播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

岡山市の三軒屋駐屯地の創立52周年記念行事

先週は姫路駐屯地の記念行事に行ってきましたが、今週は岡山市にある三軒屋駐屯地の創立52周年記念行事に行ってきました。

 

最初は行く気が無かったのですが、過去のイベント内容を見ると、去年は室内にいるテロリストを掃討するという訓練展示をやっていたそうです。室内戦闘のデモンストレーションなんて、なかなか見られるものではありません。規模の小さな駐屯地なので、量より質で勝負しているようです。

 

今年はどんなことをやってくれるのか期待がふくらみ、行ってみることにしました。

 

三軒屋駐屯地は、JR津山線の法界院駅から2kmほどしか離れていません。駅から歩いても知れているので、JRで行くことにしました。駐車場所に困らないのも公共交通機関を使うときのメリットです。

 

最近よく売れているらしいスマートフォン、Advanced W-ZERO 3 esにBluetoothアダプタをつけ、NokiaのBluetooth対応GPSモジュールを鞄に入れ、これをナビ代わりにして駐屯地へ向かいました。午前10:30ちょうどに駐屯地に到着。式典は10:30からなので、到着と同時に式典が始まりました。
まだ見学者が少なく、かなり良い場所を確保することが出来ました。

 


▲駐屯地内のグラウンドに整列する隊員達(制服や迷彩服、普通のスーツの隊員もいます)

 

来賓の式辞が一通り終わると、音楽隊の演奏が始まります。

 


▲音楽隊による演奏。行進曲系の曲だけを演奏。

 

音楽隊の演奏が終わると、いよいよ楽しみにしていた訓練展示です。

 

今回は、地雷原の向こうにある敵陣地を制圧するという設定。「地雷原」というのがポイントです。

 

まずは姫路駐屯地の訓練展示でも大活躍だった155mm榴弾砲(FH70)で敵陣地に損害を与え、発煙弾で敵の視界を遮るという設定で空砲を発射。今回は砲口が私のいる方向に向いているので、なかなかの迫力。

 

続いて、地雷原を突破するために92式地雷原処理車が登場。

 


▲92式地雷原処理車

 

ウィンナーのようにつながった爆薬をロケット弾で曳航して地雷原の中に落とすと、一直線に爆薬が並びます。それを爆発させると、地雷原の中に一直線の道が出来るというシロモノ。

 

当然ですが、ロケット弾なので空砲が存在しません。スピーカーから出る効果音のみ。

 

地雷原の中に道を造ったという想定で、安全地帯を示す標識を立てていきます。
その後、75式ドーザで地雷原を整地するデモンストレーション。

 


▲75式ドーザ

 

整地が済んだら、車両や歩兵が標識の立った地雷原を通過していきます。

 

次にトラックがやってきました。弾薬運搬車という想定。これが敵の攻撃でエンジンが故障してしまったというナレーション。

 

すぐにクレーンとジープが到着し、素早くエンジンを換装(実際は取り外したエンジンをそのまま取り付けます)。

 


▲エンジンをクレーンでつり上げている様子

 

エンジンには様々な配線や動力伝達用の部品がつながっていますから、時間がかかる作業だと思っていましたが、軍用トラックはその辺りのことを考えて設計されているのか、また、隊員の訓練度の高さもあるのか、作業時間は短い!

 

エンジン取り付け後、何事もなかったかのようにトラックが動き出すと、見物客から拍手が起こっていました。

 

これで訓練展示は終了。
姫路駐屯地のような派手さはありませんが、特殊な作業(地雷原処理や標識設置、エンジン交換)を見られたので、来た甲斐がありました。

 

訓練展示後、ぞろぞろと見物客は帰り始めますが、私は上空を旋回しているヘリ(尾部の形状からOH-6Dと分かっていました)が気になっていたので、まだ何かあるはずと思ってその場を動かずにいると、消防車がグラウンドの一角に水をまき始め、吹き流しがポールに設置されました。

 

ヘリが着陸するようです。
ナレーターがいる台に無線機が置かれているので、それを使ってヘリと交信していたのかも知れません。
グラウンドの準備が整うと、OH-6Dが私の真上を通過してグラウンドに着陸。水をまいてあったのにすごい砂埃です。

 

ヘリにドラム缶を積んだフォークリフトが接近し、燃料補給。手動のポンプでヘリに燃料を入れる様子がまた珍しい。

 


▲ドラム缶からヘリに燃料を補給

 

この後は車両が続々とグラウンドに入り、装備品展示が始まります。
このときまでグラウンドに残っていた人は少なかったので、姫路駐屯地の時よりずっと楽に写真を撮ることが出来ました。

 

姫路で見た車両は放っておき、珍しい車両を重点的に観察。
93式近距離地対空誘導弾は姫路にもありましたがランチャーは空っぽでした。しかし、ここではランチャーにミサイル(訓練弾)が入っています。

 


▲93式近距離地対空誘導弾のランチャーのクロースアップ(先端にカメラ(?)のついたミサイルが見えます)

 

155mm榴弾砲(FH70)も、姫路での展示は閉鎖機を閉じた状態でしたが、ここでは完全に開いた状態で展示されていたので、砲身内部のライフリングも見ることが出来ました(写真も撮りましたが、ライフリングにピントが合いませんでした)。
姫路では照準機にカバーがかかっていましたが、ここでは何も包み隠さず展示されています。自走用の運転席もじっくり見ることが出来、運転方法も聞くことが出来ました。ハンドルはなく、座席右側の小さなレバーを左右に倒してステアリング操作をするそうです。
大砲のトリガー(引き金)はどんなものか気になったので尋ねてみると、砲手用の座席右側の仰角調整用(?)のハンドル右にあるレバーが発射レバーだと教えてくれました。

 

じっくりと装備品を見学させてもらった後は、駐屯地内の売店で山行に使えそうな小物類(靴紐をワンタッチで固定する部品や、小物の紛失防止用のヒモ)を買い、模擬店で焼きそばと唐揚げを食べて帰りました。

 

帰りも歩く予定だったのですが、無料の送迎バスが出ていたので、それで岡山駅へ。

 

じっくりと楽しむには、こういった小規模な駐屯地の方が良さそうです。マニア向け(?)の訓練展示も楽しいし、人が少ないので写真が撮りやすいし、隊員さんとも話がしやすい。

 

遠路はるばる行った価値がありました。来年も是非見に行こう。