播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県神河町の白岩山と高畑山

風力発電所の計画が中止になったという新聞記事を読み、段ヶ峰にでも行こうかなと思っていましたが、何度も歩いた段ヶ峰よりも、一度しか歩いておらず、本来の展望を知らない山が段ヶ峰の近くにあったことを思い出しました。

 

それは白岩山と高畑山。
2005年の9月に登りましたが、山頂は雲の中で展望は皆無、おまけにスズメバチに刺されるというとんでも無い目に遭わされた山です。

 

白岩山の名前の由来は、遠くからこの山を見ると、山頂の岩が白く見えるからだとか。

 


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「生野」
注)猪篠交差点から「P」記号までは、自動車での移動軌跡です。

 

ネットで検索してみると、本来は展望を楽しめる山のようです。

 

8:10
ということで白岩山へ向けて姫路市街の自宅を出発。

 

国道312号線をひたすら北へ向かい、猪篠(いざさ)交差点を右折します。
猪篠交差点に着いたのは9:20。

 

事情があってカーナビ搭載のワゴンRではなく、自動車屋さんから借りた代車(カーナビなし)に乗っていたため、猪篠の集落に入ってから登山口へのルートが分かりません。
2年前に一度来ていますが、そのときの記憶は忘却の彼方。

 

仕方がないので、GPS Map60Cx に表示される線と地形図を見比べながら登山口へ向かいます。
(地形図上での登山口の位置は覚えていました)

 

集落の中を東へ進み、防獣ゲートを開けて林道を上っていきます。
左手に小規模な浄水場を見ながらさらに林道を上ります。

 


▲神崎町水道 猪篠浄水場と書かれた浄水施設。

 


▲浄水施設から先の林道はこんな感じです。一車線幅しかありません。しかも所々には急な坂があり、路面が荒れている所もあります。私が車を止めた場所(地図中「P」記号)より手前にも駐車スペースがあります(地図参照)。

 

9:41
ヘアピンカーブの頂点にある登山口に到着。ここは車が数台止められます。
私のように、なるべく標高差を減らして楽に歩きたいという方は、ここに車を止めると良いでしょう。

 


▲林道のヘアピンカーブ頂点にある白岩山登山口。

 

9:49
霧雨が降っている中、装備を調えて出発。

 

9:51
沢を左に見ながら歩いていると、すぐに滝に出会いました。落差は数メートルしかありません。
しかし、苔むしてしっとりした雰囲気がなかなか良い。

 

この後は2回丸太橋を渡ります。
それぞれの橋の場所が近く、地図上に表記することが出来ませんでした。
地図で「滝」と書かれている場所から「壊れた鹿除けゲート」までの間に2回渡渉地点があります。

 

丸太橋は雨の影響でヌルヌルになっていました。乾燥していると安心して渡れますが、濡れているときは要注意です。

 


▲壊れた鹿除けゲート。これを過ぎるとすぐ、鹿除けネットをくぐって3回目の渡渉(丸太橋)になります。

 

10:03
3回目の渡渉。

 

岩や木の根元が苔むしていて、私の好みにぴったりの登山道でしたが、3回目の渡渉からは味気ない道に変わります。

 

ここからは地形図の破線道になります。
もともとは車が通れる林道だったようで、幅が広いです。

 

が、この林道跡を歩くのもわずか。

 

10:04
すぐ右手側に植林の斜面へ続く道が現れます。

 


▲林道跡はさらにのびていますが、右側の斜面が正解。

 

ここからは薄暗い植林帯をジグザグに登っていくという、私にとっては一番嫌いなタイプの登山道です。

 


▲植林の急な斜面をジグザグに登ります。赤や黄色の矢印が書かれているので、雪が積もっていたり濃いガスで視界が悪いときでも、つづら折れの曲がり角を見落とす心配はなさそうです。

 

10:08
幼木を保護する白いチューブが立ち並ぶところに出会いました。やっと植林帯を抜けたと思って安心しましたが、またすぐ植林に戻ります。

 

10:13
再び白いチューブが並ぶ伐採地に出ました。
東~南にかけての展望を楽しみながら歩けます。

 

しかし、明るく楽しい伐採地はまたしても終わってしまいました。

 

10:17
また地形図の破線道と合流しました。
破線道はここから少し西で北へ直角に折れ曲がっていますが、実際はそんなところに道はありません。
実際は斜面をトラバースして西へ進み、稜線に乗ります。

 

この斜面に付けられた水平道がまた植林の中で、暗い。天気が悪いせいもあり、非常に不気味。

 

10:24
右手側に苔むした壁のような大岩が現れると、その先で道は北へ折れ曲がり、一登りで稜線に出ます。

 

10:27
稜線に出ました。笹原が広がり、開放感抜群です。

 


▲稜線上の破線道と合流したところ。本来なら右手側に展望を楽しめるのですが、このときはガスがかかっていて真っ白。

 

しかし、ガスのせいで展望は皆無。髪の毛はビショビショ。

 

雨が降るとしてもにわか雨、と天気予報で言っていたので、しばらくすればガスは晴れるだろう、と楽観的に考えて山頂を目指します。

 

稜線上は、山上庭園といえそうな雰囲気です。その様子に見とれながら歩いていると、ぬかるんだ道に足を取られます。

 

10:35
白岩山の山頂に到着。
誰もいません。展望もありません。相変わらず真っ白です。

 

昼食を食べるには時間が早いので、高畑山に着く頃にはガスが晴れるだろうと信じ、高畑山へ向かいます。

 

山頂の説明看板の後ろに道が延びていますが、これが高畑山への縦走路です。

 


▲白岩山山頂~その北にある970+m小ピーク間の道の様子。

 

白岩山の北にある標高点も何もない970+mの小ピークは、東側斜面に巻道が付いています。
しかし、この巻道があまりはっきりせず、何本も道が出来てしまっています。

 

981m小ピークの南側斜面は伐採地になっており、展望が楽しめます。(このときはまだガスがかかっていたため、展望はなし。高畑山から白岩への帰り道で展望を楽しみました)

 

981m標高点からは進路が北に変わります。

 

笹が生えている所は、踏み跡がありますが、笹のないところは植林の中を適当に歩くだけです。

 

しかし、最低限のマーキングはありますし、コンパスと地形図を使えば縦走路をはずれることはないでしょう。

 

展望がないので、歩いていてもあまり楽しくはありません。

 

11:11
「高畑山反射板 兵庫県姫路土木事務所」の銘板が着いた反射板のある高畑山山頂に到着。

 

すると、まるでタイミングを見計らったかのようにガスが晴れ始め、周囲の山並みを見せてくれました。

 

2年前に来たときは全く見ることが出来なかった景色を見られて満足。
この展望を楽しみながら昼食を食べることにします。

 


▲高畑山山頂から南方面の展望

 

今日の昼ご飯は、地元の消防分団がイベントで販売していたアルファ米のわかめご飯とインスタントの豚汁。

 

アルファ米にお湯を注いだ直後、またまた周囲がガスに覆われてしまいました。
ところが、アルファ米が出来上がる頃にはまたガスが晴れ、気持ちよくご飯を食べることが出来ました。

 

ただ、気温は摂氏12度ほどしかなく、風速2~3mの風が吹き続けていたため寒かった。

 

無線機をつけてみましたが、鳥取の大山と長野県の中央アルプスからのCQが聞こえただけで、静かなものです。

 

12:00
景色と昼食を楽しみ終え、高畑山を後にします。

 

白岩山へ戻るときもガスは晴れており、981mピーク西の鞍部付近ではなかなかの景色を楽しめました。
無線機から時々ガーガーと音が鳴っているところを見ると、無線を使っている人はいるものの、この周辺にはいないようです。

 

12:30
白岩山山頂に到着。

 

ガスは晴れており、遠くまでよく見えます。
明石海峡大橋が笠形山の左側に見えていましたから、視程は50~60kmといったところでしょうか。

 


▲白岩山山頂から南~西方面の展望

 

双眼鏡を使えば、黒尾山の電波塔や高御位山の反射板も見えます。

 

山頂の岩の上で記念撮影をしようとしていたら、夫婦のハイカーが登ってこられました。
西側の直登コースを歩かれたとのこと。
かなりきついコースのようなので、登りには使わない方が良いかも知れません。
(後で知ったのですが、猪篠集落内に白岩山登山マップがあり、誰でも自由に持ち帰れるようになっています。それに書かれているモデルコースでも、西コースは下りに使われていました)

 

展望を楽しみ、夫婦のハイカーさん達と雑談をし、のんびりと時間を過ごしました。

 

13:30
白岩山の山頂を出発。
登りとまったく同じルートで下山しました。

 

14:05
登山口に到着。

 

GPSによると、歩行距離は約5.66km、累積標高差は約+671mでした。