今日も相変わらずマニアックなネタになっています。
山歩きで双眼鏡を使っていますが、これはポロプリズムタイプ(対物レンズと接眼レンズが同一直線上にないタイプ)なのでサイズが大きく、ザックの容量に余裕がない場合には邪魔になってしまいます。
そこで、ダハプリズムタイプ(対物レンズと接眼レンズが一直線に並んでいるタイプ)の小型の双眼鏡を購入しました。信頼性と防水性、耐久性を考えて選んだら、軍用の双眼鏡になってしまいました。
製品名:M24
重量:385g(本体とレンズカバー)
メーカー:FUJINON(富士フイルムホールディングスの一員)
US価格:$350(アパッチという製品名で売られている民生品の価格です。)
▲FUJINONのロゴと、軍用品には必ず設定されているNSN番号が印刷されています。
仕様:
注:FUJINON製M24の仕様が見つからなかったため、フジノン社とは異なるメーカーが製造したM24双眼鏡の仕様を書いています。どちらも性能に大差はないと思いますが、参考程度にご覧下さい。
注:FUJINON製M24の仕様が見つからなかったため、フジノン社とは異なるメーカーが製造したM24双眼鏡の仕様を書いています。どちらも性能に大差はないと思いますが、参考程度にご覧下さい。
倍率 | 7倍 |
対物レンズ径 | 28mm |
プリズム | BAK-7 14.6mmルーフプリズム |
視界 | 7度 |
射出ひとみ径 | 4mm |
アイレリーフ | 16mm |
眼幅調整範囲 | 58~72mm |
視度調節 | ±4ジオプター |
ピント調節 | Individual Focus |
耐水性 | 水深1mで60分 |
なぜ軍用の双眼鏡なんか買うんだと思われるかも知れませんが、軍用の双眼鏡には、民間用の双眼鏡ではまずお目にかかれない「レティクル」と呼ばれる目盛り線が付いているのです。
▲双眼鏡を覗くと、写真のような目盛りが見えます。これがレティクルで、目盛りに書かれた数字の単位はミル。最小目盛り幅が5ミルなので、レティクルで1と書かれている目盛りは10ミル、2は20ミルです。
両方のレンズに付いているわけではなく、M24の場合は左の鏡筒に付けられています。
これがあると、対象物の大きさが分かっている場合はそこまでの距離、距離が分かっている場合は対象物の大きさが計測できるのです。
といっても、遊びにしか使えませんが・・・。
といっても、遊びにしか使えませんが・・・。
でも楽しいですよ。低山だと車や家の大きさで距離を知ることが出来ます。
たとえば、ビルやマンションの1つの階の高さは3m程度です。
窓枠や廊下の手すりの間隔をレティクルで測定した数値と、3mという数値を利用して計算します。
窓枠や廊下の手すりの間隔をレティクルで測定した数値と、3mという数値を利用して計算します。
(計算例)
▲双眼鏡の接眼レンズにデジカメを当てて撮影した写真です。色合いが変ですが、これは後述するフィルタの影響です。肉眼で見ると、もっと広い範囲が見えます(ミル目盛り上端は7、下端は3、左右両端はそれぞれ5まで見えます)。
すでに書いたとおり、最小目盛りは5ミルで、印刷されている数字は「0」を省略した数値です。そのため、「1」が「10」を表しています。それをふまえて写真をご覧下さい。
▲双眼鏡の接眼レンズにデジカメを当てて撮影した写真です。色合いが変ですが、これは後述するフィルタの影響です。肉眼で見ると、もっと広い範囲が見えます(ミル目盛り上端は7、下端は3、左右両端はそれぞれ5まで見えます)。
すでに書いたとおり、最小目盛りは5ミルで、印刷されている数字は「0」を省略した数値です。そのため、「1」が「10」を表しています。それをふまえて写真をご覧下さい。
上の写真では、1つの階の高さが5ミルに見えています。
上の公式に当てはめると 3(m)/5(ミル)*1000 で、600m離れていると分かります。(実際に地形図で計測すると、ちょうど600mでした。)
上の公式に当てはめると 3(m)/5(ミル)*1000 で、600m離れていると分かります。(実際に地形図で計測すると、ちょうど600mでした。)
三角点のそばなど、地形図上で明確に自分の位置が分かっているとき、送電線鉄塔の高さを測ることも出来ます。地形図で測って1,200m離れていると分かった送電線鉄塔が50ミルに見えた場合は、上の公式に当てはめると 50(ミル)*1200(m)/1000 で、高さが60mだと分かります。
この原理を利用した一般向けの製品に、ゴルフ用のスコープ(ピンまでの距離を測るための小型望遠鏡)があります。
安価なゴルフスコープだと、この双眼鏡のように目盛りが付いていて、ピンの高さを目盛りで測定することで距離が分かるようになっています。ピンの高さは2m程度と決まっているので、目盛りはミルではなく100や150(m)など、距離がそのまま印刷されています。
1万円前後のゴルフスコープの場合は、レンズを通してピンを見ながらカーソルを操作し、カーソルをピンの上端に合わせると距離がデジタル表示されるようになっています。つまり、ピンの高さ(2m)/カーソル位置(ミル)*1000という式を、ゴルフスコープに内蔵されている電子回路が計算しているわけです。
安価なゴルフスコープだと、この双眼鏡のように目盛りが付いていて、ピンの高さを目盛りで測定することで距離が分かるようになっています。ピンの高さは2m程度と決まっているので、目盛りはミルではなく100や150(m)など、距離がそのまま印刷されています。
1万円前後のゴルフスコープの場合は、レンズを通してピンを見ながらカーソルを操作し、カーソルをピンの上端に合わせると距離がデジタル表示されるようになっています。つまり、ピンの高さ(2m)/カーソル位置(ミル)*1000という式を、ゴルフスコープに内蔵されている電子回路が計算しているわけです。
高級双眼鏡では当たり前になっていますが、この比較的安価な双眼鏡でも完全防水(窒素ガス封入)になっています。
そのため大きさの割に重量があるのですが、ハードな山歩きはしないので、楽しいオモチャのためなら多少の重量増はあまり気になりません。
そのため大きさの割に重量があるのですが、ハードな山歩きはしないので、楽しいオモチャのためなら多少の重量増はあまり気になりません。
この双眼鏡を通して景色を見ると、多少赤みがかって見えます。これは、ミサイルや爆弾の誘導に使われるレーザーから目を守るためのフィルターが入っている(フィルターを内蔵していることは、マニュアル「ARMY TM 9-1240-407-12&P」に記載されています)からだと思います。
(兵器の誘導には、電波のように簡単に妨害されるものではなくレーザーが使われます。何かの拍子に双眼鏡を通してレーザーを見てしまうと、失明したり視力が低下するおそれがあります。兵士をそういった事故から守るための機能です。)
(兵器の誘導には、電波のように簡単に妨害されるものではなくレーザーが使われます。何かの拍子に双眼鏡を通してレーザーを見てしまうと、失明したり視力が低下するおそれがあります。兵士をそういった事故から守るための機能です。)
レティクルが付いている双眼鏡は、軍用か海事用くらいしかありません。海事用は当然完全防水でコンパスまでついていますが、大きくて重いし高価。
レティクルが付いていてコンパクト、高性能な双眼鏡となると、軍用しか見あたりません。安価な(性能に不安のある)双眼鏡でもレティクル付きのものはありますが、そういった光学系の性能が悪い双眼鏡は覗く気になりません。
というわけで、私はこのM24を買いました。
というわけで、私はこのM24を買いました。
余計な機能(レーザー防護フィルター)のおかげで色味は少し変になりますが、なかなか面白い双眼鏡です。