播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

MSRのクッカー:QUICK 1 SYSTEM

MSRから2009年モデルの製品が発売されました。
当初は輸入代理店経由で日本国内でも発売される予定でしたが、使用されている一部の部品の素材に問題があるらしく、日本では調理目的での販売ができないようです。
というわけで、いつものように海外のお店から直接購入することに。

 

 

製品名:QUICK 1 システム (QUICK 1 SYSTEM)
容量:1.3リットル(クッカー本体)、0.4リットル(マグカップ)
重量:295g(カタログ値)
素材:チタン(クッカー)、アルミ(フタ)、ステンレス(マグカップ)
メーカー:MSR(アメリカ)Made in Thailand
US価格:$79.95
日本価格:\13,650(モチヅキのWebサイトに掲載されている価格)

 

クッカーの中に、断熱素材に覆われたマグカップを収納するようになっています。
ただ、マグカップは布か何かで包んでおかないと、クッカー内でガチャガチャと動き回り、耳障りな音が鳴ります。

 


▲クッカー内の様子。スカスカなので、工夫をしないとマグカップが中で動き回ってうるさい。

 

フタには、湯切り用の穴が開いています。
(お湯を沸かしているときはこの穴から水蒸気が吹き出しているので、何も考えずにフタを取ろうとすると、火傷をします。←経験済み)

 


▲フタはアルミ製

 

クッカー内には、0.5リットルと1リットルの目盛りがあります。0.5リットルの目盛りは、ラーメン作りに便利。(袋麺は500ccの湯を使うことが多い)

 


▲クッカー内の目盛り

 

クッカーはチタン製なので、調理をするときは食材の焦げ付きや、過熱による変色に要注意です。



クッカーの縁にはフックが付いており、フタの縁が引っかかるようになっています。

 


▲フタを引っかけるフック

 

さらに、フタのツマミは両サイドに少し出っ張りがあり、折りたたんだハンドルをその出っ張りで軽く固定するように出来ています。
このフックとツマミの出っ張りによって、クッカー収納・運搬時にフタが開きにくいようになっています。

 


▲ツマミは、ハンドルを固定できる幅になっている

 

ただ、ハンドルはフタのツマミから簡単に外れてしまうため、フタの固定にはあまり役に立たなかったりします。
どうせなら、同社製のReactorのクッカーのように、しっかりとハンドルを固定できるロックを使えば良かったのにと思いましたが、このハンドルは脱着式で、他のサイズのクッカーと組み合わせて使うこともあるため、苦肉の策としてこの方法を採用したのでしょう。

 

Reactorでは、収納状態でクッカーのハンドルはがっちり固定されていましたが、使用時はバネのテンションで半固定状態になっているだけでした。
逆に、このQUICK 1 システムでは、使用時にハンドルがしっかりとロックされるようになっています。

 


▲クッカーのハンドル付け根の様子(使用時)

 


▲クッカーのハンドル付け根の様子(収納時)

 

見ての通り、非常にメカメカしいデザイン。シンプルなのも良いですが、私はこういうのも大好きです。
ハンドルの回転軸となるシャフト表面は樹脂製なので、ハンドルを動かすときに、脳の奥まで響くような、金属同士がこすれる嫌な音は出ません。

 

ハンドルを収納するときは、赤い樹脂製のボタンを押してハンドルを折りたたみます。

 

次はマグカップ。

 


▲付属する断熱マグカップ

 


▲フタを取った状態

 


▲マグカップ底面の表示

 

中身の水面の面積が小さく、断熱材で覆われているため、温かい汁物を飲むときは、シエラカップやアウトドア用のカップよりも冷めにくいように感じます。
一見飲みにくそうな形ですが、細くなっている部分を口に当てると、中身を楽に飲めます。ただ、このように飲もうと思うと、幅が一番広くなる方向でマグカップを持つことになるので、持ちやすさという点では普通のカップに劣ります。



MSRの製品は、単純な構造で頑丈、使いやすく、信頼性が高く、所有欲が満たされる高品質な道具というイメージを私は持っています。
しかし、今回の製品については、残念ながらあまり良い印象が持てません。全体的に安っぽいのです。

 

クッカーはチタンの色なのでまだマシですが、フタはコーティング無しのアルミ製のため、(MSRのロゴがなければ)100円ショップで売られているフタと同等にしか見えません。
マグカップの質感もちょっと・・・
値段と見た目のバランスが取れていないように感じてしまいます。

 

ちなみに、日本国内で販売できないのは、フタのツマミの素材に問題があったからだそうです(モチヅキのWebサイトにある告知による)。

 


▲フタの内側の様子(中央の黒い部分が、フタを貫通して付けられているツマミ)

 

「ハズレ」を買ってしまったかな、と思いましたが、トランギアのアルコールストーブ用に売られている五徳セットとの相性が非常に良いことが判明しました。このクッカーの中に風防、五徳、アルコールストーブ、マグカップのすべてを収納できるのです。

 

詳細は、こちらの記事で紹介します。