播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

自宅でスタンプが作れる:スタンプクリエーター

今回紹介するのは、自分で好きなデザインのスタンプ(スタンプ台不要の浸透印)を家庭やオフィスで作るための道具です。

 


製品名:SC-370PC
メーカー:ブラザー工業(日本)
本体サイズ:116(幅)×234(奥行き)×92(高さ)mm
重量:900g
電源:AC100V(ACアダプタ利用)
印刷方式:感熱方式
解像度:360dpi
PCとの接続:USB(ケーブル付属)
定価:¥31,290(実売は2万円台半ば)

 

大きさは、昔教室にあった電動鉛筆削りを少し大きく、長くした感じです。

 

可動部は正面の半透明のドア部分だけなので、細長いすき間があればそこに置いて使うことができます。

 

使い方は簡単で、付属するP-touch Editorというソフトを使ってスタンプのデザインを作り、スタンプの素を機械にセット、印刷を実行するだけ。

 


▲P-touch Editorの画面

 

電源ランプが点滅しながら、ヴヴヴヴ・・・という作動音が数十秒間ほど鳴ります。音が止まると完成。

 

完成したスタンプの印面は、スタンプとは思えない状態です。

 


▲完成したスタンプの印面

 

写真のように印面は平らになっていますが、良く見ると何やら文字が見えるのがわかりますか?

 

印面にはインクを通さないフィルムが張られていますが、このフィルムは熱を加えるとインクを通すようになります。つまり、スタンプクリエーターの中には昔のワープロのようなサーマルヘッドがあり、これを使って印面のフィルムに熱を加えているのです。

 

ゴムを掘って印面を作るわけではなく、ある程度解像度の高いサーマルヘッドを使うため、細かいデザインの印面も作れます。メーカーのWebサイトを見てもらえればわかる通り、写真入りのスタンプまで作れます。

 

ただ、スタンプを押す紙の質によってはインクがにじみ、細かいデザインは読み取れなくなってしまいます。

 

SC-370PCには専用のシールも用意されており、これを専用の治具(本物のスタンプと同じ大きさの張りぼてスタンプ)にセットすると、印影をシールに印刷できます。これをスタンプのグリップに貼り付け、専用の保護フィルムを上から貼ると、何のスタンプか分かりやすくなります。

 


▲印面表示シールを貼ったスタンプ

 

張りぼてスタンプに専用の感熱紙をセットすると、スタンプの素を消費せずに印面のできあがりを確認することも出来ます。



最初に書きましたが、この機械で作れるスタンプはスタンプ台不要のタイプです。
何回押せるのか気になると思いますが、これは比較的長持ちします。

 

一つのスタンプを千枚以上の紙に押したことがありますが、新品のころに比べて多少薄くなった程度でした。カタログスペックの捺印回数2千回というのは大げさではないと思います。
(インクの補充が出来ないので、印面は使い捨てです。グリップ部分は再利用が可能。)

 

ただ、業務用として使うには2000回という捺印回数は少ないかも知れません。
捺印回数が多い業種の場合は、印鑑の専門業者にインクの補充が出来るものを作ってもらう方が良いと思います。



私が作ったスタンプの例を紹介します。

 


▲実際にSC-370PCで作成したスタンプの印影

 

私が宅配業者を利用するときは、段ボール箱にこのスタンプを押しています。

 

封筒の裏に自宅住所を表示するためのスタンプも作っています。(以前は封筒をプリンタにセットして印刷していましたが、なぜか今使っているプリンタでは裏向きの封筒がうまく紙送りされません。表向きなら問題ないのですが。)

 

自分の名前や電話番号を相手の携帯電話に簡単に登録してもらえるように、QRコード(2次元バーコード)のスタンプを作って名刺の裏に押してみたこともありますが、紙質とインクの相性が悪かったのか、こすれるとにじんでしまい、携帯のカメラで読み取れなくなってしまうため結局実用には至りませんでした。



もし仕事場などで同じ文字を書くことが多く「スタンプがほしいな」と思うことがたびたびあるようなら、スタンプクリエーターのような製品の導入を考えても良いかもしれません。

 

他にも、部署名や電話番号の変更などで既存の用紙類の文字を変更しなければならなくなったときにも使えるかも知れません。残っている古い用紙を破棄するのはもったいないですし、一枚ずつ修正するのも面倒。こういうときに、打ち消し線と新しい文字列を配置したスタンプを作れば便利です。

 

業者に頼む場合に比べ、1)モノクロで表現できるデザインなら、大抵はスタンプ化可能、2)複雑なデザインなら、SC-370PCで作る方が値段が安い、3)思い立ったらすぐにスタンプを作れる、といったメリットがあります。

 

逆に、スタンプクリエーターでスタンプを作る場合のデメリットも書いておきましょう。
1)捺印回数が2000回なので、使用目的によっては専門業者に依頼する方が良い
2)インクの乾きが遅い
3)表面に光沢があるような用紙に捺印すると、(紙のコーティング面に密着してしまい)印面のフィルムがはがれるおそれがある
4)(印面ではなく)スタンプ本体のデザインが選べない



最後に、SC-370PCでスタンプを作るのにかかる費用を記載しておきます。
スタンプの素は、サイズが5種類、色が赤黒青の3色用意されています。ここでは最大サイズと最小サイズの価格だけを紹介しておきます。

 

初期費用:
 SC-370PC本体 実売 約¥25,000
消耗品:
 スタンプの素・グリップと印面のセット(最大サイズ:70x27mm) ¥1,890/1個
 スタンプの素・グリップと印面のセット(最小サイズ:30x9mm) ¥1,050/1個
 印面表示ラベル(最大サイズ用・保護フィルム付) ¥420/10枚
 印面表示ラベル(最小サイズ用・保護フィルム付) ¥420/20枚