だけ見ることにしました。

 


▲四塚1号墳(青い看板の横が15cmほどなので、だいたいの大きさは想像できると思います)

 

登山道に戻って歩き始めると、また四ツ塚古墳への分岐がありましたが、これは素通り。

 

12:00
両側にシダがあったりする斜面を登り切ると、突然視界が開けました。白毛山南西の小ピークです。
道が二股に分岐しており、左はどうやら白毛山、右は「東見晴し台」と書かれた道標があります。見晴し台へは行ったことがないので、どんなものか見に行くことに。

 

分岐からすぐの場所にそれはありました(地図中「東見晴し台」)。

 


▲東見晴し台の様子

 

この写真では展望がなさそうに見えますが、実際は南向きに大展望が広がっています。が、京見山の山頂と同様に不要な物だらけ。
今回の目的であるトンガリ山からの展望もこれと似たようなものになりそうです。トンガリ山で景色を堪能するために、ここの景色はあまり見ずに出発。

 

白毛山方面に向けて進んでいると、MTBに乗った男性3人組とすれ違いました。彼らは丁寧に挨拶して通過しましたが、ハイカーに気を遣っているのでしょう。時々、山でMTBに乗っている人に文句を言う人がいるようですが、私の場合は変なMTB乗りに出会ったことはありません。皆礼儀正しく、ハイカーの安全に気を遣っている方ばかりです。MTB乗りに文句を言っている人は、車を運転するときに、さぞかし歩行者優先の原則を大切にしていることでしょう。

 

12:06
そんなことを考えている内に、また分岐に出会いました。街中の低山なので、道が多い。
道標によると、直進すると白毛山、右へ分岐する道に入るとトンガリ山へ行ける、しかも近道だそうです。
地形図を見ると、白毛山からトンガリ山へ向かうと、無駄な上り下りが発生するので、近道ルートは魅力的です。方向を考えると、斜面をトラバースするように進むようです。

 


▲トンガリ山への近道ルート(地図中「トンガリ山近道ルート」)の様子

 

右手側に展望が開けた平坦な道です。こちらを選んで正解です。
ちょっとしたスラブを下ってまもなく、白毛山からの正規ルートと合流します(12:09)。

 

南へ進んでいると二股の分岐に何度か出会いますが、左手側は東へ下る道のようなので、全て右側の道を選択。

 

12:16
トンガリ山の山頂に到着。東見晴し台と同様に椅子やテーブルがありますが、その手前の岩の上が一番見晴らしが良さそう。ということで、ここで昼食にします。



東を見ると、アンテナが立ち並ぶ仁寿山、その左奥には高御位山~桶据山。それらの奥には六甲の山並み。仁寿山の右を見ると、工場群の向こうに明石海峡大橋が見えます。

 

若干霞んでいるものの、これだけの展望を楽しめたのは久しぶりです。今日は来て良かった。

 

今日の昼ご飯は、アルファ米の白米と缶詰の「さんまとハバネロ」。

 

13:24
トンガリ山で1時間以上もくつろいでから出発。
北に下山し、バスで自宅へ帰る予定にしていたので、自宅から印刷して持ってきたバス停「北山」の時刻表を見てみます。
直近のバスは13:38。これはムリ。次は14:38。その次は16:02!
14:38のバスを逃すと大変だ。

 

白毛山から実線道をたどって下ると時間がかかりそうなので、泣き坂峠まで戻り、そこから北の原集落へ下山することにします。

 

13:47
もと来た道を戻り、泣き坂峠まで戻ってきました。
ここから北へ下ります。

 


▲泣き坂峠から北へ下る道の様子

 

悲しい伝説の予備知識と、北向きであるが故の日当たりの悪さのおかげで、ちょっと不気味な雰囲気ですが、道はしっかりしています。

 

右側に正体不明の石積みが現れてから、峠道にも石段状の岩が出てきました。
そして、昭和60年度治山事業の堰堤脇を通過してまもなく、ボーイスカウトの原野営場に出会いました。
ここからは車が通れる1車線幅の道になります。

 

14:04
原集落に出ました。

 

地形図に記載のある神社(大歳神社)の数十メートル東です。実際の道は地形図の破線道とはちょっと違うので、注意が必要です。

 

せっかくなので、神社で絵馬を見物し、集落の中を歩いて国道2号線へ向かいました。
と、ここで問題が。肝心のバス停の場所を調べていませんでした。
一度歩いているはずですが、全く思い出せません。「原」交差点よりも西だったことは覚えているので、原交差点に向かい、そこから西へ歩くことにしました。

 

14:28
北山バス停に到着。今日は風が強く、バスを待つ間に、汗で濡れたシャツが簡単に乾いてくれました。

 

そして、定刻より3分遅れてバスが到着。JR姫路駅までは、ここから30分弱です。