山歩きの時、荷物は軽い方が良いと分かってはいるのですが、使いたい道具や、やりたいことがあればついつい荷物は増え、重くなります。でも、荷物が重いと行動速度が下がり、疲れも増します。
私の場合、食事で手の込んだことをしないので、火器、食器類がもっとも軽量化しやすい分野です。というわけで、固形燃料を使う軽量クックセットを入手してみました。
私の場合、食事で手の込んだことをしないので、火器、食器類がもっとも軽量化しやすい分野です。というわけで、固形燃料を使う軽量クックセットを入手してみました。
製品名:Esbit Solid Fuel Stove Set CS585HA(エスビット クックセット)
メーカー:Esbit(ドイツ)
重量:300g(カタログ値)
US価格:$29.95 USD
国内定価:¥2,940
メーカー:Esbit(ドイツ)
重量:300g(カタログ値)
US価格:$29.95 USD
国内定価:¥2,940
固形燃料を使うため火力の調節がきかず、「調理」が出来るような代物ではありませんが、湯沸かしは問題ありません。
お湯が沸かせれば、カップラーメンが作れるし、スパゲティが作れるし、アルファ米を美味しく食べられるし、温かいコーヒー(紅茶など)が飲めます。
お湯が沸かせれば、カップラーメンが作れるし、スパゲティが作れるし、アルファ米を美味しく食べられるし、温かいコーヒー(紅茶など)が飲めます。
では、ストーブ部分から見てみましょう。
このストーブは、クッカー内に収まるサイズになっています。見ての通り、ストーブ内は空洞なので、ここに固形燃料やマッチを入れた状態でクッカー内に収納できます。
ただ、クッカーとストーブの間の隙間が広いため、ガチャガチャと音が鳴ってしまいます(クッカー内が傷だらけになりそうでイヤ)。
また、地面に触れていたストーブの脚がクッカー内に直接触れるのも衛生的に問題があるかも知れないので、私の場合はストーブをペーパータオルで包んでからクッカーに収納しています。
ただ、クッカーとストーブの間の隙間が広いため、ガチャガチャと音が鳴ってしまいます(クッカー内が傷だらけになりそうでイヤ)。
また、地面に触れていたストーブの脚がクッカー内に直接触れるのも衛生的に問題があるかも知れないので、私の場合はストーブをペーパータオルで包んでからクッカーに収納しています。
ちなみに、運搬時はクッカーのフタが動く音も鳴りますが、スタッフバッグの口をめいっぱい絞ってもこの音は防げません。
次はクッカー。
写真では倒れている蓋のツマミですが、使用時は立てた状態でロックされます。
実際に使用すると、下の写真のようになります。
どのくらいの時間で500mlのお湯(大きめのカップ麺を作ると仮定)が沸くのか、実験をしてみました。
(カップヌードルなら300ml程度で足ります。)
(カップヌードルなら300ml程度で足ります。)
条件は次の通りです。
気温 | 摂氏25度 |
風 | 無風(屋内) |
水温 | 摂氏24度 |
水の量 | 500ml |
温度測定機材 | Fluke FOODPRO PLUS のプローブ(水温)、非接触温度計(ストーブ本体) |
固形燃料をストーブにセットし、点火。すぐに500mlの水が入ったクッカーを載せました。
13分後・・・エスビット固形燃料(ミリタリー)の火勢がかなり弱まったので、2個目を投入。(この時点で水温は摂氏90度以上になっていた。)
15分後・・・沸騰
23分後・・・沸騰時の泡が消滅
25分後・・・(2つ目の)固形燃料の炎が鎮火
やはり500mlの水をこのストーブで沸かすのは大変そう。
ちなみに、火勢がもっとも強かったときのストーブ本外は、外側が摂氏250度以上になっていました(使用した非接触温度計は、放射率が食品の測定用に固定されているため、金属の温度を測定する場合は、実際よりも低い温度で表示されます。したがって、ストーブ本体は、250度を大幅に上回っていると思われます)。
火力は弱いですが、軽くてコンパクト、値段の割には良い作りになっています。
アルファ米やフリーズドライ食品を食べるときは 200~300ml程度のお湯が沸かせれば良いので、割り切って使えるのであれば、充分に実用的な製品です。
アルファ米やフリーズドライ食品を食べるときは 200~300ml程度のお湯が沸かせれば良いので、割り切って使えるのであれば、充分に実用的な製品です。
参考:
ホームセンターや100円ショップで売られている、樹脂製カップに入った固形燃料(メタノールが主成分で、燃焼時間が10~15分のもの)を使って、上と同じ条件(500mlの水を沸かす)で実験をしてみました。
ホームセンターや100円ショップで売られている、樹脂製カップに入った固形燃料(メタノールが主成分で、燃焼時間が10~15分のもの)を使って、上と同じ条件(500mlの水を沸かす)で実験をしてみました。
(固形燃料用の火皿を使うと、火力が小さくなりすぎて使い物になりません。固形燃料をストーブ内に直置きすることをお勧めします。)
※温度は水温を表す(単位:摂氏)
5分後・・・ 60度
10分後・・・ 81度
13分後・・・ 83度で鎮火
燃料が1つしかなかったので、ここで実験終了。エスビットと同様に、2つ目に点火すればあと数分で沸騰しそうです。
※温度は水温を表す(単位:摂氏)
5分後・・・ 60度
10分後・・・ 81度
13分後・・・ 83度で鎮火
燃料が1つしかなかったので、ここで実験終了。エスビットと同様に、2つ目に点火すればあと数分で沸騰しそうです。
100円ショップの樹脂製カップ入り燃料は、エスビット(ミリタリー)に火力で負けていますが、コストパフォーマンス(※1)や携帯性、保管性(※2)を考えると、エスビットよりも優秀です。しかも、エスビットと違って変な臭いやススが出ません(※3)。
(※1)100円ショップの固形燃料は3つ入って105円(@¥35)、エスビット(ミリタリー)は6粒で525円(@¥86)
(※2)エスビット(ミリタリー)は、3粒まとめて防湿パッケージに密封されているため、1粒でも使った後は、残りを密封保存するためにジッパー付のナイロン袋等が必要。100円ショップの燃料は、1つ1つが樹脂製カップに密封されている。
(※3)エスビットを使うとクッカー底面がススだらけになり、このスス汚れは簡単には取れない。
(※2)エスビット(ミリタリー)は、3粒まとめて防湿パッケージに密封されているため、1粒でも使った後は、残りを密封保存するためにジッパー付のナイロン袋等が必要。100円ショップの燃料は、1つ1つが樹脂製カップに密封されている。
(※3)エスビットを使うとクッカー底面がススだらけになり、このスス汚れは簡単には取れない。
というわけで、私のお気に入りである米軍の固形燃料が手に入りにくくなった今は、100円ショップの燃料を直置きで使うのが実用的かも知れません。