播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の高場山(標高797.6m)

兵庫県内で山歩きをしていて、インターネット環境のある方なら誰でも知っている(言い過ぎかも)「山であそぼっ」というサイトの管理人「やまあそ」さんの呼びかけで集まったメンバー総勢5名で、姫路市と神河町の境界線上にある高場山(標高797.6m。地形図に山名なし)を歩いてきました。

 

参加者(順不同):
 やまあそ さん
 天々宇知栗(ててうちぐり)さん
 to_ryou さん
 GORYU さん
 しみけん

 


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「長谷」と「寺前」

 

8:10
姫路市街の自宅を出発。
国道312号線を北上し、「福本東」交差点を左折。後は峰山高原への案内に従って走るだけです。JR播但線の線路を越えて500mほど西に行ったところに「こっとん亭」なるお店があり、そこで10時前に待ち合わせということになっています。

 

9:10頃
こっとん亭に到着。
鎖がかかっていて車は入れません。仕方がないので、近くの空きスペースに車を止め、公衆トイレで用を足します。
そうこうしているうちに、9:30には参加予定者4名と飛び入り1名で5名がそろい、昼から雷雨かもという天気予報もあって、少し時間は早いですがこっとん亭を出発。
宮野集落から西へ延びる実線道に向かいます。

 

9:38
地図でPと書いた地点(墓地前の駐車場)に到着。

 

9:44
装備を整えて出発。

 


▲駐車場から西へ舗装林道が延びています。斜度は緩やか。

 

9:54
コンポストの香りが漂う工場(?)を通り過ぎるとすぐ、水力発電所の跡地が左手に現れます(地図参照)。説明板によると、宮野第一発電所(大正11年~昭和4年操業)と呼ばれる、94kwの出力しかない小規模な発電所があったそうです。
棚田のように平らな土地が段々になっており、かつては建築物があったことが分かります。
天々宇知栗さんは興味津々な様子。

 

序盤だけは車が通れそうな道でしたが、やがて破線道らしい山道に変わります。
山道と言っても幅が十分に広く、快適に歩けます。左手に沢を見ながら歩けるので、涼しげです。
やまあそさんによると、雪彦山の東にある賀野神社への参道になっていたそうなので、参拝者と水力発電所の関係者が頻繁に歩いていたのでしょう。

 

地形図の破線道には路肩を保護するための石積みがあったり、石を階段状に積んだところ、石にステップを刻んだ場所もあります。

 

10:16
道の右手に崖が現れました(地図参照)。上端はオーバーハングしており、蜂が営巣しています。

 


▲わかりにくいですが、赤っぽいロープが下がっています。

 

フィックスロープが取り付けてありますが、変色していていつ切れてもおかしくなさそう。
クライミングの練習場かな。それとも崖の上に何か珍しい物でもあるのかな。

 

道は少しガレ気味になっていますが、昔は石がきれいに敷き詰められていたのかも知れません。相変わらず斜度はたいしたことがありません。こんな調子で標高800m近くまで登れるのかな、と心配になります。

 

しかし、道は徐々に沢から離れて高度を上げていきます。

 

10:37
いくつか滝の音が左下方から聞こえてきましたが、突然やまあそさんの叫び声。
見ると、左手の視界が開け、谷の向かい側に三段滝が見えています(地図参照)。
落差は分かりませんが、かなり迫力のある滝です。

 


▲三段滝。

 

序盤は苔むした沢沿いの雰囲気の良い道、そして沢から離れたと思ったらすばらしい滝。
ただでさえ久しぶりの山歩きで気分が良かったのに、今日は本当にラッキーです。

 

3段滝を過ぎると、今まで沢の左岸を歩いていたコースが右岸に変わります。
渡渉地点には石垣が残っていて、かつては橋が架かっていたことを示しています。

 

10:46
やまあそさんのサイトにあった「左山三千 右ごんげん」の指さし道標に出会いました(地図参照)。
古い物なのでしょうが、文字がくっきりと残っていて、写真にとっても文字がはっきりと読めます。

 


▲道標

 

やまあそさんによると、ここから南西に斜面を登る道があるはずとのこと。しかし、いくら斜面を見ても倒木だらけで道なんて見えません。今日は下りにその道を使うということで、とりあえず沢沿いの道を進みます。下りは大変そう・・・。いや、それがやまあそワールド!

 

10:56
大きな岩のある渡渉地点を通過(地図参照)。この大岩には、橋を架けていたらしい四角い穴が残っています(沢の両岸に穴が2つずつ残っている)。

 

11:05
ペースカウンターで距離を測りながら歩いていたのですが、何度も立ち止まったりお話をしたり(歩数を忘れてしまう)で、かなり誤差が大きくなっていました。池はまだまだ先だと思っていましたが、水力発電所へ水を供給していた池に到着。
(4/29追記:発電所跡地の説明板では「池まで3.5km」となっていましたが、地形図で測ると2kmもありませんでした。ということで、私の歩測は間違っていなかったようです。)

 


▲地形図に載っている池。桜がまだ残っていました。

 


▲池の堰堤でしばし休憩。

 

池はきれいなエメラルドグリーンで、大きな鯉(地元の方が放流したらしい)が何匹も泳いでいます。

 

11:16
高場山山頂へ向けて堰堤を出発。堰堤を渡りきってまもなく、左手側に巡視路標識が現れます(17番鉄塔への標識)。

 

ここからは急な斜面に付けられたジグザグの巡視路を登ります。
本来はプラ階段があって歩きやすい道のはずですが、最初の内は倒木があってかなり荒れています。

 

倒木を過ぎると、巡視路らしい快適な道になります。ここのプラ階段は私が見慣れているプラ階段とはかなり違っています。
やまあそさんによると、環境に調和するよう木目調のプラ階段まであるそうです。

 

ジグザグになってはいますが、やはり一気に高度を稼ぐためちょっと疲れます。

 


▲急斜面に付けられたプラ階段の巡視路。

 

11:30頃
ジグザグの道が終わりました。稜線に乗ったようです。
視線を上げると空と鉄塔。もう山頂はまもなくです。

 

11:38
高場山山頂に到着。
360度の大展望が広がっています。

 


▲高場山山頂からの360度パノラマ写真(北を始点に時計回りに撮影)

 

山頂直下に巨大な鉄塔が建っているのが目障りですが、四等三角点(点名:柳谷)と鉄塔以外に何もない、開放的な山頂です。

 

それにしても風が強い。
山頂は狭くて風が強いので、一段下った鉄塔下のスペースで食事をすることにして鉄塔へ移動。

 

鉄塔下の斜面で美味しくお昼ご飯を頂きました。
今日のメニューは、マウンテンハウスのフリーズドライ「チキンテリヤキwithライス」。

 

15年ほど前、私が高校生だった頃、ホームステイ先の家族から「日本食が恋しいでしょう?」と言われて出されたのが「テリヤキ・ボウル」なる料理。和訳すると「照り焼き丼」。
「聞いたこともないんですけど・・・」とも言えず、鶏肉とグリーンピースが入ったあんかけのかかったご飯を食べたことがあります。あのとき食べたテリヤキ・ボウルと同じ味でした。私の感覚では美味しい味です。

 

食事が終わった後は無線。アマ無線の交信を聞いたことが無く、練習もまったくしていなかったのですが、案ずるより産むが易しと思ってトライしてみるものの、相手のコールサインだけじゃなく、自分のコールサインもパッと出てこない・・・。
コールサインを言う練習からしなくては。

 

12:30
山頂を後にして下山に取りかかります。

 

やまあそさんが古道(賀野神社への参詣道)を歩きたいとのことで、登りに使った巡視路ではなく、境界尾根を少し東へ進みます。そして境界尾根から南へ外れて鞍部へ下ります。(南の尾根への分岐はわかりにくいので、経験者同伴か、GPSを持って歩かないと難しいです。)
登山道というよりは踏み跡というレベルですが、人が歩いている形跡はあります。

 

12:50
鞍部に下る直前、なかなかの展望ポイントがありました(地図参照)。

 

12:55
鞍部に到着(地図参照:峠1)やまあそさんは鞍部から北へ等高線と平行に歩き始めます。
何でも、「道が見える」のだそうです。私の場合は、困ったことにどこを見ても道に見えてしまいます。
やまあそさんには石仏の神と古人の霊が憑いているのかも知れません。

 


▲地図で峠1と書いた場所の様子

 

13:09
やまあそさんの後を歩き、境界尾根に出ました。ここも鞍部(峠)です(地図参照:峠2)。

 

ここから先は、さすがのやまあそさんでも道が見えないらしく、植林の急斜面を適当に下ることになりました。

 


▲間伐材の転がる滑りやすい急斜面を各自好きなように下る。

 

13:25
地形図の破線道に合流しました。ほぼあの道標通りの場所です。

 

ここからは登りに使ったルートを辿って下るだけですが、天々宇知栗さんが石仏を発見。石仏の神より鋭い観察力。やまあそさんも興奮しています。
登山道より一段高いところにあるので、なかなか気づかないでしょう。場所は地図に書いていますが、興味のある方は自力で見つけてみて下さい。

 


▲登山道の少し上にある石仏。比較的新しい。

 

14:13
駐車場に到着。

 

初対面の方ばかりでしたが、個性豊かですてきな方ばかりで、リラックスして久しぶりの山歩きを堪能できました。

 

苔むした雰囲気、滝、大展望、古人の遺構。こんな良いコース設定は私には出来ません。
やまあそさん、次回も是非またお誘い下さい。

 

やまあそさん、そして参加者の皆様、ありがとうございました。