播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の禿の行者山

注意! 今回のルートは、一般向けの登山道ではありません。

 

先日七種山から見た屏風岩が気になり、その屏風岩のある禿の行者山に行くことにしました。
同行者は、私のブログの読者で、共通の知人もいるdeepさん。サングラスとバイクの似合うダンディーな方です。

 


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「寺前」

 

8:30
姫路市街の自宅を出発。県道67号線を北上し、deepさんとの待ち合わせ場所である山之内の駐在所前へ向かいます。
途中、白い棒を持った警察官が進路に現れたので「スピード取り締まりか!やられた!」と思いましたが、しばらくすると御輿が現れました。どうやら交通整理のために棒を振っていただけのようです。

 

9:15
山之内駐在所前に到着。間もなくdeepさんがバイクで登場。私の先導で佐中集落へ向かいます。
9時半過ぎ、地図中「P」マークの駐車スペースに到着。並列駐車で5~6台は(詰めればもっと)止められそうな空き地です。

 


▲駐車スペースの様子

 

しばらくの間、山道具などについて雑談し、準備を整えます。

 

9:52
出発。地形図の実線道で川を渡り、地形図に記載されている石段に向かいます。
以前(少なくとも私が前回登った2005年春)は無かった手すりがついていて、せっかくの石段の雰囲気が損なわれています。転落事故でも起こったのでしょうか。
(手すりは、石段に穴を開けて設置しセメントで固定されている)

 


▲地形図にも記載されている石段

 

10:05
石段の上にある神社に到着。境内には土俵もありますが、荒れてしまっています。

 


▲石段を登り切った所にある神社(地形図の神社記号)

 

妙見堂の左後ろから踏み跡が始まっていますが、ここが登山口。deepさんの先導で歩くことに。
ちょっと藪っぽいですが、道の形ははっきりしています。

 

やがて道は植林(左側)と伐採地(右側)の境目を上るように続くのですが、私が前回登った3年前と比べて伐採地の植物が大きく成長し、右側の展望があまりありません。しかも、道が何本もついてしまっていて、どれが正しいルートかも分かりません。

 

道に従って登ると、低木・雑木が邪魔。3年前はこんなに苦労した覚えはないのですが、わずかな時間で山道の様子は変わってしまうんですね。藪っぽい上に斜度がきついので、かなり大変です。

 


▲植林と伐採地の境を登る(写真の場所は歩きやすい区間。実際はもっと大変。)

 

10:25
植林の中に入り、斜度も緩くなってきました。
足下にケーブルが放置されています。これがあるということは、間もなく放棄された共同アンテナの残骸に出会うはず。

 

10:28
ガビガビにさび付いた廃アンテナ塔を通過(地図中「廃アンテナ」)。登りに使った道は、昔これの整備のために使われた点検用の道だったのかも知れません。

 


▲使われなくなった共同テレビアンテナ跡

 

ここからはず~っと展望のない尾根道が続きます。
地形図の通り、なだらかな箇所と比較的急な上り坂が交互に現れます。
それにしても、deepさんは健脚です。休むことなく、結構なスピードでぐんぐん登って行かれます。

 

なだらかなところも上り坂もスピードが変わりません。所々に下り坂もありますが、スイスイと通過。山歩きのベテランであることがよく分かります。

 


▲尾根道の様子

 

10:43
513m標高点を通過。ここには「川口」と刻まれた標石があります。

 

11:01
謎の石垣を通過(地図中「石垣」)。5m四方くらいの大きさの平らな土地で、周囲に石垣があります。

 

11:05頃
植林の中のなだらかな道だったのが、急にイワイワした急な坂に変わります。この坂を登っていくと、林業用のスチールワイヤー(すでに使われていない)が残置されているのに出会いますが、ここまでくれば山頂(行者像のある場所を禿の行者山山頂とします)は目の前。

 

11:10
禿の行者山の山頂に到着。ここには行者の石像があり、その後ろには恐ろしげなナイフリッジ(屏風岩の先端)が見えています。

 


▲行者像と背後の屏風岩

 

以前私が来たときは、ここで昼食を食べて引き返したのですが、今日はもっと先、やまあそさんのサイトで紹介されていた展望岩場で食事をすることにします。

 

行者像のあるピークから倒木をまたいだりくぐったりして屏風岩の北側へ下ると、はっきりした巻き道がついています。この巻き道で屏風岩の北東へ出ます。

 


▲屏風岩の北側についている巻き道

 

そして浮き石の多いちょっとした岩尾根を通過し、目の前に現れる大岩を南側から巻いて稜線上へ復帰すると、三等三角点(点名:山の内)に出会います。

 

11:21
境界標石なども含めて3本の標石・標柱が埋まっています。その北端の標石が三角点。
三角点ピークですが、展望はなく、最近測量をした形跡もありません。

 

やまあそさんのサイトによると、ここから南東の尾根を少し下ると、狭いけれど展望の良い岩場があるとのことなので、コンパスで方位を確認して三角点ピークから南東へ下ります。

 

雑木の急な斜面を50mほど下ると、岩場が見えてきました。

 

11:28
展望岩場に到着。南に向けて大展望が広がっているはずですが、今日は霞のため七種山や明神山より遠くの山並みは全く見えません。

 


▲展望岩場から南方面の展望

 

しかし、誰もいない気持ちの良い空間なので、ここで食事にします。
本日のメニューは、スパゲッティ(ペペロンチーノ)。2リットルのクッカーでスパゲッティをゆで、オリーブオイルを絡めてから市販のペペロンチーノの素を振りかけるだけ。

 

deepさんは、エスプレッソパスタを初体験。特に打ち合わせをしていたわけでは無かったのですが、二人ともパスタ。下山後に分かりましたが、使っている携帯電話も同じ製品。deepさんと初めて出会った(山ですれ違っただけですが)時に私と同じ「匂い」を感じましたが。やはり私のカンは当たっていたようです。

 

12:51
たっぷりと休憩を取り、下山ルートをどうするか悩んでいると、こんな時間になってしまいました。
相談の結果、513m標高点から南東へ尾根づたいに下ることに決定。

 

展望岩場を後にし、もと来た道を戻ります。

 


▲下山時、行者像付近から展望岩場を撮影した写真

 

13:27
「川口」標石のある513m標高点まで戻ってきました。
ここでコンパスを155度にセットし、南東へ下ります。すると、右が植林、左が自然林になっており、境目に快適な道があります。

 


▲513m標高点から南東へ延びる尾根の様子

 

これなら楽勝と思っていましたが、やがて斜度がきつくなり、植林にしがみつきながら下ることになります。
急斜面を突破すると、そこはイバラの繁茂する伐採地。倒木や間伐材もあり、もう大変。

 

細いイバラは服やザックにまとわりつくし、太いイバラは私の体に襲いかかってきます。両腕と左耳から流血させながらdeepさんの後をついて歩き、なんとか林道に降り立ちました。

 


▲私たちが通過したイバラ地獄の様子

 

13:59
林道にたどり着きました。
腕と耳の出血は止まりましたが、キズがヒリヒリします。おまけに腕や顔がゴミだらけ。
でも、たまにはこういう藪こぎも面白い。

 

後は林道を歩いて駐車スペースに戻るだけ。

 


▲林道の様子

 

14:30
駐車スペースに到着。



林道を歩きながら尾根の様子を偵察すると、513mから南東へ標高差70mほど下った所から南西へ延びる小さな尾根に行くのがベストかも知れません。この小さな尾根は、林道から見る限り手入れのされた植林でした。
他の尾根や谷は、斜度がきつかったりとんでもないイバラ地獄だったりで、とても歩けそうにありません。

 

一番お手軽なのは、登り下りともに同じルートをたどることでしょう。(神社から植林と伐採地の間を歩かず、植林の中を登れば楽かも知れません)



deepさん、マニアックな私のお相手をして下さり、ありがとうございました。

 


▲今回のルートの高低差を表したグラフ(カシミール3D)