播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

鳥取県の陣鉢山(1207m)でスノーシュー

今回歩いたルートは、大半は雪の積もった道路ですが、道路から山頂までは登山道はありません。積雪を利用し、歩きやすいところを歩いて登ります。無雪期には登れません。

 

今日は、いつも山へ連れて行って頂いている「わーさん」と一緒に鳥取県の陣鉢山へ行って来ました。
「山登りを楽しもう」の管理人ご夫婦(kokoさんとmkさん)が2009年2月15日に歩かれており、その記録を読むと、比較的展望が良さそうで、スノーシューハイクを楽しめそうな山ということで、行き先がここに決定。

 

この山は無雪期はヤブがひどく、積雪期でないと登れないというのも魅力。

 


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「若桜」

 

7:00
「道の駅やまさき」で「わーさん」と待ち合わせ。私は7:05に到着。
わーさんはすでに来られていて、見知らぬ男性2人とおしゃべり中。聞くと、一人は日和見登山隊のTさんとのこと。世間も狭いですが、山歩きの世界も狭い。

 

07:10
道の駅やまさきを出発。国道29号線を北上し、新戸倉トンネルを越えて鳥取県に入ります。
そのまま29号線を走り続け、わかさ氷ノ山スキー場を目指して進みます。
スキー場を目指し、29号線から国道482号線に入り、道なりに進んでいきます。スキー場への入口を素通りし、「氷太くん」という珍しい名前のホテルも素通り。やがて、道路の除雪区間の終点に到着しますが、ここが駐車場所となる「氷山命水」。

 


▲氷山命水周辺の様子

 

8:40頃
氷山命水前に到着。
装備を調えていると、単独中年女性が道の向かい側に車を止め、山歩きの準備を始めました。
わーさんが声を掛けると、目的地は我々と同じ陣鉢山とのこと。というわけで、この女性も一緒に歩くことになりました。

 

8:50
出発。
除雪されていない国道482号線に入ります。

 

雪はよく締まっているようなので、スノーシューは着けずに歩くことにします。

 

が、徐々にツボ足では足が沈むようになってきます。しかも、所々で突然ズボッと足が沈むので、歩いていて妙にストレスがたまります。そこで、スノーシューを装着。これで快適に歩けます。

 


▲雪が積もり、道路の幅も形もよく分からない国道482号線を歩く

 

9:06
道路脇にアンテナが立っているのに出会いました。これは地形図にも記載がありますが、何のためのアンテナかよく分かりません(地図中「銘板のないアンテナ」)。

 

9:12
また同じようなアンテナに出会いました。こちらも地形図に記載されています。これには銘板がついており「平成11年 若桜町移動通信用鉄塔施設整備事業 つく米基地局」(「つく」は漢字で書かれていますが、特殊な文字なのでひらがなで表記します)と書かれていました。
この2本目の鉄塔からは、目的地である陣鉢山の端正な姿がよく見えます。

 

国道は非常になだらかでほぼ平ら。雪は締まっているのでスノーシューで快適に歩けます。
風景に特段変化はないので、詳細は省略します。

 

9:21
兵庫県・鳥取県境に到着(地図中「兵庫・鳥取県境」)。
ここは丁字路になっており、国道はここで終わり。この丁字路を左に進むと東因幡林道で、陣鉢山へ行けます。右は桑ヶ仙林道で、香美町側の国道482号線に出られるようです。

 


▲兵庫・鳥取県境の様子

 

今日の目的地は陣鉢山ですから、この丁字路は左へ進んで東因幡林道へ入ります。

 

東因幡林道に入ってからも、道はほぼ平坦。今までの国道ほどの広さはありませんが、歩く分には非常に快適です。

 


▲東因幡林道の様子

 

10:08
小規模な落石が雪の上に散らばっている場所に出会いました(地図中「崩落地」)。
雪の表面が凍っているとかなり怖いと思いますが、幸い、雪は柔らかく、スノーシューを履いたまま通過できました。

 


▲崩落地の様子。細心の注意を払って歩く必要がある。

 

この付近からは、南を見ると氷ノ山がよく見えます。
さらに先へ進むと、南西方面に東山(とうせん)が雄大な姿を見せてくれました。

 

10:50
曲がりくねってはいるものの、平らな林道を歩き続け、兵庫・鳥取県境から1時間30分。ようやく陣鉢山への取り付き地点となる切り通しに到着しました。

 


▲切り通し(地図中「切り通し」)の様子

 

一見すると尾根に這い上がるのは困難に見えますが、切り通しの北側から簡単に尾根に乗れます。

 

尾根は、地形図から想像したものよりもずっと細い痩せ尾根です。
雪が適度に柔らかいので、スノーシューがよく食い込んで楽に歩けます。

 

樹木が少ない場所で左手を見ると、氷ノ山と赤倉山、右手を見ると扇ノ山と青ヶ丸がよく見えます。

 


▲氷ノ山(最奧右)と赤倉山(最奧左)。間の凹みは氷ノ山越

 


▲扇ノ山(左)と青ヶ丸(右)

 

この尾根は、最初の内こそ比較的緩やかでしたが、徐々に急になっていきます。

 


▲陣鉢山へ続く尾根の様子(山頂までずっとこんな感じ)

 

途中、1123m標高点からの下りは非常に急で、スノーシューを履いたままだと滑る滑る。
山頂へ向けての登り返しもかなりキツイです。スノーシューのヒールリフターを起こし、爪先を斜面に蹴り込みながら登りました。

 

11:40
陣鉢山の山頂に到着。

 


▲陣鉢山山頂の様子。山名プレートも何もない、きれいな山頂。

 

国道、林道歩きが長く、取り付きから山頂までもなかなかきつかったので、かなりお腹が空いています。
本日の昼食はMountain Houseのフリーズドライ食品「パスタ・プリマベーラ」。MSRのReactorでお湯を沸かしましたが、やはりあっという間に沸いてくれました。
南側は樹木のため景色が見えないので、北方面の景色を楽しみながら昼食。

 

雪の上を歩くのは疲れるので、今日は荷物を普段より大幅に減らしました。
削減対象となった道具の中に、パノラマ撮影用機材も入っていたので、本日はパノラマ画像はありません。

 

12:14
食事が終わり、雪がぱらついてきたので下山開始。

 

登りで苦労した斜面は、下りでも苦労します。スノーシューを脱いで歩くべきですが、脱着が面倒なので、スノーシューを履いたまま下りましたが、滑って危険です。

 

12:50
切り通しまで戻ってきました。
ここから林道を歩いて戻るのはつまらないため、尾根を歩こうとわーさんが提案。それに従って、適当な鞍部から尾根に乗ることにします。

 

鞍部から尾根に乗ってみますが、延々と上り坂が続き、下山モードの体と心には応えます。
降雪のため展望もありません。

 


▲県境尾根の様子(地図中「県境尾根」)

 

なんとか1082m標高点まで登り切り、そこから東へ下ります。この下りがまた急で、スノーシューだと滑りまくります。
私も途中、スキーを履いているのかと思うくらい滑り、無理矢理転倒して何とか止まりました。

 

下りきったところで林道と合流し、後は林道を歩いて駐車場所へ戻るだけですが、この林道歩きはとにかく長いです。

 

14:45
駐車場所へ戻ってきました。

 

林道歩きは長いですが、登りではウォームアップになり、下りではクールダウンになります。
ブナの多い自然林で雰囲気がよく、兵庫と鳥取の有名な山々を見ることが出来るのも魅力です。

 

わーさん、そして登山口で出会った女性ハイカーさん、今日はありがとうございました。

 


▲本日歩いたルートの、カシミールによるグラフ表示