播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

兵庫県小野市の青野原駐屯地 創設33周年記念行事

兵庫県小野市にある青野原駐屯地では、本来今年の5月に記念行事が行われる予定でしたが、新型インフルエンザの騒ぎのせいで延期となっていました。
で、延期された結果、今日8月8日に記念行事が行われました。

 

記念行事の後に花火も上げるらしく、記念行事としては珍しく午後のスタート。
加西市のホームページを見ると、イベントは15:00~20:00となっていたので、15:00までに到着できるようにと思い、1時半頃に姫路市街の自宅を出発しました。

 

国道372号線を東進し、右手側に演習場らしきものが見えてきたら(道の入り口に「演習場につき・・・」のような注意看板が現れてきたら)、まもなく右手側にセブンイレブンが見えてきます。このセブンイレブンのある丁字路を右折して進めば、左手側に青野原駐屯地の正門が現れます。

 

14:30
正門前の空き地(駐車場)に車を止めて駐屯地に入ろうとすると、隊員に「開門は15:00からです」と言われ、車内で30分待つことに。

 

15:00
開門です。
手荷物検査が実施されるため、ゲート前に行列が出来ています。
鞄の中を簡単にチェックされた後、駐屯地の奥へ進みながら辺りを見回し、訓練展示のグラウンドやトイレ、売店などの位置を確認。

 


▲開門直後の正門の様子

 

駐屯地内の案内図に、各種イベントの実施時間が書かれているのを発見。
楽しみにしている訓練展示は、17:00スタートの記念行事の後だそうです。炎天下で2時間も待つのは苦痛ですから、冷房の効いた建物(売店と食堂が入っている)の中で椅子を確保し、iPod touchや携帯電話で暇つぶし。

 

外は暑いのでこの建物に続々と人が入ってきますが、座るスペースがないため、皆すぐに出て行きます。早めに場所を取っておいて良かった。
私以外にも、訓練展示までの時間つぶしに困っている人は多くいたようです。

 

16:30
おなかが空いてきたので、食堂でカレー(¥350)を食べました。
昼ご飯もカレーだったし、屋台のラーメンや焼きそばも魅力的でしたが、外に出るのが嫌だったので・・・。
ちなみに、食堂は本日、メニューはカレーとカツカレー(¥500)の2種類のみ。

 

16:55
そろそろ行事が始まるので、グラウンドへ移動。と思ったら、すでに記念行事は始まっていました。

 


▲記念行事のためグラウンドに整列した隊員

 

グラウンドの周りをウロウロし、適当な撮影場所を確保。どんな場所が良い場所なのか判断できる技量がないので、ケーブルテレビの撮影クルーがカメラを設置している場所に行ってみました。

 

そばにCanonの一眼レフカメラを持った隊員さんがいたので、ちょっと声をかけて雑談。来賓用のテント席がたくさん空いていたので、座っても良いか確認すると「大丈夫でしょう」とのことで、招待客でもないのにテント下の椅子を使うことが出来ました。

 

15:30頃
一通りお偉方の挨拶や祝電披露が終わると、隊員達は駆け足で退場。

 

その場に残った音楽隊が「威風堂々」や「夏祭り(ホワイトベリー)」を演奏。

 

17:40
音楽隊が退場した後は、ラッパ隊が行進曲を演奏しながら入ってきました。
その向こうでは、フォールディングコット(折りたたみベッド)を持った隊員達が寝る準備をしています。何が起こるんだ?

 

寝ていたのは、非常呼集訓練のデモンストレーションをする隊員でした。
ラッパ隊の非常呼集の曲で飛び起き、就寝時に着ているジャージから迷彩服へ素早く着替えて集合するデモです。

 

17:45
今度は徒手格闘デモ。
素手やナイフ、銃剣で襲われた場合の対処を、観客がいるテントの目の前で見せてくれます。

 


▲こんなに近い距離で演技を見せてくれる

 

17:50
いよいよ訓練展示です。自衛隊が持つ最新の中距離地対空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾(通称:中SAM)」を見せてくれます。
名前の通り、2003年に制式化されたばかりの新しい兵器で、青野原駐屯地にもつい最近(2009年7月31日)配備されたのだそうです。

 

性能についてはあまり公開されていませんが、海外のサイト(2006年12月1日付AP通信社の報道)によると射程50kmで、敵航空機や空対地ミサイル、巡航ミサイルを撃墜可能だそうです。

 


▲テント前を通過する中SAMランチャー(LAU)

 

今回展示された中SAMは、レーダー(MFR)の大型トラック2台、ランチャー(LAU)が2台、ミサイル装填装置(LDR)が1台の合計5台の大型トラックと、射撃統制装置(FCP)用の高機動車2台の編成です。
Wikipediaによると、一式で約470億円だそうです。

 

大きな発射筒を6本背負った大型トラックはなかなかの迫力です。

 

まずはアース線の接続。MFRとLAUは、陣地に停車してすぐにアース棒をグラウンドに打ち込んでいました。
その後ケーブルで各車両を接続し、架台でトラックを固定します。
架台によって大型トラックは持ち上げられ、タイヤはすべて地面から離れます。

 


▲架台を伸長し、宙に浮いた状態のLAUとLDR

 

LAUの発射筒がゆっくりと起き上がり、垂直になれば準備完了です。
MFRのレーダーは回転速度が速い。アンテナ部が結構大きいので、高速で回転している様子がなかなかの迫力です。

 

ミサイルを実際に発射するわけにはいきませんから、これで訓練展示は終わりかと思ったら、発射筒に「駐屯地33周年」と「中SAM導入」の垂れ幕が仕込まれていました。

 


▲発射筒に仕込まれていた垂れ幕

 

18:10
訓練展示が終了し、中SAMのケーブル類等が撤収され始めました。

 

18:30
装備品の展示開始。先ほどの訓練展示で使用した車両がそのまま展示されています。
「ミサイルを撃つのにこれだけの機材がいるんだなぁ」と驚いている声が後ろにいた観客から聞こえましたが、確かに、ミリタリーマニア以外の人にとっては「ミサイル=発射筒だけ」というイメージが強いでしょうね。

 

この後20:00~花火の打ち上げの予定もありましたが、引き上げることにしました。



手荷物検査を受けるときに隊員の腕時計をチェックしてみましたが、複数の隊員がNikeの腕時計(Nikeは腕時計の販売から撤退したため、現在は売られていない)を着けていました。G-Shockの独擅場だと思っていましたが、こういう細かいことが分かるのも、駐屯地イベントの利点ですね。

 

今日は最初の2時間以上の暇つぶしが苦痛でしたが、(青野原駐屯地の)隊員の腕時計事情がちょっと分かりましたし、訓練展示では最新鋭の兵器の展示を間近で見られてラッキーでした。

 

ちなみに、この駐屯地に入ってすぐ右手に、最新の中SAMの試作車両が展示されていました。(入場時には気づかず、帰る時に気づきました。)

 

2009/8/29追記
この駐屯地では、「ホークせんべい」なるものが販売されています。
名前の通り、ランチャーにセットされたホークミサイルの焼き印が押されています。
中SAMが配備されたら、「中SAMせんべい」に変わるのか?でも、中SAMランチャーの絵を焼き印にしても、誰もミサイルだとは分からないでしょうね。建設機械に見えるだけで。

 


▲青野原駐屯地内の売店で売られているホークせんべい

 

余計な物が一切入っていない素朴な煎餅で、なかなか美味しいですよ。
追記ここまで