播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

簡易カーナビ:Garmin nuvi205W

海外では一般的でしたが、最近は日本でもPND(Personal Navigation Device)が売れているようです。
大手電機メーカーも製品を出していますが、一般の人があまり知らないであろうアメリカGarmin社のNuvi205Wを紹介します。

 

山道具のブログですが、車で山へ行く時に役立つ道具と言うことでご容赦下さい。

 


▲画面はハメコミ合成です。この画像に写っているマウントは、別売の車載用ポータブルマウント(nuvi用)です。



製品名:nuvi205W(正確には「u」にウムラウトが付きます)
メーカー:GARMIN(アメリカ)
サイズ:122 mm x 74 mm x 20 mm (カタログ値)
ディスプレイ:4.3インチ(480 x 272ドット) ホワイトバックライト付きWQVGAアンチグレアタッチスクリーン
PCインターフェイス:USB
重量:168g(カタログ値)
電源:内蔵リチウムイオンバッテリー(バッテリーのみで駆動させた場合の駆動時間:4時間)シガーソケットから給電するためのケーブルとACアダプタ付属
防水性能:なし
US定価:$199.99 USD
国内定価:\49,800

 

取り付け方法は、ダッシュボードにディスクを両面テープで貼り付け、そのディスクに吸盤でくっつけるというもの。
私は両面テープを使いたくなかったので、別売の「車載用ポータブルマウント(nuvi用)」(¥6,930)を使っています。

 

Garminという会社は、一般の方にとっては聞いたこともない怪しげなメーカーでしょうが、登山用の本格的なハンディGPSを作っているので登山者には有名です。

 

日本で一般的な多機能で高価なカーナビではなく、nuvi205Wはカーナビ本来の機能だけを持たせた単機能で廉価なカーナビです。
音楽や写真・動画の再生は出来ませんし、建物の形を立体表示する機能もありません。VICSにも対応していません。出来ることは、地図(現在地)表示と目的地までのルート検索だけ。

 


▲nuvi205Wの機能はこれだけ(クリックすると拡大表示されます)左は昼間モード、右は夜間モード

 


▲地図画面(クリックすると拡大表示されます)左は昼間モード、右は夜間モード

 

しかし、GPSの専業メーカーだけあって、このnuvi205Wの感度はすばらしいです。
一般的なカーナビはGPSだけでなく自動車のセンサーから送られてくる信号も元にして現在地を表示します。しかし、nuvi205WのようなPNDはGPS単体で現在地を表示します。すでに書いた通り、Garminは優れたGPS受信機を作っている会社ですから、GPS単体で十分な精度で位置を表示してくれます。(トンネルに入るとGPSが受信できなくなりますので、位置の精度は大幅に低下します。)

 

目的地へのルート検索も、最低限必要な機能を装備しています。

 


▲目的地検索画面(実際はスクロールして閲覧しますが、画像編集ソフトで結合して1枚の画像にまとめています)

 


▲たとえば「目的地検索」画面で「ジャンル別施設」を選んだときの画面(実際はスクロールして閲覧しますが、画像編集ソフトで結合して1枚の画像にまとめています)

 

電話番号検索や住所検索、座標(緯度経度)による検索も可能です。緯度や経度を検索に使えたり、現在地の緯度経度を簡単に確認出来るのも、GPS専業メーカーらしいところです。

 


▲GPS衛星からの信号強度と現在地の座標を確認する画面

 

高級なカーナビではいろんな言葉をしゃべってくれますが、nuvi205Wでは、交差点名はしゃべってくれません。次に曲がる場所までの距離と曲がる方向をしゃべるだけです。
ただ、一般的なカーナビが目的地の手前で「目的地周辺です」と言って案内を止めてしまうのに対し、nuvi205Wは目的地直前で、目的の建物が道路の左右どちらにあるかまでしゃべってくれます。
 
登山用ハンディGPSでは一般的なトリップコンピュータ画面と同じ機能も装備しています。「最高速度」を見てびっくりすることがないような運転をしないといけませんね。

 


▲地図画面で「スピード」欄をタッチすると表示されるトリップコンピュータ

 

Garminは世界的に製品を販売しているので、色々な言語に対応しています。これも国内大手メーカーの製品には無い機能。
日本語の音声はありきたりなので、「American English」で使ってみると良いかも。
面白いことに、音声言語と表示言語は個別に変更できます。ですから、画面表示は日本語のまま音声だけ英語に出来ます。

 


▲「音声言語選択」画面(実際はスクロールして閲覧しますが、画像編集ソフトで結合して1枚の画像にまとめています)

 

登山用ハンディGPSでは当たり前の機能で、一般的なカーナビが持っていない機能として、「軌跡表示」があります。
nuvi205Wを作っているのはハンディGPSメーカーであるGarminですから、当然「軌跡」の表示も可能です。
軌跡が表示出来れば、元来た道をたどって帰ることが簡単にできます。一方通行があると辛いですが。
軌跡はGPX形式で保存されており、PCに取り込んでGoogleEarthに表示することが可能です。(登山者ならカシミール3Dの方がなじみ深いですが、カシミールにも取り込めます。)

 


▲(左)軌跡を表示した状態、(右)ルート案内中に軌跡を表示しながら走行している状態(いずれも水色のラインが軌跡)クリックすると拡大表示されます

 

GarminのGPSはパソコンとの連携機能に優れていて、様々なデータの登録が可能です。
たとえば、GarminのGPSを輸入販売している正規代理店のサイトに行けば、日本全国のオービス設置場所データが無料でダウンロードでき、これをnuviに転送して使うことが出来ます。

 


▲オービスデータを登録し、オービスのある周辺を表示した画面(夜間モード)中央の赤背景のカメラアイコンがオービス。オービスに近づくと警告音が鳴ります。

 

最近のGarmin製GPSやパソコンの扱いに慣れている方であれば、自分で「お気に入りのお店」や「取引先」など(POI [Point Of Interest]と呼びます)を一括登録することも出来ます。その際、画面上に表示するアイコンを自作(BMP形式)して登録することも出来てしまいます。便利な機能ですが、この辺りの機能は、パソコンとGarmin製GPSに慣れた方でないと難しいと思います。
ただ、こういった事が自由にできるというのは、仕様を隠して何も弄れないようになっている国内大手メーカー製の製品ではまずありませんから、カスタマイズ性の高いnuviは面白いおもちゃになるかも知れません。(このブログに掲載している図は、nuvi205Wの画面キャプチャです。こんなことが出来るのも、Garmin製品ならではかな。)
※地点(POI)の一括登録機能はフリーソフトで提供されていますので、Garminや輸入代理店のサポートは受けられません。自分で情報を集める必要があります。

 

パソコンとの連携に使うインターフェイスは、本体左側に集中しています。

 


▲本体左側に電源スイッチ、SDカードスロット、USBポートが集まっている

 

クレードルから簡単に取り外せるので、nuvi205W本体を簡単に家の中へ持ち込めます。ルートの設定を車の中でしなくてもよいので、これは便利です。また、nuvi205W単体で歩行時に使うことも可能です。

 


▲nuvi205Wを取り外すと、こんなクレードルだけが車内に残ることになる(注:この画像に写っているのは、別売の車載用ポータブルマウント(nuvi用)です)



長く使おうと思えば、地図の更新が必要になります。この更新にかかる費用は、Garmin製品の場合は2万円程度です。方法は、DVDを購入して地図をPCにインストールし、それをnuviへ転送するというもの。
不正コピー防止のため、1枚のDVDは1台のGarmin製GPS受信機とだけヒモ付けされるようになっています。登録したGPS受信機以外には転送できません。
でも、メーカーに機械を送ったりせず、自分で地図を更新できるのは便利。(ただ、パソコン初心者には厳しいかも。)

 

簡単に使えて値段が安く、パソコンに詳しい方であれば色々と遊べますから、初心者から上級者まで、幅広いユーザーにお奨めできそうです。
逆に、ナビ以外の付加機能を求めるユーザーにはお奨めできません。

 



ここからは登山者向けで一般の方には無関係な情報ですが・・・
登山者でGarminのハンディGPSを持っている方の中にはmicroSD版の地形図を持っている方もいらっしゃるでしょう。nuvi205WにそのmicroSD(SDアダプタが必要)を挿すと、地形図が表示出来てしまいます。しかも、DEM(Digital Elevation Model)対応なので山を立体的に描画してくれます。(3D表示時はDEMデータは無視され、2D表示時のみDEMによる表示が可能です。)
ただ、地形図はルート検索情報を持っていませんから、ルート検索時は地形図を非表示にしておく必要があります。nuviを持って山へ登る人はいないでしょう(バッテリー持続時間が4時間、防水性もない)から、単なるおまけ機能ですね。それに、地形図を表示すると画面の描画がかなり遅くなります。
(同じnuviシリーズでもDEMに対応していない製品もあるようなので、注意が必要です。)

 


▲山間部のDEM表示

 


▲等高線表示