播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

GARMINのハンディGPS:Oregon300

GARMINからまたまた山用の新型GPSが発売されてしまいました。道具マニアにとっては、お金がいくらあっても足りません。でも、買わずに我慢できるはずもなく、アメリカのオンラインストアでポチッとしてしまいました。

 

とりあえずファーストインプレッションを書かせていただきます。

 

Coloradoに次いで2008年に発売された新GPSは、Oregonシリーズ。
Coloradoと同様に、プリインストールされている地図や機能によっていくつかのモデルに分けられています。
最下位バージョンのOregon200は、他のモデルとハードウェアが異なっています(気圧計や電子コンパス、無線データ通信が省略されており、内蔵メモリー容量も少なく、NMEA 0183非対応)。

 

私が購入したのは、ハードウェア的にはすべての機能が入っていて(ただし、400シリーズの内蔵メモリ(地図がプリインストールされている)が4GBなのに対し、300は850MB)、不必要なプリインストール地図のないOregon300。

 

 

製品名:Oregon300
メーカー:GARMIN(アメリカ)
サイズ:11.4 cm x 5.8 cm x 3.5 cm(カタログ値)
画面サイズと解像度:3.8 cm x 6.3 cm、解像度240 x 400ピクセル、半透過型TFT液晶タッチスクリーン
アンテナ:セラミックアンテナ(外部アンテナの使用は不可能)
GPSチップ:ST Cartesio (STA2062)
PCインターフェイス:USB (NMEA 0183 compatible )
重量:206g(ニッケル水素電池、microSDカード含む)(実測値)
電源:単3電池x2本(アルカリまたはニッケル水素)
防水性能:IPX7
US定価:$533.32
国内価格:2008年9月現在、国内の正規販売なし。

 

ハードウェアの構造だけについて言えば、私にとってColoradoでは次の2点が不満でした。
・電池フタの開閉が固い
・ストラップを取り付けるための穴がない

 

今回のOregonでは、電池フタはラッチを起こすだけでパコッと開きます。

 

Oregonでは、ストラップホールがつきました。(正確に言えば、MAP60シリーズにはあったものが復活した)

 


▲本体下部にはストラップホールがついている。ストラップホールの下にあるカバーをめくると、USB端子が出てくる。

 

ストラップはGPSの脱落防止だけでなく、冬場、手袋をはめた手でタッチスクリーンを操作するのが難しいので、小型のスタイラスをぶら下げておくのに良さそうです。

 

タッチスクリーンが採用されているので、Oregon本体には電源ボタン以外のボタンが一切付いていません。
私はPDAを使っているので、ずっと前からタッチスクリーンには慣れ親しんでいますし、その操作性の良さ、意外に頑丈なことも分かっています。便利なインターフェイスなのですが、最近になってようやく携帯電話や音楽プレーヤーに採用されてきました。

 

そして、ついにアウトドア用のGPSにもタッチスクリーン搭載モデルが出てくれました。
(他社がすでに発売していましたが、Windows MobileをOSとして搭載していたため、頻繁にハングアップして使い物にならなかったそうです。)

 

やはり、タッチスクリーンの操作性は良いです。
Colorado以前の機種であれば、カーソルキーやホイールで項目を選択してから決定ボタンを押すという操作が必要でしたが、タッチスクリーンなら、画面に表示されている項目をタッチするだけ。地図のスクロールも、指で地図をドラッグするだけ。
しかし、地図の拡大・縮小は、やはりColoradoのホイールの方が優れているように感じます。
 
タッチスクリーンは、人によっては押し方にクセがあり、本人が押したつもりになっている場所と、実際に画面上で押されている場所がずれていることがあります。それの補正も可能です。(電源OFF状態で電源ボタンを30秒押し続けると、キャリブレーション(補正)が始まります。その作業で、ユーザの押し方のクセをOregonに覚えさせるわけです。)

 

タッチ操作に関しては、気になる点が一つあります。それはタッチしっぱなしという操作ができないこと。
Oregonのメニュー画面や設定画面は縦や横に長く、スクロールをする必要があります。ところが、そのスクロール用のボタンが、押したままでは機能しないのです。画面に表示されたスクロール用のボタンを押すと、1画面分だけスクロールします。そこでいったんボタンから指を離し、再度スクロールボタンを押さないと、次へ進めません。
これはスクリーンの押しっぱなし操作が可能なPDAと違っているので、私には違和感が感じられます。
メニュー画面は長くても4画面分なので、スクロールボタンを押す回数は3回で済みますけどね。

 

タッチスクリーンで心配なのは、ザックやポケットの中で何かがスクリーンに触れて不必要な機能が実行されてしまうことです。
Oregonではこの点にも配慮されており、電源ボタンを短く押すと、スクリーンをロックするための画面が表示されます。解除する時は、再び電源ボタンを短く押し、解除ボタン(ロック前はロックボタンですが、ロック中は解除ボタンに変わります)にタッチするだけ。
でも、個人的にはロック用のスイッチを付けてくれた方がありがたかったかな。

 


▲スクリーンロック用の画面。ここでバックライトの明るさも調整できる。(この画面はキャプチャできなかったので、デジカメで液晶画面を撮影しています)

 

従来機種ではクアドヘリックスアンテナやパッチアンテナが使われていましたが、Oregonではセラミックアンテナと名付けられた、白い棒状のアンテナが回路基板の周囲に3本取り付けられています。
今のところは、特に受信感度が良くなった/悪くなったという印象はありません。

 

画面の描画速度は、Coloradoと変わらない印象です。
明るさもColoradoと同等かな。表面がつや消しのタッチスクリーンなので、写り込みが少なくて見やすいです。

 

起動にかかる時間は、ちょっと短くなったかな。

 

衛星の捕捉に関しては、HotFixという新機能が搭載されています。これは、衛星の未来位置を予測する機能だそうで、これによって初期捕捉までの時間を短縮するのだとか。

 

その衛星の捕捉状況ですが、最初は衛星捕捉画面がどこにあるのか分かりませんでした。
Webサイトで公開されているPDFマニュアルを見ると、メニュー画面で電波状況アイコンをタッチすれば表示されると書かれていました。
これに気づかなければ、「Oregonには衛星捕捉画面がない」と書いてしまうところでした。

 

本体背面のレールはColoradoと共通なので、Colorado用に買ったアクセサリ類は、キャリングケース以外はそのまま使えます。

 

従来機種と違い、GPSに地図を転送するためのTrip & Waypoint Managerが別売りになりました。旧機種からの買い換えユーザなら問題ないですが、初めて買う人は注意が必要です。

 

一通りさわってみた感じですが、私の使い方では、あら探しをしないと欠点が見つからないほどの使い心地で、すごく満足しています。

 

本格的にジオキャッシングを楽しんだり、長期間の旅行でログを取り貯めるような使い方では色々と問題が出るかも知れませんが、私はそういった使い方をしないので、欠点らしい欠点は思いつきません。

 

参考のために、Oregonのスクリーンショットを掲載しておきます。

 


▲メニュー画面は横に長い

 

メニュー画面でのボタンの配置は、好きなように変更が可能です。上の画像は初期設定。
(メニューの配置を変える時は、この画像を印刷してボタンをばらばらに切り離し、テーブルの上で並び替えながら考えると便利です。)

 


▲地図画面。左は兵庫県姫路市の明神山周辺。右は姫路駅周辺の様子。別途購入したUUDの地図を表示しています。

 

右上の「+」「-」が地図のズームイン/ズームアウト、左下のボタンを押すと、メニュー画面に戻ります。

 


▲WhereTo画面

 


▲トリップコンピュータ画面

 


▲Setupメニューの全体。この中のResetから、トリップコンピュータや現在のログをリセット(削除)できる。

 


▲Reset画面

 


▲文字入力はすごく簡単になりました。画面がキーボードになっています。アルファベット、数字、記号は、ページを切り替えて入力。

 


▲面積測定(Area Calculation)画面。Startを押してから、面積を測りたいエリアの周囲を歩くと、歩いたルートに囲まれた部分の面積が計算される。

 


▲電卓も操作しやすい(山の中で何を計算するんだろう?)

 


▲ストップウォッチ画面