PrimusのEtaExpress

Jetboilが出て以降、熱効率の高い様々な製品がリリースされていますが、スウェーデンのPrimusも、Jetboilと同様の高効率ガスストーブを販売しています。

すでに海外で販売されていたEtaPower（日本国内でも2008年4月に販売開始）は、個人で使うには大きすぎました。ところが、一人用の小型バージョンもリリースされ、ガンメタルで風防のついたデザインに惹かれて、ショッピングサイトの「Buy Now」ボタンをポチッとしてしまいました。
注）EtaExpressは2008年4月現在、まだ日本国内では正規の販売がありません。
海外のオンラインショップではメーカーとの契約上、日本への販売をしてくれないお店もあります。（日本人は日本の輸入代理店経由で購入しろということ。EtaPowerは国内販売が始まったようなので、しばらく待てばEtaExpressも発売されるかも。）

▲使用時の状態。うーむ、恰好良い。

製品名：EtaExpress
重量：418g（風防、ガスカートリッジ除く）カタログ値
メーカー：Primus（スウェーデン）
US価格：約$90.00
国内価格：2008年4月現在、正規の取り扱いなし

私の手元にはJetboilとReactorがありますが、せっかくなので3種類を並べてみました。数値や主観に頼ったコメントより、実際に見てもらう方が大きさがよく分かると思います。

▲収納状態（左からJetboil、EtaExpress、Reactor）それぞれの上に書いてあるのは、ガスカートリッジを除いた重量（EtaExpressはスタッフサックの重量も含む。Jetboilはカーゴコージーキットとフォーク、スプーンを含む）。

▲使用時のサイズ比較

私の印象では、Jetboilは風に弱いけれどコンパクト、Reactorは風に対して無敵だけどかさばるのですが、EtaExpressは風にちょっとだけ強くてコンパクト。

EtaExpressのデザインを特徴付けている風防は、製品に2枚同梱されています。1枚は予備かな。
この風防ですが、取り付けたとき燃焼部と同じ高さになる部分にスリットが並んで開いているため、風の影響を受けやすいです。風防なのに、炎と同じ高さにスリットを開けてどうするんでしょう？

その取り付け方法は至って単純。風防に穴が2箇所あいており、その穴にゴトクの先端を通すだけ。つまり、風防はゴトクの先端に乗っかっているだけです。

▲風防の取り付け方法（風防の両端に穴が開いており、その中にゴトクの先端が通っています）

取扱説明書には風防の付け方が載っていないので、最初はどうやって付けるのかかなり悩んでしまいました。我ながら、自分の頭の固さにあきれました。

ストーブの燃焼部とクッカー底面の集熱部品は、次のような形です。
ゴトクは一般的な形状なので、専用クッカー以外の物でも問題なく使えそうです。

▲ストーブの燃焼部

▲クッカー底面

クッカーは、内面が標準でノンスティック加工になっています。
同じくノンスティック加工された蓋は、小型のフライパンとして使用できます。

なかなか良いクッカーですが、本体と蓋を固定する機構がありません。そのため、本体と蓋を重ねた状態で専用のスタッフサックに詰め込む必要があります。スタッフサックはメッシュ生地で、ドローコードを締めると蓋と本体がしっかり固定されるよう、絶妙なサイズに作られています。

▲専用スタッフサックに入れた状態

収納時は、クッカー内に風防、ガスカートリッジ、ストーブ本体を入れるわけですが、Reactorと同様に、クッカー内に傷が付かないようクッション代わりのシートが同梱されています。このシートはMSRのパックタオルを薄く、固くしたようなもので、しっかりとPrimusのロゴが入っています。

ストーブ本体はゴトクを折りたたんで小さく収納することが出来ます。このゴトクの動きがスムーズ。加工精度の高さが感じられます。（使っていく内に熱で歪んで動きが固くなるでしょうが・・・）
ストーブは専用のスタッフサックがあるので、これに入れた状態でクッカーに放り込めば、クッカー内やガスカートリッジを傷だらけにする心配はありません。

▲ストーブ本体と専用スタッフサック

▲収納時のクッカー内部の様子（ストーブは含まず）クッカーの内側がキズ防止用シートで、その内側が風防。さらにその中にガスカートリッジを重ねる。

▲ストーブ本体を入れた状態

「Jetboilに風防があったらなぁ」という要望は前々から持っていましたが、Primusがそれに応えてくれるとは思いませんでした。ただ、すでに書いていますが、不要なスリットが開いているため、風防の効果は今ひとつ。残念です。

しかし、このコンパクトさは魅力です。日本国内販売開始直後に購入し、何年かがんばってきた我が家のJetboilも、いよいよ引退かな。