一泊二日で奈良県の大峰山へ行ってきました。修験の世界で言うところの大峰山ですので、地形図でいうと「山上ヶ岳」にあたります。
この記事では、二日目の行動のみを記載しています。
注意!
今回紹介するルートは、女人禁制です。
午前2時過ぎには起床し、風呂に入って登山装備を調えました。
おなかが空いていたので、カロリーメイトでエネルギー補給。
おなかが空いていたので、カロリーメイトでエネルギー補給。
3:30
真っ暗闇の中、観光バスで洞川の旅館前を出発。登山口へ向かいます。
真っ暗闇の中、観光バスで洞川の旅館前を出発。登山口へ向かいます。
3:36
登山口(上の地図中「P」)に到着。
登山口(上の地図中「P」)に到着。
昨日もお経を上げた石碑の前でお経を唱え、女人結界をくぐって登山道に入ります。
私はヘッドランプをつけていますが、修験者の方々は懐中電灯。
私はヘッドランプをつけていますが、修験者の方々は懐中電灯。
結界の手前はまだ空が開けていたため、多少の明るさを感じましたが、結界から先の登山道は植林の中なので、完全な闇です。
ヘッドランプと暗視装置で周囲を見ながら慎重に歩きます。昨夜の雨の影響で道はぬかるんでおり、木製の階段も滑りやすい。
ヘッドランプと暗視装置で周囲を見ながら慎重に歩きます。昨夜の雨の影響で道はぬかるんでおり、木製の階段も滑りやすい。
基本的に道はなだらかで、懐中電灯でも問題なく歩けます。両手がふさがっていても大丈夫なほど、道はよく整備されているように見えました。
林業が盛んな町なので山に植林がされているのは仕方ありませんが、せっかくの霊山の雰囲気がちょっと損なわれているような気もします。
暗闇の中をヘッドランプの光に頼りながら歩くこと40分、周囲がうっすらと明るくなってきました。
4:30
一本松茶屋に到着。一ノ世茶屋というのが地形図に載っていますが、その茶屋は今はありません。
そのため、最初に出会うのがこの一本松茶屋です。
一本松茶屋に到着。一ノ世茶屋というのが地形図に載っていますが、その茶屋は今はありません。
そのため、最初に出会うのがこの一本松茶屋です。
ここで一息入れ、再び出発。
一本松茶屋まではなだらかな道でしたが、ここからは斜度が増してきます。
一本松茶屋まではなだらかな道でしたが、ここからは斜度が増してきます。
5:10
お助け水(地図中「お助け水」)に到着。
わき水がありますが、わき水をそのまま飲む勇気はありません。
お助け水(地図中「お助け水」)に到着。
わき水がありますが、わき水をそのまま飲む勇気はありません。
ここからは再びなだらかな道になります。うっすらと霧がかかって、なかなか良い雰囲気です。
また斜度が増し、丸太階段が目立ち始めると、洞辻茶屋は目前です。
5:30
洞辻茶屋に到着。
大きな有人の茶屋です。
洞辻茶屋に到着。
大きな有人の茶屋です。
ここで朝食としてきつねうどん(¥600)を食べ、6:00まで休憩。
※お金に余裕があれば、麓からここまで小型モノレールで運んでもらうことが可能です。料金は片道16,000円。4人乗りなので、4人で使えば割り勘で一人4,000円。
6:12
6:00に洞辻茶屋を出発して10分ほどで、また茶屋に出会いました。
陀羅尼助丸という、関西では誰でも知っている薬がありますが、我が家が使っているのはこの茶屋で売られているブランドです。
6:00に洞辻茶屋を出発して10分ほどで、また茶屋に出会いました。
陀羅尼助丸という、関西では誰でも知っている薬がありますが、我が家が使っているのはこの茶屋で売られているブランドです。
6:22
また茶屋に出会いました。10分おきに茶屋に出会うとは。
これは新しい茶屋でした。この茶屋を通り抜けたところで、道は二手に分かれます。(地形図上、鐘掛岩北西で破線道が二手に分かれている場所)
また茶屋に出会いました。10分おきに茶屋に出会うとは。
これは新しい茶屋でした。この茶屋を通り抜けたところで、道は二手に分かれます。(地形図上、鐘掛岩北西で破線道が二手に分かれている場所)
左へ進めば行場がある道、右は延々と続く階段で安全に稜線へ乗れる道です。
私たちは修験者の一行なので、行場のある左の道へ入ります。この頃から雨が本格的に降り出してきました。
私たちは修験者の一行なので、行場のある左の道へ入ります。この頃から雨が本格的に降り出してきました。
「油こぼし」と呼ばれる急な斜面を階段と鎖に頼ってよじ登ります。
それを登り切ったところが鐘掛岩。
雨の中、岩をよじ登るのは怖いだろうなぁ。これは捨身行(しゃしんぎょう)と呼ばれる種類の修行なのだそうです。
鐘掛岩以降、行場には歌詠みのための看板が立っています。いわれは分かりませんが、書かれている歌を全員で詠み上げます。
お亀岩という岩のそばにも歌詠みの看板が立っていました。
何の変哲もない、小さな岩の斜面ですが、石の柵で囲まれていて立ち入れないようになっています。
何の変哲もない、小さな岩の斜面ですが、石の柵で囲まれていて立ち入れないようになっています。
6:57
「ここから先は天上界」とされる門をくぐります。
「ここから先は天上界」とされる門をくぐります。
カメラのレンズが雨に濡れ、ここから先はモヤモヤした写真になりますが、ご了承ください。
また、カメラの調子が悪くなり、写真の枚数も少ないです。
また、カメラの調子が悪くなり、写真の枚数も少ないです。
7:05
西の覗き岩に到着。ここで行われる「覗き」も捨身行の一つ。
西の覗き岩に到着。ここで行われる「覗き」も捨身行の一つ。
これを体験した方の話では、霧で下が見えないので恐怖はあまりなかったそうですが、押し出すスピードが速かったので、本人も、周りで見ていた私たちも本当にびっくりしました。
覗きをする場所より少し高い岩の上に立ってこの写真を撮りましたが、晴れていたら私も怖くて震えていたかも。
覗きをする場所より少し高い岩の上に立ってこの写真を撮りましたが、晴れていたら私も怖くて震えていたかも。
ガイドさん(山千(やません)と呼ぶらしい)によると、「男性器が岩で強くこすれるくらいまで修験者を崖の方へ押し出すと、男の子を授かりやすくなる」という伝承があるそうです。
覗き岩から先は、延々と階段道が続きます。
その階段道を上りきると、大峰山寺です。
その階段道を上りきると、大峰山寺です。
境内に入ったところに龍泉寺というお寺があり、少し下ると宿坊もあります。
7:22
龍泉寺に到着。ここでもお経を唱えます。
服も装備もカメラもびしょ濡れ。タオルでカメラと体を拭き、大峰山寺へ向けて最後の登りにかかります。
龍泉寺に到着。ここでもお経を唱えます。
服も装備もカメラもびしょ濡れ。タオルでカメラと体を拭き、大峰山寺へ向けて最後の登りにかかります。
7:40
大峰山寺に到着。ここが山上ヶ岳の山頂と言って良い場所です。
大峰山寺に到着。ここが山上ヶ岳の山頂と言って良い場所です。
雨の中撮影したため、レンズに付いた水滴で見づらくなっていますが、ご了承ください。
このお寺の中は撮影禁止です。どんな所か興味のある方は、(男性に限りますが)がんばって登ってきてください。
8:30
下山開始。
登りと同じルートで下山しますが、鐘掛岩の手前で下山道が西へ分岐しています。道標があるので間違える恐れはないでしょう。
下山開始。
登りと同じルートで下山しますが、鐘掛岩の手前で下山道が西へ分岐しています。道標があるので間違える恐れはないでしょう。
この下山道は、6:22に通過した茶屋の先で右側へ分岐していた道です。
延々と階段が続く、精神的にも下半身にもつらい道です。きついですが、鐘掛岩~破線道分岐までの間だけなので何とか辛抱して歩きましょう。
10:39
下山完了。迎えのバスで旅館へ戻り、休憩後に昼食。
下山完了。迎えのバスで旅館へ戻り、休憩後に昼食。
14:00
観光バスで旅館を出発。
観光バスで旅館を出発。
18:00
姫路へ帰ってきました。
姫路へ帰ってきました。
雨のために岩や丸太階段が滑りやすくなっており、私は2度宙を舞うことになりました。1回目は華麗(?)に腕で体を支えて無傷。2回目は左臀部を強打して椅子に座るのがつらい状態になってしまいました。
雨のため展望は皆無でしたが、ガイドさんや修験者の方々と一緒に歩けるという珍しい機会に恵まれ、いろいろなお話を聞けて充実した山行になりました。
私も修行をすればもっと充実していたかも知れませんが、遊び半分でやって良いものか・・・。
私も修行をすればもっと充実していたかも知れませんが、遊び半分でやって良いものか・・・。