播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の苫編山塊南北縦走

今日も朝寝坊をしてしまい、家を出る準備が出来たのが午前10時を過ぎていました。
平日は午前6時に起きられるのに、最近休日に起きられなくなっています。
そこで、また近場の山を歩くことにしました。

 

去年の今頃、苫編山~籾取山へ縦走したので、今度はこの山塊を完全に縦断(山崎~播磨高岡)することに決めました。
しかし、貯水タンクへ上がる道を知りません。去年は山崎から縦走を開始するつもりが登山口が見つからず、苫編山から高岡までしか縦走できませんでした。

 

そこで、貯水タンクから下山して南端側の登山口の位置を確かめるため、北(播磨高岡駅)から貯水タンクのある山崎へ歩くことにして出発。

 


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路南部」

 

10:42
JR姫路駅から姫新線のワンマンカー、本竜野行きに乗り込み出発。
目的地の播磨高岡駅は無人駅なので、2両編成の先頭のドアしか開きません。先頭付近に乗っておくことをお勧めします。

 

10:47
JR姫新線の播磨高岡駅に到着。運転席から出てきた運転士さんに乗車券を渡し、ドア脇の開閉ボタンでドアを開けて下車します。ローカル鉄道の雰囲気が何とも言えず面白い。

 

跨線橋脇の出口から駅の南側へ出て、白いガードレールに挟まれた細い通路を通って車道に出ます。車道に出たらすぐ左に曲がり、5mほど先で右へ曲がります。そのまままっすぐ進むと、変電所の脇へ出られます。

 

10:50
この変電所の裏から登山道は始まっています。

▲矢印の位置から山へ入れます。「鬢櫛山」と書かれた小さな道標が入り口にあります。

 

最初の数メートルはプラ階段です。プラ階段が終わると、左手側に鉄階段が現れるので、それを昇ります。

 

数メートルだけの鉄階段の次は、岩の斜面です。斜度と雨のせいで、かなり滑りやすくなっていました。

 

Tシャツと薄いフリース1枚しか着ていないのですが、汗が噴き出してきます。

▲尾根道の様子

 

11:07
分岐に出会いました。この分岐は、左へ進むと琴丘高校の敷地内へ下山、右へ進むと縦走路です(上の地図で「分岐1」として表示)。

▲琴丘高校と縦走路の分岐

 

11:12
何本もの鉄塔の脇を通り、展望の良い岩場に到着(上の地図で「展望岩場」としている場所)。
この岩場は、岩の上を通るのではなく北側の巻き道を進みます。

 

この辺りから、登山道は土の道ではなく岩の道になります。岩と言っても斜度は緩やかです。手足四輪駆動で登るような岩場ではありません。

 

11:20
分岐に出会いました(地形図の186m標高点)。縦走路は左です。右へ進むと、この山塊の北西端にある電波塔方面への道に入ってしまいます。

▲分岐であることに気づかないかも知れません。

 

もう籾取山(200.3m三角点)は目の前です。

 

11:32
小さな三角点標石(四等三角点:点名「籾取」)と、三つに折れた石碑のある籾取山山頂に到着。ここからは展望が楽しめないので、少し南へ下ったところにある電波反射板のところで少しの間だけ景色を眺め、すぐに出発。

 

一見すると反射板で道が行き止まりになっているように見えますが、電波反射板の柵の周囲を反時計回りに進むと、縦走路の続きに入れます。

 

反射板の反対側からは蒲田方面へ下る道もありますが、縦走路は南東へ延びています。

▲南北の主稜線上の道の様子(籾取山~小簑峠)

 

11:46
地形図を見て分かる通り、緩やかな下りが続きます。そして、峠に到着。ここには「小簑峠」と書かれた小さな道標が立っています。
地面に打ち込まれた背の低い道標ですが、この道標の作者は道標を木にくくりつけたり、釘で打ち付けたりしたくなかったのでしょう。良い判断だと思います。

 

小簑峠からは、少し斜度がきつい上り返しです。滑りやすい場所には、トラロープの手すりが付けられていました。細い立木にくくりつけられたロープなので、あまり信用出来ません。

 

11:55
地面には濡れた落ち葉があるため、何度も滑り(一度思いっきり転倒してしまいました)ながら157m標高点に到着。

 

ここには送電線の鉄塔が立っており、その真下に分岐があります(上の地図で「分岐2」と表示)。
この分岐は、右へ進みます。左へ進むと、姫路商業高校へ下山してしまいます。

 

11:59
なだらかではありますが、濡れた落ち葉で滑りやすくなっている斜面を慎重に下り、「西庄P6」鉄塔を通過。

 

この付近から、道の左右に時々石柱が現れます。これは、この付近が陸軍省の所有地であったことを表すものです。
どんな軍事施設があったのか気になったので祖父に尋ねてみましたが、記憶にないとの返事でした。

▲陸軍省の標石

 

12:08
上の地図で「分岐3」と書いた場所に着きました。ここは東西の尾根へ道が分かれていますが、縦走路は直進です。

 

分岐3から峠に向かって下っていきますが、この付近は道の両側に笹が生えています。

▲峠への下り坂

 

12:13
峠に到着。ここにも小簑峠にあったのと同じタイプの道標がありますが、峠の名前が書かれていません。

 

峠から80mほど登り返せば苫編山です。北向き斜面で日が当たらないせいか、濡れ落ち葉が多くてよく滑るし、両側の笹も濡れています。斜度もこの山塊の中ではかなりきつい部類に入ります。

 

12:28
転倒しないように慎重に一歩一歩進み、なんとか苫編山山頂に到着。
単独の男性ハイカーが昼食中でした。この方が、本日の山歩きで出会った唯一のハイカーでした。この方も私と同じで播磨高岡から歩き始めたとのこと。

 

三等三角点標石(点名:苫編)を見ると、脇に測量用の紅白ポールが突き刺さっています。そのポールを支えるためのビニールロープが張られているのですが、ボロボロになっていて見苦しい。役目を終えているように見えますが、勝手に撤去していいものか。我慢することにします。

▲苫編山の三角点の様子

 

苫編山の山頂にも電波反射板があります。
山頂からの展望はイマイチなので、ここから少し西へ下った岩尾根で昼食を取ることにします。

▲苫編山の西にある岩尾根

 

今日の昼食は地元のメーカー、イトメンの「チャンポンめん」。新しく購入したMSRの分離型ガスストーブ「WindPro」を使って調理しました。WindProは大きいですが、炎が広い範囲に吹き出すため、クッカーの底面全体を加熱してくれて、熱効率が良いような印象を受けます。小型のガスストーブだと、クッカーの中心付近からしか泡が出てきませんが、WindProだとクッカーの底全体から泡が沸いてきます。

 

正面にはJR英賀保駅が見え、右を見ると京見山と白毛山が間近に見えます。霞のため遠望は効きませんが、双眼鏡で遊んだりひなたぼっこをしてのんびりと時間を過ごしました。

 

先客の男性ハイカーは私がご飯を食べている間に下山されたので、山頂が独り占めできて幸せでした。

 

13:14
山頂を後にして南西へ下ります。

 

道の様子は今までと変わりませんが、こちらの方が登山道に積もった落ち葉が多いような気がします。

 

13:18
ほぼ平坦な道を歩いていると、「分岐4」に出会いました。左へ行くと南向きの尾根づたいに下山、右が縦走路です。

 

非常になだらかな下り坂が続きます。

 

13:28
分岐5に出会いました。これを左へ入ると細い尾根づたいに下山するのでしょう。縦走路は右です。

 

13:33
左側へすごく広い道が下っている分岐に出会いました。上の地図で「分岐6」と書いた場所です。尾根も何もありませんが、斜面を富士見ヶ丘へ向かって下っていくのでしょうか。ここは広い道を無視して直進。

 

13:37
少し登り返すと送電線鉄塔に出会いますが、何か変です。電線がありません。鉄塔だけが残っています。

▲電線が撤去された鉄塔(上の地図では「廃鉄塔」と表示)

 

13:42
登山道の脇にきれいな石碑が建っています。見ると、「城之台」と彫られています。この小ピークの名前でしょうか。

 

城之台の石碑を過ぎると、前方に巨大な貯水タンクが見えてきます。

 

13:48
貯水タンクの周囲を時計回りに回るような感じで歩き、ベンチが2つ置かれた場所に出ました。
ベンチの左を見ると、コンクリート階段が下っています。しかし、2つのベンチを越えて先へ進むと、左手側にきれいなコンクリート階段が見つかりました。これが正規のルートでしょう。

▲手すり付きのコンクリート階段(丸太に見える物は樹脂製?の擬木)

 

13:52
下山完了。姫路市水道局の施設の裏に出ました。
こんなところに登山口があったとは。

▲この車止めのある道の奥に下山しました。

 

この後はJR英賀保駅に向かい、14:36発の電車で姫路駅へ戻りました。
歩行距離:約6km(播磨高岡駅~籾取山~苫編山~山崎貯水タンク~英賀保駅)

 

この付近は道路が複雑なので、地形図ではなく各種の道路地図やGoogleマップなどを使うことをお勧めします。

 

景色は楽しめませんでしたが、単独山歩きを堪能できました。山頂でも一人で過ごせたのは本当に久しぶりのような気がします。